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「靖国」問題・私の見方



靖国神社に祀られている人々D
 さて、日本の首相が靖国神社に参拝すると、特に中国やアジアの国々から激しい抗議を受けます。それはなぜかというと、この靖国神社には東条英機をはじめとするA級戦犯が合祀されているからです。
 靖国神社は独自の判断で死刑執行後の33年忌の年に、A級戦犯(戦争政策の決定・推進に責任のあるもの)を密かに合祀しました。その後、新聞紙上などで大きく報じられ、国内外において大きな政治問題となっていったそうです

 では、なぜ神社側は、このような大きな問題になるのがわかっておきながら、あえて戦争犯罪人を祀ったのでしょうか?
 「たとえ戦争犯罪人であっても、死んだらみんな平等だ」という宗教的な判断からでしょうか?それとも「罪を憎んで人を憎まず」の精神からでしょうか?
 神社の公式ホームページによると、このような説明がされています。「大東亜戦争が終わった時、戦争の責任を一身に背負って自ら命をたった方々もいます。さらに、戦後、日本と戦った連合軍(アメリカ、イギリス、オランダ、中国など)の形ばかりの裁判によって一方的に戦争犯罪人≠ニいうぬれぎぬを着せられ、むざんにも生命をたたれた1068人の方々・・・靖国神社ではこれらの方々を<昭和殉難者>とお呼びしますが、神さまとしてお祀りされています」。また、「A級戦犯の合祀問題」について聞かれたインタビューの中で、靖国神社の南部宮司は「東京裁判で連合国がA級、B級などと決めたもので、一緒に日本人が言うことはない。分祀はあり得ない。」(2004/12/29毎日新聞)と語っています。
つまり、靖国神社としては、戦後連合国によって行われた東京裁判は<不当な裁判>であると。そして、その不当な判決によって死刑にされた東条英機をはじめとする「A級戦犯」と呼ばれる人たちは、戦争犯罪人ではないという立場に立っているのですね。

「先の大戦は、欧米列強国からアジアの民衆を解放するための正当な戦いであった」ということでしょうか・・・
 日本の侵略戦争の犠牲となったアジア・太平洋地域煮における2000万人以上の人々の苦しみ≠竍叫び≠、私たちはもう一度ちゃんと聞いていく必要があるのではないかと思います。

05.1.5(tomo)

参考資料:『靖国神社ーそこに祀られている人びとー』 仮説社 板倉聖宣・重弘忠晴



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