野草と野菜
(卓効のある野草と健康野菜)


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1  しいたけ(成人病、貧血、皮膚病などに)
 「しいたけ業者はカゼ知らず」と言われてきたほど、その効用は経験的に良く知られています。ビタミンB1、B2の他Dの価値が大きく認められる一方、キノコ類一般の効用が、科学的に実証され、注目を集めています。
〔効用〕
 コレステロール値が高く、医師から注意されている人や、高血圧、のぼせ症、ウィルス性感冒にかかった人には、ぜひお薦めします。特に高血圧には有効で、しいたけエキスを一ヶ月続ければ、普通、ハッキリと効果を知ることが出来るでしょう。又、動脈硬化や脳軟化症、皮膚病、糖尿病、貧血、精力減退、蓄膿症、歯槽膿漏、神経痛、痛風などの人にもお勧めしたいものです。しいたけの有効成分に、エリダデニンというアミノ酸の一種があります。この成分は代謝の回転を速める作用するので、コレステロールなどの沈着を洗い流してしまいます。高血圧をはじめ、様々な病気に効くというのも、この働きによるものといわれています。さらに、もう一つの成分として、メラニン色素が多量に含まれていますが、これは内分泌を盛んにする働きを持っています。
〔用い方〕
 有効成分の最も多いのは胞子で、しいたけのカサの裏側のひだに付着していますが、胞子部分だけを食べるというのも難しいので、しいたけエキスを用いるのがよいでしょう。胞子の成分を多く含んだエキスも市販されています。もっとも、メラニン色素の持つ効果を期待するなら、カサ全体に含まれているのですから、エキス分だけでは十分といえません。エキスを取った後、カサさを刻んでみそ汁に入れるなどの工夫をすれば万全です。いずれにしても、しいたけの薬効を期待するなら、規則正しく、長時間続けることが大切です。
 
【したけエキスの作り方】
〈材料〉干し椎茸2枚、水
〈作り方〉@干し椎茸をコップに入れ水を七分目ほど注いで一晩おきます。A翌朝、椎茸を取り出し、椎茸のつけ汁だけを飲みます。取り出した椎茸は石づきをとって、みそ汁の実や煮物に使いましょう。椎茸エキスは、そのままで飲みにくければ、みそ汁のだしにしてもよいのです。
 
【しいたけ茶の作り方】
 毎日、忘れずに飲み続けるには、健康茶として習慣づけることが大切です。椎茸エキスほど飲みにくさを感じさせないのも利点でしょう。
〈材料〉生でも、干したものでも。
〈作り方〉生はさっと水洗いし、石づきの先を切り取って、布巾で拭き、網で両面をこんがり焼きます。干し椎茸は手で小さく割り、ミキサーで粗めに粉砕します。
〈用い方〉生は茶碗に一枚入れ、熱湯を注いで2〜3分おいてから飲みます。干し椎茸は大さじ2を急須に注いで7〜8分おいてから飲みます。一度使ったものでも、さらに煎じれば飲む事が出来ます。
 
【入浴用しいたけ浴剤】
 まれに、椎茸を食べると吐いてしまうほど、椎茸との相性の悪い人がいます。そんな方には、毎日入る風呂の中に椎茸を入れて、浴剤としての使用をお薦めします。良く温まります。
〈材料〉生でも、干し椎茸でも。
〈用い方〉木綿の袋に、生シイタケなら2〜3枚、干し椎茸は粉砕したもの大さじ3杯ほど入れ、浴槽に浮かします。
 
【しいたけ酒】
〈材料〉椎茸10枚(生でも、干したものでも良い)、日本酒1.8L
〈作り方〉日本酒1.8Lに10枚の椎茸を入れ、2日ほどおきます。
〈用い方〉普通の日本酒のように燗をして飲みます。胞子の成分が酒に溶けて、代謝の回転を速めるため、椎茸の効用を期待できるほか、少量でも早く酔うのが特徴です。
〔選び方のコツ〕
 シイタケの有効成分は、本体より胞子に多く含まれています。胞子はカサの裏側のひだに付着していますから、薬効の高い椎茸は、あまりカサの開いていないものの方が良く、ドンコといわれる肉厚のものが良質といえましょう。