子育てコラム:子育てに悩んでいるお母さんを応援します

Vol.5:喘息

近年、喘息のお子さんの数が増えていると言われています。一方、喘息治療の進歩により、発作予防の考え方が変わってきています。

以前は、喘息と言えば、テオフィリン(商品名:テオドールやネオフィリン)の内服や気管支拡張剤(ベータ刺激剤、商品名:ベネトリン、ブリカニール、ホクナリンなど)の吸入や内服が基本でした。これは、喘息発作時の気管支狭窄を主なターゲットにした治療です。ところが最近は、喘息の根本原因である炎症をおさえて、発作を未然に予防することが治療の基本と考えられるようになってきました。

炎症を抑える治療として使われているお薬としては、抗アレルギー薬の吸入(商品名:インタールなど)や内服(商品名:オノンなど)、ステロイド吸入があげられます。以前はステロイド吸入による成長障害などの副作用が問題になりましたが、現在使われているお薬は、そういった心配がないものに改良されているようです。どのお薬を使うのが良いかは患者さんとの相性があります。当院では予約外来で、じっくりご家族の方とも相談しながら、調整していくようにしています。

喘息の治療でお薬と同じぐらい大切なことは、生活改善です。気管支の炎症の原因が取り除けたら、お薬が必要なくなる場合もあるのです。たとえば、ハウスダストが原因なら、カーペットをやめてフローリングにしたり、掃除の仕方を工夫したりすることで、かなり症状が改善することがあります。また、風邪をひいたり、疲れたり、ストレスがたまるなどの心身に負担がかかった状態は、発作を引き起こします。普段から、早寝早起き、バランスの取れた食事、適度な運動、うがい、手洗いに心がけることが大切です。

苦しい発作を予防し、気持ちの良い毎日が送れるようにと願いつつ、発作の時は、適切な治療で早くに楽になるように、保護者の方と協力していきたいと思っています。


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