院長  堀尾俊治 (ほりお しゅんじ)

     


  略歴                        所属学会          

  京都大学卒業                           日本眼科学会専門医
 近畿大学病院(研修医)                     日本網膜硝子体学会
 (財)倉敷中央病院                              視能矯正学会 等多数
 京大眼科
 国保弥栄病院
 ほりお眼科内科開業


◆院長のひとこと 


1.日常診療への心構え

 開業して23年になります。
地域の方々にできるだけ身近で、かつ高度な医療貢献が出来ればと考えております。
眼科一般はもとより「目は口ほどに物を言う」わけで、眼や表情を見れば
全身の状態、生活環境、果てはおおよその性格まで推測が出来ます。
白内障や緑内障などの眼の疾患はもとより成人病代謝疾患、心の病等何でもご相談下さい。

白内障はもちろん、緑内障も早期発見が可能になっています。
緑内障は一生の病気で進行した状態で発見されても眼の機能は元に戻りません。
したがって早期発見・早期治療が原則です。検診などで緑内障の疑いをもたれたときには
必ず精密検査を受けて下さい。

糖尿病性網膜症も増えています。
合併症が眼に来ると、失明に至る大変怖い病気になります。これも早期発見すれば
必ず治るものですから、受診して下さい。

加齢黄斑変性も最近新しい治療が出来て治るようになってきました。
過去において見放された場合でも、再度受診をされる事をお勧めします。


2.格差社会について

 格差社会が叫ばれて久しいです。
年収一億円を超える人が数百人もいる一方で、働く人の35%が非正規雇用であり、
年収200万以下の方が一千万人を超えるといわれています。
一体年収がどれくらいあれば人は満足できるでしょうか。
 例えば、トヨタの「クラウン」が大体500万円くらいです。これを一つの目安とすれば
年収が500万円以下の人達の税金、あるいは年金の掛け金を殆ど0にしても構わないのでは?
その代わりに高額所得者からの累進課税をもっと大きくすべきです。

高額所得者を増税にすると、日本が魅力的でなくなるとか、高額所得者は有能だから彼等が
やる気をなくすと日本はダメになるという議論がありますが、そんなことはありません。
日本には、お金では買えない世界にも類い稀な豊かな自然環境と沢山の水と快適な生活環境があるから
逃げる人はいない。大体普通の生活をするのに年間数1000万円ものお金は不必要でしょう。
先日、米国では為替ディーラーの中には毎年数千億ドルの収入を得る人が何人も居ると
報道されましたが、そういう御仁からは99%所得税を納めてもらう、
あるいはユニセフ等への寄附をしてもらうべきですよ!


消費税はその逆進性を考慮しても、欧米諸国が全て10%以上の税率ですから
日本もそれに追従すべく、最低10%ぐらいにしてもいいのでは?

かつてある首相が『額に汗して働く人が、それに見合う待遇を得られる社会』を唱えておられましたが、
そのためにも「中流階級」を増やすべきです。
低所得者の税及び社会保障負担を極端に減らすべきであります。



3.教育について

 橋下徹大阪市長の発言により、教育議論が盛んです。
教育は国の将来を担う子供達を育てる事なので、全ての人が真剣に考えなければなりません。
子供はみんな産まれた時には、100パーセントの可能性、つまり一国の指導者にもなれれば、
ノーベル賞級の研究者にもなれる可能性があるわけですから、彼らを上手に育てるのは大人の大切な
仕事です。
 また私ぐらいの歳(58歳)にもなると、自分の人生経験やその反省から子供の育て方は
大体分かってきます。
その原則は「子育ては個(性)育て」ということ。
ノーベル賞受賞者の益川さんや下村さんも言われている通り、決して上から押さえつけるのではなく、
子どもの好きな様にさせてやれば必ず立派に育ちます。
もうひとつは、子供の成長は病気の進行と同じで時間を待ってくれず、四六時中続くものですから、
子育ては24時間作業だという事です。
 
年齢ごとに大体の育て方についての私見を述べます。


 生後1才くらいまで: 人間の子供というより、猿の子供と同じで生きるのが精一杯の時期。
生活の基本は睡眠であり、睡眠の合間にミルクを飲んで、時々キョロキョロするという程度でしょう。
十分な睡眠をとらせてその合間に、ミルクなど十分な栄養を与えてあげ、病気などにならない様、
快適な環境を作ってあげるしかありません。


 1才〜3才くらいまで: 一人立ちするようになると活動的になりますが、基本的な生活のリズムは睡眠、
起きて遊ぶ、お腹が減るとミルク、また睡眠の繰り返しです。ただ脳の発達や運動能力の向上と共に
周りのものにいろいろ興味を示すようになるので、その時には思いっきり遊ばせる事です。
おもちゃ、絵、本、水遊び、その他関心を示すものがあれば、飽きるまでとことん付き合ってあげる事です。
疲れ果てると、後は食事をして寝るだけ。その繰り返しで子供の知性や運動能力はどんどん向上します。
「やめなさい」「いい加減にして」は禁句。


 3才以降5、6才まで: 周囲のものに興味を示し個性が出てくる頃ですし、知性や運動能力も非常に
発達する時期です。子供が将来東大に入るような頭の良い子になるか、プロスポーツ選手になるかは
この時期の育て方が大きく左右します。
 要は、その子が興味を示す事(お絵描き、水遊び、運動)にとことん付き合ってあげること。
ボール遊び、土いじり、水遊び、かくれんぼ等、子供は放っておけば1日中続ける事もありますが、
その「集中力」の養成が大切です。決してさえぎってはいけません。
子供が疲れ果てて眠くなるまでさせること。そうすれば一日一日大きく成長します。
大人にとって、それを見守り一緒に付き合い、更に子供の能力に応じ適宜刺激を与えることは、
大変忍耐が要ることですが、毎日「昨日と違う」子供を発見する事で驚きかつ喜びを感じるので
苦にはなりません。
 また寝る前には、絵本等を読み聞かせてあげれば、知性の向上に非常に効果的です。
水泳も全身運動として非常に重要です。とにかく子供の遊びや運動を制限せずにとことんまで付き合うこと。
 子供の成長の速度は一定ではなく、必ず飛躍する時期とスランプの時期があります。(※0)
飛躍する時期には、どんどん高いレベルの刺激や課題を与え、スランプの時期には叱らず、積極的な刺激も与えずじっと見守ります。


 6才以降: 親の手がかかるのはせいぜい小学校低学年までです。
それまでは子供の要望をよく聞いてあげて、とことんまで付き合ってあげる。
頭が優れた子であれば、できるだけ難しい課題を与えて伸ばす努力をしてあげる。
運動の好きな子は、野球、サッカー、バスケット等とことん遊ばせてあげる。と共に、子供は必ず上手くなりたいと考えるのでその向上心を大切にして、共に練習する。


 11、2才になるとかなり一人立ちするわけですから、それまでの家庭ないし学校教育が重要であり、
それ以降は本人が自ら判断する年代になるとともに親の言う事は聞かなくなってきます。


 現在の小中高の学校教育は大変無駄が多い。
12〜18才はあくまで将来社会人になる準備をする期間ですから、集団生活に重点を置いて、社会性や
協調性、労働に必要で十分な体力を養成するべきです。(※1
昔は読み、書き、そろばんが出来れば、小学校卒業だけで自立したし、現在でもそれは変わりません。 また現在、小中学生で塾に通っている子が多いですが、塾の方が学校よりずっとレベルが高いわけですから、小中学校における算国理社の4科目の授業は不要です。
学校で必要なのは、音楽や芸術あるいは体育更には運動会、文化祭などの集団活動だけであります。
現在一部の公立中学で採用されている「インターンシップ(企業実習)」をもっと大幅に取り入れるべきです。


 大学もかなり無駄が多い。
私は医者なので医学部しか分かりませんが、今日医者になるには入学してから8年要するわけで、
これはあまりにも長すぎます。私の感覚では4年で国家試験を受けるようにして、合格すればすぐに
実地訓練に移るべきです。基礎医学を志して研究者になるには20代前半の頭の軟らかい間に
創造力を養わなければ、役に立つ研究は出来ません。臨床医になるにも一人立ちするには最低6、7年
かかるので、現在の様に30才になっても一人前になれない制度ではまともな医師は育ちません。(※2
小学校を卒業したら、「社会人を養成する」ことを前面に出した教育をすべきです。



4.社会の閉塞感について


政治、経済、原発など社会に閉塞感が蔓延しています。政治が悪い、政治家がだらしないと批判するのは
無意味です。彼らを選んだのは自分達だからです。最近「ポピュリズム」という言葉をよく聞きます。
邦訳すれば「衆愚社会」つまりみんなバカだということ。(※3

 確かに「歴史は繰り返す」わけで、やがて太平洋戦争のような破局が訪れるかもしれません。(※4
現在、政治経済をとりまく様々な難問も少し考えれば解決の処方箋は誰にでも分かる事なのに、
実行できないのは「多数決」で物事を決めるからです。危険な言い方ですが、ポピュリズムの社会では
多数決を止めるべきです。良識のある人は少数派であり、彼らの意見が通らなくなっている。
それでもやがて訪れる破局を少しでも先送りすべく、更にその後に訪れる平和な安定した社会を見据えて、
互いに連携すべきだと思います。


参照
※0
飛躍とスランプは交互にやってくる。1才くらいでは数日毎に交替するが、年長になると周期が
長くなり、3才では2〜3週毎。5、6才では1〜2ヶ月毎でしょうか…

※1 
先頃、中学校で柔道や剣道が必修になったが、生徒の体力向上を促進させるには、寧ろ水泳や
陸上(持久走)を必修とすべきです。

※2
私も一人前に医学部を卒業して、医者になりましたが、中学高校時代に勉強した科目の中で、
英語は別として、数学他の知識は日常の仕事の中で殆ど使いません。医学部6年間で培った知識も不要です。社会人として必要な知識は社会生活の中でしか、身に付かないのです。

ドイツでは中高生も授業は午前中だけで午後は地域のクラブで活動をするか社会奉仕をすると
聞いております

※3 
原発にしても、福島の惨状や使用済み核燃料の処理場さえ決まらず、貯まる一方の現状を見れば、
すぐには無理でも中長期的には全廃するしかないにも拘わらず「維持」を希望する人がいかに多いことか!

※4 
以前は「レミングの大移動」の話を聞きました。北欧に生息する野ネズミの一種「レミング」は
数が増えすぎると集団で大移動し、片っぱしから海に飛び込んで死ぬそうです。人間も同じかもしれません。






職員紹介
                               




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