猫の“シアワセ”について考える




1.野良猫のはかない一生

昔は野良猫を、家猫とは全く別の種類という感覚で見てました。

人に全然慣れていないし、謎に包まれている。 たいていはガリガリに痩せているのでなんだか可哀想・・・と思いながらも、
それなりに自由でシアワセなんじゃないか、人間に飼われなくても別にいいんじゃないか・・・と。

ところが、それは私の勝手な思い込みでした。

野良として産まれてきた仔猫はほとんど育ちません。 苦しみながら死んでいくのです。 時にはカラスの餌食にもなります。

たとえ成長出来たとしても飢えや寒さ、人間の虐待といった過酷な環境の元で生きていかなければなりません。

そして飼い猫よりはるかに短い寿命で散っていく、というのが現実です。


2.野良猫は人間がつくったもの

仔猫が育たない、飢えに苦しむ、寿命が短い・・・これは、
厳しい自然界では当り前の光景かもしれませんが、ネコは野生動物
ではありません。
古代エジプト時代から人間と共存してきた人間のパートナーです。

野良猫は無責任な人間が作ったものです。
祖先は捨てられた飼い猫だったはずです。

自分が猫と暮らしはじめたことによって、ネコという生き物が人間と全く変わらぬ豊かな感情の持ち主であるということ、人間と共に暮らすために存在すると云っても過言ではないくらい、人間社会に密着しているということを 再認識しました。

人間側の対応如何によって その性格形成がいかに影響されるか(人間の子供と同じように)というところも改めて発見しました。

野良猫も例外ではありません。
実際に彼らとかかわりを持つようになって、ノラ達がいかに人間の愛情を必要としているかという事を強く感じました。
Nora's Room の猫達を見てください。 うちに来るようになってから顔つきが穏やかになりました。

3.野良にごはんをあげるなら・・・

野良猫を見たらほっておけない・・・そう思ってエサをあげる人達がいます。

野良にごはんをあげるなら、これ以上不幸な猫が増えない様、避妊・去勢手術をしてください。
野良猫は簡単には捕まらないので、捕獲器を使用します。 もちろん大暴れするので、そこでくじけそうになりますが、猫には少しだけ我慢してもらいましょう。 あとは、野良猫に理解のある獣医さんを信頼し、まかせましょう。

栄養がいき渡っているネコは年に何度も仔猫を産み、その結果野良が増え、近所のネコ嫌いの攻撃に遭うこととなります。
猫の色んな話を読んでください。

なぜ野良猫にここまでしなければならないの? という意見を持つ人
がほとんどでしょう。

でも実際に猫と暮らしていたら 自分の猫だけでなく 他の猫の幸せも望む気持ちになりませんか?

可哀想な野良猫と自分の猫を一度置き換えて考えてみてください。


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