ギャンは車に弱い。 2歳4ヶ月になった今でも、車酔いでゲロゲロすることがあるぐらいである。車を走らせて1時間経ち2時間近くになった頃、それまでおとなしく伏せていた姿勢からニョキッと起き上がり、ヨダレが激しくなってくるとそろそろ危ない状態に突入しつつあるのが最近のパターンとなっている。おどおどした表情とすがるような目つきで立ち上がったり座ったりしたのち、再び伏せる。 これで大丈夫だろうとほっとするのはアマイのだ。再度起き上がったときがだいたいゲロゲロのタイミングとなる。ガボッとやったときに、そいつを予め用意していた容器で上手く受け止められたとき、それが何ともいえない快感に変わるが‥‥。 もちろん、そんなに上手くいくときばかりではない。目的地にようやく辿り着くといったところまで来て何事もなく良かったとほっとした途端、一転地獄へ突き落とされたことも何回となくあった。 こんなことをふと考えたのは、不覚にも、20年以上前に駐車違反で捕まって以来となる交通違反で捕まったからである。 そう言えば、2年前の3月17日、ギャンが我が家の一員に加わった正にその日にトラブルに見舞われた事が車での災難の始まりだったような気がする。 ブリーダーの駒田犬舎から車でギャンを連れ帰る途中、某幹線国道を走らせていたとき、駆動系統のトラブルで停車を余儀なくされ、路側帯ぎりぎりのところで、いつ大型トラックに追突されるかもしれない恐怖のなかでJAFを待っていた。そのとき、小さなギャンには当然のことながら事情が分かるはずもなかったが、こちらとしては、最悪の事態もチラッと脳裏をかすめ、何となくギャンに申し訳ないことをしたような気分になったものだ。幸い、ダンボール箱に入れられたギャンは、乗用車内に残されたままの状態で、JAFの牽引車に引かれて事なきを得たが。 ひょっとしたら、ギャンの車酔いは、このときの悪い印象が生んだ結果かもしれない。 話を元に戻すと、スピード違反で路上設置の取締り用カメラがピカッと光ったときにもギャンが同乗していた。そのときも、ギャンには何があったのかはわからず、ただただ後部座席で車酔いと闘っていたに違いない。 これまで、ギャンとは、キャンプでもドッグランでもドッグ・カフェでも一緒に楽しい時を過ごしてきたつもりだ。 警察や裁判所への3回もの面倒な出頭を経て、やっと免停処分がこの6月1日から始まったばかりだが、果たして車に弱いギャンはこのことを喜んでいるのだろうか? 聞けるものなら是非本心を聞いてみたい。 (06/05/2004) |
back | next |