ISACA大阪支部監査基準分科会 平成9年12月31日
「ネットワーク管理のガイドライン」は、システム監査基準では不十分であるネットワーク管理について実務指針となる手順書を作ることを目的に、ISACA大阪支部の監査基準分科会でまとめたものです。
システム監査基準(1996年1月)は、「集中処理又は分散処理のいずれにも適用できる」とうたっているものの、集中処理を念頭に置いた記述がかなりあります。そのため、今EDPシステムで急速に普及しているLANやWANといったネットワークを監査しあるいは管理する場合に、寄るべき基準としては不十分といわざるを得ません。
監査基準の実務指針としては、1997年2月に、日本システム監査人協会が発刊した「新システム監査基準実務基準書」があります。これはとてもよく出来たガイドブックであり、実務上非常に役に立っていると聞きます。しかし、この基準書も、システム監査基準の内容を実務的観点から分析し、システム監査人に役立つ実践的な資料を提供することを目的とされているため、システム監査基準に詳しく触れられていない領域については物足りない点があります。
そこで、われわれ監査基準分科会では、ネットワーク管理に領域を絞りシステム監査人や実務担当者にとって役立つ実務指針をまとめることにしたわけです。幸い、1996年5月に企業情報システムのセキュリティ確保と診断のために、監査基準分科会で発刊した「ネットワーク管理のガイドライン」(第1版)がありましたので、これを基にそこでは記述出来なかった事項も盛り込み、ネットワーク管理に必要な監査上の留意事項を網羅的にまとめました。
ガイドライン作成に当たっては以下の方針でまとめました。
着眼点は、平成8年8月に発行された新しい「監査基準に関する解説書」に示されたものを列記しています。ネットワーク管理と関連が薄いものもそのまま列記しています。集中管理での着眼点とネットワーク管理での着眼点を対比することが、ネットワーク管理を考える上で有益だと考えたためです。
ネットワーク管理の視点から補足したものがあります。「監査基準に関する解説書」に挙げられていた着眼点には(*1)を、補足したそれには(*2)を付けています。
留意事項が、本書の眼目です。ネットワーク管理についてまとまって解説したものが少ない今、実務に携わっている方々に多くのヒントを与えるものと自負しています。
なお、留意事項を補足するために「付録」として参考事項を掲げたものもあります。
システム監査基準の原文は こちら
にあります。
「ネットワーク管理のガイドライン」(旧版)の第3章ネットワーク管理項目の原文はこちらにあります。
本書は、監査基準分科会のメンバーによって作られました。
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