子育てコラム:子育てに悩んでいるお母さんを応援します

Vol.6:反抗期:抱きしめることを忘れないで

子供が2歳になると、親は、かわいい我が子の初めての反抗期を経験します。それはそれは大変な時期です。でも、それは成長している証拠でもあるのです。

赤ちゃんの時は、全てのことを大人に頼って生きています。それが、成長するにつれて、少しずつ自分の力でできることが増えてきます。やりたいこと、できること、できると思ったのに失敗してしまうこと。子供は失敗を恐れず立ち向かうことで、階段を一段一段上っていくのです。たくさん失敗もするし、たくさん怒られる時期ですが、この年齢の子供は、たくましく突き進みます。怒られて大泣きしても、寝て起きたら、またやりたい放題やってくれます。

この時期の子供は、動物的な勘をまだまだ持ち備えています。親が同じ部屋に居れば親が居ることも忘れて好き勝手をしているから、ちょっと洗濯でも干そうかな、と思った瞬間、第六感で察知して足にからみついてきます。本当に不思議なものです。子供と親は強力なゴムでつながっているみたいです。離れれば離れるほど、強い力で引き寄せられます。近づきすぎると、うっとうしいとばかりに暴れ回るのに、親が離れていく不安を感じると後追いを始めます。そんな時は抱きしめてあげてください。うっとうしいぐらいに抱きしめられたら、ぷいっと離れていきます。いくら抱きしめてもくっついて来る子は、もっともっと抱きしめて。時間も用事も忘れて、心と心が触れ合うまで、抱きしめて。時間が足らなくなったら、家事の手を抜けば良いのです。

お金がすべてと言う大人がいます。確かに、生きるためには、働いてお金を稼ぎ、必要な物を手に入れなくてはいけません。でも、第六感の強い幼児は、形ある物よりも愛情を欲しているように思います。お腹が空いて泣くように、愛が欲しくて泣くのだと思います。時間に追われている大人が忘れてしまった、形のない物の大切さを、幼い子供が思い出させてくれます。子供が泣いているとき、言葉にできない要求が何なのか、柔軟な心で感じてあげることができたら、反抗期に暖かい光が差し込むかもしれません。一緒に居て欲しい、見つめて欲しい、聞いて欲しい、そんな子供のサインに気付かず、おもちゃやおやつを与えてご機嫌をとろうと思ったら、子供はどんどん強い態度で向かってきます。それでも親が気付かなかったら、そのうち子供は愛情を要求するのをあきらめてしまいます。さびしいことです。


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