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「靖国」問題・私の見方



靖国神社に祀られている人々C
 さて、現在靖国神社には246万6495人(03年10月17日現在)の方が祀られているそうです。
 しかし、これらの人々はその家族の申請にもとづいて祀られたものではありません。特に戦後は、一民間の宗教法人になったにもかかわらず政府・公共機関の支援(「復員局」や「引揚援護庁」などから戦死者名簿を提供してもらっていたそうです)得て、家族の意思に関係なく、神社の判断で祀ったそうです。

 でも、考えてみてください。例えば、私は親鸞聖人が明らかにしてくださったお念仏の教えを拠り所とさせていただいています。このお念仏の教えでは、この世での命が尽きたものはすぐに阿弥陀如来の浄土に生まれて、そこで仏様と成らせていただきます。それなのにもし戦死したら、靖国神社に勝手に祀られて、そこで神様にさせられるなんて、ちょっとおかしいとは思いませんか?
 実際に、キリスト教徒や浄土真宗の僧侶・門徒である遺族のなかには、神社に対して合祀の取り消しを求めている方もいます。その他にも、日本の植民地であった台湾や韓国・朝鮮の方で、日本の軍人・軍属として無理やり召集され、戦死された方の遺族や、戦後、自衛隊員として公務中に亡くなった方の遺族が、神社側に合祀の取り消しを求めて訴訟を起こしたりしています。
 しかし、神社側の回答は「一度神として祀ったものを取り消すことはできない」などと言って、家族の願いを聞き入れようとはしないそうです。

 どうでしょうか、亡くなられた方は、生前中は「お国のために戦え!」などと言われて国家に利用され、亡くなってからもその死を国家によって"戦争賛美"のために利用されているのです。戦死された方にとっても、そのご遺族にとっては、まさに二重の苦しみ、悲しみではないでしょうか・・・

05.1.4(tomo)

参考資料:『靖国神社ーそこに祀られている人びとー』 仮説社 板倉聖宣・重弘忠晴
      『靖国の戦後史』岩波新書 田中伸尚著 



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