ITALIA ユーロスター座席の謎


旅の日程
1998.9.5-10
ROMA

FIRENZE

アカデミア美術館

ダヴィデのお尻

キューポラ

ユーロスター座席の謎

VENEZIA

ゴンドラ

ヴェネツィアの猫

サンマルコ

Cafe

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EuroStar
EuroStar 再びユーロスターに乗り、今度はヴェネツィアに向かった。
ローマからフィレンツェに向かう車中でも気になっていたのだが、 ユーロスターのオープンサロンの座席に振ってある番号が変なのだ。
この図を見てもらって分ると思うが、一見して「ムチャクチャ」という印象を抱く。
1の向かい側が2なのは分る。で、その斜め向かいが3なのもまだ分る。 でも、なんでその向かい側が突然8になるんだ?
フィレンツェから私は2番の席に座ったのだが、他の席に座っている人たちの、 どの人とどの人が連れなのかさっぱり分らなかった。
というのも、みんなベラベラとしゃべりまくっていて、 イタリア語の理解できない私には全員知り合いのように思えたからだ。
イタリア人はおしゃべり好きだとは聞いていたが、それが偶然列車の中で同席しただけの間柄でも、 初めから終わりまでしゃべりまくれると言う意味だとは思っていなかった。
フィレンツェからベローナまで、3のおばさんと8のおばさんがしゃべりまくり、 7のおじさん、4のおじさん、6のお兄さんが何事か真剣に議論を戦わせていた。 5のおばさんは眠っていた。ベローナに着くと、7と8が降りた。どうやらこの二人が夫婦だったらしい。 そこからしゃべる相手を無くした3のおばさんは4のおじさんとしゃべり始めた。これには6の兄ちゃんも加わり、5のおばさんも目を覚まして時折口をはさむ。 そこで私は席の番号から、3と4が夫婦で、5と6が親子、というように理解した。これで納得がいく。 ところが、途中の駅で5と6が降りると、3のおばさんも一緒に降りてしまった。 残されたのは4のおじさんと私だけ。おじさんは一人で乗っていたのだ。 どうやらおじさんは6の席を取っていたけど、お兄ちゃんと席を代わっていたらしい。
だけど、あのしゃべりっぷりは、とても他人同士とは思えない。 イタリア人のおしゃべりパワーには恐れ入ってしまった。 このシャッフルしたみたいな席順もいろんな人とお喋りしたいというイタリア人の欲求を満たすためのものなんじゃないか、とその時は勘ぐってしまったくらいだ。
しかし、後日、この席割りは実によくできているということに私は気付いた。
日本のせき割りだと、4人がけの場合、AとBの席を取れればいいが、 BとCの席だと通路を挟んで別れ別れの感があるし、 向かい同士の席を取ろうとしたら1Aと2Aというように指定しないといけないので難しい。 JRもそんな注文をいちいち聞いていたらまどろっこしくてしょうがない。 それにもしかしたら、向かい同士だと思って取った席が背中あわせだったなんて可能性もある。
その点、ユーロ方式だと、 何も考えなくても連番なら必ず向かい合わせか斜め向かいになるという仕組みだ。 不思議なもので、通路を挟んで隣というのは遠い感じだが、 斜め向かいなら相手の顔が見えるので遠い感じがしないし話もできる。
しかし、イタリアの人たちなら日本の座席順でも全然問題ないだろう。 どっちにしたって相手かまわず喋り倒すのだから。
VENEZIAにつづく
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