患者さんの問い合わせが多い眼の病気


近視

 体の成長と共に眼の長さが長くなることによって起こるものであります。
特別な治療法・予防法はありません。
両親が近視の場合は、ほぼ100%子供さんは近視になりますし、民間で行われる超音波療法
あるいは遠方視によって、近視が予防・治療できるわけではありません。
 
ただ、小学校低学年の時には、調節筋の緊張によって起こる仮性近視の段階であることが
多いため、これは調節麻痺剤の目薬による治療が可能であります。
眼鏡装用はかえって近視の進行を促進するために、近視が軽い間は勧められません。

日常生活や勉学に支障を来す段階になって初めて弱めの度数の眼鏡を作っていただき、
これを授業中など最小限の使用に止めるのが原則であります。
日本人の七割以上が近視であるために、必ずしも病気と位置付けられない面もあります。
要は二十歳前後になって近視が完成された時に、あまりにも強い近視の為に日常生活に支障を
来さないように、日頃から注意して対応することが重要であります


白内障 ※様々な白内障

 加齢や様々な疾患によって水晶体が濁るのが白内障です。
日常生活に支障が無ければ手術は必要ありません。
運転免許をとれないとか、日常生活に支障を来すと手術の適応になります。
 当院ではご本人の入院の希望が無い場合は、全て外来手術で行っております。
手術後の安静については、当日の夜だけは大人しく寝ていただきたいですが、翌日からは
ほぼ自由に生活出来るようになります。


緑内障 ※様々な緑内障

 緑内障は、主に高眼圧によって視神経が萎縮し、視野および視力障害を来す病気で原因は
わかっておりません。予防法も特にありません。
以前は緑内障は初期の間は殆ど自覚症状が無いために、発見された時にはかなり進行した状態で
あることが多かったのですが、最近は検査機械の発達によってかなり早期に発見できるように
なりました。緑内障はいったん陥ると一生治らない病気ですので、早期発見早期治療が原則です。
当院ではOCT等を駆使して早期発見に努めています。
 40歳以上の方は是非定期的な緑内障検診を受けられるようお勧めします。


糖尿病網膜症

 今日、糖尿病網膜症が日本人の失明の第一位であります。
糖尿病の増加によって網膜症に陥る人も多く、放置により失明に至る人が多いわけです。
進行した糖尿病を放置しておくと、何年か後に網膜症が発症します。
最近は光凝固(レーザー手術)によって、網膜症を安定させることが出来ますが、それでも糖尿病の
進行により視力障害に陥る可能性があります。糖尿病の方は、定期的な検診を受けられることを
お勧めします。


加齢黄斑変性

最近増えている病気であります。テレビ等でよく周知されているものです。
以前は治療法が無かったのですが、最近は新しい機械や、あるいは薬の開発によって
これが治療できるようになりました。
物を見ようとすると真ん中だけが暗く見える、あるいは物が歪んで見える等の症状の方は
是非受診して下さい。


飛蚊症

視野の中に黒い点があちこち見えるという症状であり、大変多い症状であります。
加齢によって、眼の中の状態が変化することに伴って飛蚊症が起こります。
大抵はそのまま放置して大丈夫ですが、稀に網膜剥離や眼底の出血によることがあります。
急な飛蚊症の増加がありましたら、早めの受診をお勧めします。