御同朋の社会を目指して!


「教育基本法」改正・私の見方

 
                                          
 現在、子供たちが学ぶ教育現場では様々な改革が急ピッチで行われていま
す。その中の一つに、現在の「教育基本法」を改正して、新たな法律を作ろうと
する動きがあります。     
 でも、「教育基本法の改正だ!」と言われても、何がどういけないのかわから
ない方も多いのではないでしょうか。実は私も最近までその一人でした。
 そこで、このページではこれから何回かに分けて、政府が進める「教育基本
法」改正の意図について、私の見方・意見等を述べてみたいと思います。



七生養護学校への不当介入


  1月27日付けの毎日新聞の記事にありました、「性教育:都教委の厳重注意は 人権侵害 弁護士会が警告書」について、これまでの背景を補足しておきます。 参考にしてください。
 


 教職員が大量に厳重注意処分に処せられたのは、東京都日野市にある七生 養護学校においてです。
 この学校では、「こころとからだの授業」と名づけて、知的障害を持った子どもた ちに人形などを使って性教育を行っていたそうです。この授業は、全校あげて教 師と保護者とが一体となってつくりあげ、校長会主催の研修会等でも非常に評判 の高かったものだそうです。その理由としては、知的な障害を持つ子どもたちに は、人形など具体的な教材を使って教えることではじめて、理解がよりよく深まる んだそうです。
 


 ところが、2003年7月2日、東京都議会でのある議員の「最近の性教育は、口に 出す、文字に書くことがはばかられるほど、内容が先鋭化している」という発言を きっかけに、事態は急変したそうです。
 
 ある大手新聞は「まるでアダルトショップ」と書きたて、学校に対するバッシング を強めるは、都教育委員会は、授業の様子や学校、保護者の意見を十分聞くこ となく、一方的に「不適切」と決めつけ、教材を没収してしまったそうです。
 そして、都教育委員会の職員によって、教職員全員が、「不適切」な性教育を行 ったという前提で、事情聴取受け、校長先生は教諭に降格、1ヶ月の停職処分、 半数以上の教職員が厳重注意処分に処せられたそうです。
 
 その後も、都教育委員会は手を緩めず、都内にある全障害児学校に対して教 育内容への不当な介入を強め、多数の処分者をだしていったそうです。



 このような動きに対して、七生養護学校の在校生・卒業生保護者の会は「先生 方が子どもたちの実態にあわせて苦心してつくった教材を一日でも早く子どもた ちの元に戻してください」と抗議すると共に、1万8000名を超える署名を都教育委 員会や都議会に提出されたそうです。
 
 また、市民や弁護士等が立ち上がって「七生養護学校の教育を支援する日野 市民の会」が設立されたり、必要な教育を受ける権利が保障されるように求める 「人権救済の申し立て」が6000名を超える人たちの手によって行われたそうです。



 以上のような経過のもとに、26日、東京弁護士会が「人権侵害」と認め、都教育 委員会に対して、「不当な介入をしてはならない」と指摘し、厳重注意の撤回と没 収した教材の返還を求めたということです。


05.1.28(tomo)


参考資料:『教育基本法「改正」に抗して』 岩波ブックレットNO.626 



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