3.5MHz CW トランシーバ MFJ-9380K の製作

海のかざり

2016/4/23
Last update : 2016/4/23

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花のアニメMFJ-9380K の概要

3.5MHz CW トランシーバ 「MFJ-9380K」を製作しました(2015年9月完成)。MFJ のこの機種のページはこちらで、マニュアルのダウンロードも可能です。出力は 約 2.4W 出ました。
なお、同時期に 21MHz CW トランシーバ MFJ-9315K も製作しました。

MFJ-9315K(左) と MFJ-9380K(右)

MFJ-9315K(左) と MFJ-9380K(右)
(「PHONES」の上のプッシュスイッチ、LED、天板のスピーカの穴などは改造によるもの)

手のひらサイズの 3.5MHz CW トランシーバのキットを作りたかったのですが、知っている機種は限られていました。
MFJ-93xx シリーズの特徴としては、全バンド共通と思われる、表面実装部品があらかじめ実装された基板が提供され、ユーザがバンドに依存する部品(表面実装ではなく従来のリード線タイプ)や、ボリウムやコネクタなどの大きい部品をハンダ付けすることにより、組み立てるのですが、これにより、手のひらサイズの小型化と、初心者にも作りやすいことを実現しているようです。
表面実装部品がもともと実装されている点は、好みが分かれるところだと思います。

組み立て前の MFJ-9315K 基板

組み立て前の MFJ-93xxK 基板
(表面実装部品はもともと実装されている)

MFJ-9380K 基板

MFJ-9380K 基板
(中央の半固定抵抗は未実装)

MFJ-9380K リアパネル

MFJ-9380K リアパネル
(写真は MFJ-9315K のもの:見た目には同じ)
(標準のアンテナコネクタは、下の穴に通す RCA ピンジャック。上の穴に手持ちの BNC レセプタクルを設置し、下の穴は黒のアクリル板で塞いだ)
(左上のビスは 'FREQ-mite' 取り付け用)


花のアニメ今回の製作概要(改造点)

MFJ-9380K 内部

MFJ-9380K 内部
(右下が増設した 'FREQ-mite'、スピーカも増設したもの)

以下の改造を行いました(主な点のみ記載)。

MFJ-9380K フロントパネル

MFJ-9380K フロントパネル
(「PHONES」の上のプッシュスイッチは周波数表示用。LED の改造は本文参照)
(「9380」、「JN3DMJ」の文字は、私がレタリングしたもの)


花のアニメチューニングボリウムの方向変更

標準の MFJ-9380K は、チューニングボリウムを右に回すと周波数が小さくなるのですが(MFJ-9340K も同じ)、使いにくいので、基板の結線を変更し、右に回すと周波数が大きくなるようにしました。

基板表のパターンを2ヶ所カット 基板裏のパターンを2ヶ所カットし、左右クロスで結線

チューニングボリウム R4 の基板部分の結線を左右逆に変更
(基板パターンを表裏計4ヶ所カットし、左右クロスで結線する)


花のアニメ周波数可変範囲拡大・縮小について

MFJ-9380K の局発は VFO であり、C9 を交換することにより、周波数可変範囲を拡大・縮小することができますが、検討の結果、オリジナルのままとしました。

C9 周波数可変範囲(例) 備考
オリジナル(27pF) 3.500〜3.565MHz ←現状

周波数可変範囲に影響する C9

周波数可変範囲に影響する C9 (中央の 27pF)
(交換が容易なように、端子ピンを使用)


花のアニメ周波数表示について

周波数表示は、私の SST40 にも採用している 'FREQ-mite' を採用し、フロントパネルに追加したプッシュスイッチを押すと送信周波数の100/10/1kHzの桁がモールス音声で出力されるようにしました。
'FREQ-mite' は元々 Small Wonder Labs の製品でしたが、販売終了になり、その後、Four State QRP Group から購入可能 になりました。
'FREQ-mite' の出力には、半固定抵抗を設置し、音量が調整できるようにしました(上の方の写真参照)。

'FREQ-mite' AF信号取り込み部

'FREQ-mite'(左)と、AF信号(モールス音)取り込み部(右)
('FREQ-mite'の周波数のオフセット設定は右下の10組のピンにジャンパーを挿すことにより行う。実際の設定と写真とは異なる)
(AF信号取り込み部の抵抗器は、基板上の表面実装部品の端子にハンダ付けするので難しかった)


花のアニメローパスフィルタ増強

ファイナルの後のローパスフィルタは、オリジナルは2段なのですが、基板とアンテナコネクタ( BNC レセプタクル)との間にもう1段追加しました。

MFJ-9380K ファイナルの後のローパスフィルタ

MFJ-9380K ファイナルの後のローパスフィルタ


花のアニメファイナルトランジスタ交換は断念

説明書に ファイナルトランジスタを 2N5109 から 2N3553 に交換すると出力がアップできると書いてあったので、アメリカのお店から 2N3553 を購入し、交換してみました。
しかし、作り方が悪かったのか(?)、残念ながら、出力が 2.4W から 0.9W に低下したので(別の 2N3553 に交換しても同じ)、元の 2N5109 に戻し、最終形としました(その 2N3553 の hFE を測定したところ 140 だったので、不良品ではないと思うのですが)。

2N5109 2N3553

オリジナルの 2N5109 (左)と交換候補だった 2N3553 (右)


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