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患者さんとお話していると、よく間違って使われてる言葉があります。それは「複雑骨折」です。
複雑骨折をたくさん折れてるって思ってる人がおそらく大半ですよね。世間で言われる複雑骨折は正しくは…
実は骨折はたくさんの種類に分類できます。まずは完全骨折と不全骨折。ポキッと折れちゃってるのが完全骨折で、一般にヒビと言われるの不全骨折です。不全骨折もまたいくつか種類があるのですが今回は割愛。
次は完全骨折は単純骨折と複雑骨折に分けられます。そう、実は複雑骨折は単純骨折に比較したものとなります。単純骨折は非開放性の骨折(閉鎖骨折とも言う)の総称でこれらもいくつか種類がありますが、それも後ほど。
そうなると察しはつくと思いますが、複雑骨折とは開放性の骨折(開放骨折とも言う)の事を言います。開放とは皮膚を突き破って骨が外から見えてしまうって事です。
では、なぜ複雑なのか。骨は本来空気と触れる事はない組織です。それが空気に触れる事によって感染症のリスクが高くなります。
また、体の芯にあるべきものが外に出てきたという事はそれを包んでいたりしていた軟部組織を軒並み破壊して出てきた事になります。
単純に骨が引っ付けば良いってもんでなく、感染症に注意しながら軟部組織の回復も必要である為複雑って言われるんだと思います。
ちなみに、誤解されにくいように医療機関では開放性骨折と伝える事が多いようですね。
最初の骨折の種類で少し触れましたが完全骨折で単純骨折はさらにいくつかに分かれます。一カ所折れてるだけでも横骨折、斜骨折、螺旋骨折これらは折れ方による断面の違いです。引っ付きやすさや、ずれやすさが違います。
次は複数折れてるもの。これが世間で間違われやすい複数骨折ですね。一本の骨で複数個所骨折する場合に使います。さらに粉々になってしまっている場合は粉砕骨折。2本以上折れてる場合は多発骨折と言います。
あとは、剥離骨折ですね。急激な筋腱の収縮に耐えきれず骨または骨膜がはがれてしまう骨折です。度重なるストレスによって剥がれた場合は疲労骨折に分類されます。
複数骨折と言う聞きなれない言葉を聞きなれた複雑骨折と自分の中で変換してしまう方が多いのだと思います。