絆 34




「お疲れ様でした!」
「お疲れ様〜!」

宴の後の閑散とした店内から、仕事を終えたスタッフ達までもが帰っていく。
くたびれきったウェイターや酒に酔って頬を上気させているホステスがぞろぞろと出ていくのを見送ってから、はまだ帰る素振りを見せない母に声を掛けた。


「ママ。」
「何?」
「これから少し、出掛けて来ます。」
「あら、何処へ?」
「本城さんに誘われました。多分、あの話だと思います。」

包み隠さず報告すると、彼女は暫しの沈黙の後、『そう』と呟いた。


「大丈夫です、きっぱりと断ってきますから。」
「・・・・・ちゃん。私はもうオーナーじゃないわ。この店は今日からは貴女のものよ。だから・・・」
「分かっています、責任の重さは。ママが築き上げてきたこの店を守れるように、私、頑張りますから。」

は彼女の言葉を遮り、気丈に微笑んで見せた。
彼女が何を言おうとしていたのか、それは多分、本城に何を言われても相手にするなとか、『Venus』のオーナーとしての自覚をもって臨めといった忠告の類だろうと、は思っていた。


「・・・・・・・・・」

だから、心配は無用だと安心させたつもりだったのだが、それでも彼女はまだ何か言いたげな顔をしていた。
彼女が恐らく望み、喜ぶであろう言葉を掛けた筈なのだが。
しかしそれはほんの一瞬の事で、彼女は小さく溜息をついて薄らと笑った。


「・・・・・・そう。頼もしいわ。気をつけてね。」
「は、はい。あの、それよりママ、一人で大丈夫ですか?」
「私なら平気よ。気にしないで行ってらっしゃい。」
「すぐに帰りますから、ママも早く帰って休んでいて下さいね。」
「ふふ。はいはい。」

そんな事より今一番心配なのは、彼女の身体の事だ。
病状が病状だけに、彼女を一人にする事に不安がある。
しかし、今ばかりは仕方がない。
は母親の身を案じながらも、店を後にした。







本城と落ち合った場所は、店から車で10分程の距離にあるショットバーだった。
が到着した時には既に本城はカウンター席に腰掛けてウイスキーのグラスを揺らしており、を見つけると目尻に皺の寄る笑顔を浮かべて手を挙げて見せたのだった。


「オーナー就任、おめでとう。」
「・・・・有難うございます。」

グラスを触れ合わせてから、は甘い味のカクテルを一口喉に流し込んだ。
本当はもう今夜は一滴たりとも飲みたくなかったのだが、祝いの振る舞い酒を断る事は出来ず、せめてアルコール度数の一番低いものを頼む事が精一杯だった。


「しかし、まさか本当に君がオーナーになるとはね。」
「・・・・・・」
「私も商売柄、この業界で多くの女性経営者を見てきたが、君のようなお嬢さんは初めてだ。素直そうで、可愛らしくて。」

はカクテルをちびちびと舐めながら、ともかく彼の出方を伺う為、専ら話の聞き役に徹していた。


「いや、本当に不思議だ。まだこの商売を始めて日も浅そうなのに、どうしてVenusのオーナーになれたのか・・・・・」
「・・・・・・・・」
「麗子ママも、一体何を考えてたんだか。もうどうせ潰れるんだからと自棄でも起こして、君に店ごと責任を押し付けて体よく逃げるつもりだったのかも知れないな。」
「・・・・そんな事はありません。」
「・・・・・・・本当に可愛いな、君は。」

が静かに否定すると、本城は小さく笑った。


「君、元々は何をしていた?」
「・・・・普通の、勤め人です。」
「なるほど、OLか。どういう事情でこの世界に飛び込んだのかは聞かないが、この商売は決して甘くないぞ。普通の会社勤めとは訳が違う。表面上の華やかさとは裏腹に、一皮剥けば醜い世界だ。」
「・・・・・・・」
「自分が勝ち残る為だったら、徹底的に人を利用する人間がウジャウジャ居る。逆に、そうでなければやっていけない。果たして君はそうなれるのか?」

本城に畳み掛けられても、はじっと沈黙を守り通した。


「戻れる内に元に戻った方が、君の為だと思うがね。私に店を売ればそれが可能だと思うが、どうだろうか。」
「・・・・・・・」
「やせ我慢はしない方が良い。君の為にはっきり言ってやるが、金の為なら誰とでも寝る位の気構えがなくては、この世界ではまず通用しないぞ。」

ほぼ無反応なに痺れを切らしたのか、本城はストレートに核心に触れた。
そこではようやく、本城の顔を見た。


「・・・・・・生憎と、麗子ママからはそのような事は教わっていません。Venusには、ホステスを色目でしか見ないようなお客様は必要ないそうです。」
「・・・・・ほう。」
「私は麗子ママの経営方針でもって、Venusを守っていくつもりです。」

はきっぱりとそう言い放った。
確かに、まともな話なら無下に断る理由もないのではと考えた時期もあった。
そのように母親に進言した事もあった。
だが、今はその時と状況が違うのだ。
彼女の望みは何でも叶えてあげたい、せめて心安らかに死なせてやりたい。
今正に死に臨んでいる母親にしてやれる娘らしい事といえば、それ位しか思いつかなかった。


「・・・・・ご馳走様でした。今日はどうも有難うございました。私、これで失礼します。」

は氷だけになったグラスをカウンターに置くと、立ち上がってペコリと頭を下げ、店を出た。
電話が鳴ったのは、その直後の事だった。


「はい、もしもし?・・・・梓さん?」

もう夜中だというのに、この街はいつまでも眠らない。
酔客達の大きな笑い声や通りを走り抜けていく車やバイクの轟音に顔を顰めながらも、は電話の向こうの梓の声に耳を傾けた。


「・・・・・・・えっ・・・・・・・」

は暫し、その場に縫い止められたように立ち竦んだ。
そして突然、大通りに向かって駆け出した。
着物の裾が翻るのも構わずに、必死の形相で。
そんなの姿を通りすがりの誰もが奇異の目で見たが、ただ唯一、二人連れの西洋人の男達だけは違っていた。


「・・・・・何だ?一体どうしたんだ?」

店を出たところで急に駆け出したの後姿を見て、アイオリアは油断なく表情を引き締めた。
そう、アイオリアである。
念の為にとのガード役を沙織に頼まれた彼は、尤も、たとえ頼まれずともやっただろうが、城戸邸へは戻らずにの後を密かにつけ、一部始終の様子を伺っていたのだ。
だがこの役目に就いたのは彼一人だけではない、カミュも共に来ていた。


「只事ではなさそうだな・・・・・・、追うぞ!」
「うむ!」

カミュが緊迫した面持ちで目配せするとアイオリアは即座に頷き、二人揃っての後を追って行った。















タクシーを飛ばして病院に到着したは、病室に一目散に駆けつけた。


「梓さん!ママは!?」
「それが・・・・・・!」

病室のドアの前で、まだドレス姿のままの梓が一人で呆然と立ち尽くしていた。
そして、閉ざされたそのドアの向こうに居るのは、母。
電話で聞いた話は、事務所で倒れていた母を梓が見つけて病院に搬送して来たところまでで、
その後の事は何も分からないままだった。


「一体・・・・どういう事なのよ・・・・・・、何が何だか・・・・・・」

もう処置は済んだのだろうか、容態はどうなのだろうか。
聞きたい事は山程あるというのに、梓は呆然としたまま、独り言のように呟いている。


「ママ、まだ生きてるんですか!?どうなんですか!?」
「え・・・・・・、どういう事・・・・・!?貴女、知ってたの!?」

はそんな彼女に詰め寄った。
すると彼女は、目を見開いて逆にを問い詰めて来た。
これではいつまでも話が噛み合わず、お互いに状況が全く分からないままだというのに、すっかり動転している二人には、一呼吸置く余裕すらもなかった。
そんな時、病室のドアが開いて、医師が出て来た。


さんのお身内の方に連絡を取って頂けますか。なるべく早く会って頂いた方が良いと思いますので。」
「先生・・・・・、それはつまり・・・・・・」

静まり返った廊下に響く、医師の淡々とした声と梓の悲痛な呟き。
はそれを固唾を呑んで聞いていた。


「・・・・もってあと2〜3日というところです。最期に少しだけでも意識が戻れば良いのですが、保証は出来ない状態です。」
「そんな・・・・・・・!」
「ご連絡宜しくお願いします。」

事務的に話し終えて行ってしまおうとする医師を、梓が縋りつくようにして止めた。


「待って下さい!彼女、身寄りがない筈なんです!連絡なんて何処に・・・」
「・・・ここに居ます!!」

気付いたら、は搾り出すような声を挙げていた。


さん!?」
「私が身内です、娘です!」
「そうですか・・・・・。とにかく、中へどうぞ。側についていてあげて下さい。」
「はい・・・・・・・・・」

医師に向かってはっきりと告げると、医師はを病室に入るよう促した。



「ママ・・・・・・」

母はベッドで点滴の管や酸素マスクをつけて、じっと横たわっていた。
辛うじてまだ息はあるようだが、彼女の瞼は重く閉ざされ、睫毛の1本も震えない。


「・・・・・どういう事なの」

そんな母をじっと見つめていると、背後でドアの開く音と梓の声がした。


「貴女がママの娘って本当なの?養子になったって事?それとも・・・・」
「私達は、実の親子です・・・・・。私が幼い頃に別れたきり、今までずっと離れ離れだったけど・・・・・・」
「・・・・・・・ママ、身寄りは居ないと言っていたのに・・・・・・・」

振り返らずに答えると、梓はぽつりと呟いた。


「・・・・・・・・マネージャーが店で待ってくれてるの。私、報告してから帰るから・・・・・」
「・・・・・・・・」
「明日、また来るわ・・・・・・・。だけどそれまでにもし何かあったら、何時でも良いから連絡して。」
「・・・・・・はい。有難うございました・・・・・・。」

は結局、最後まで振り返る事が出来なかった。













「ママ・・・・・・・・」

モニターに映っている波線や数値だけが、今、母が生きているという唯一の証。
他には何もない。
はベッドサイドの椅子に腰掛け、微動だにせず昏睡し続けている彼女の手をそっと握りながら、
返事が返って来ない事を知りつつも声を掛けずにはいられなかった。


「だから・・・・・・、大人しくしておけば良かったのに・・・・・・。無理するから・・・・・・」

すると、再びドアの開く音がした。
振り返って見ると、アイオリアとカミュだった。


「どうしたんだ、これは一体・・・・・・」
「・・・・・母の病気、胃潰瘍じゃなくて癌だったの。もう末期で、いつ死んでもおかしくなかったの・・・・・」

呆然と呟くアイオリアに、は消え入りそうな声で答えた。
すると彼は、悲しげな顔での肩に手を置いた。


「どうして言ってくれなかったんだ・・・・・・。」
「・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・」

弁解をしたり彼等に泣きつく気力は、今のにはなかった。
ただじっと母親の手を握っている事しか出来なかった。
カミュはそんなの背中を痛ましげに見つめてから、『女神と他の連中に知らせてくる』と言い残して、一人で病室を出て行った。


・・・・・・・・」

残ったアイオリアが、戸惑いがちにに声を掛けた。
だが、は振り返る事はなかった。


「・・・・・・・・病院の外に居る。何かあったら知らせてくれ。」
「有難う・・・・・・・」

そしてアイオリアも出て行き、病室には再びの母親、二人だけになった。














そのまま、何時間が過ぎただろうか。



「・・・・・。」

誰かに肩を揺すられて、はハッと顔を上げた。


「おはようございます。突然起こして済みません。」
「どうじゃ、少しは眠れたか?」
「ムウ、童虎・・・・・・」

二人に起こされて、はようやく朝になっている事に気付いた。
自分ではずっと起きていたつもりだったが、どうやらいつの間にか母のベッドに突っ伏してまどろんでいたらしい。


「カミュから話は聞いた。何も気付いてやる事が出来ず、済まなかった。」
「そんな・・・・・・」
「女神はどうしてもキャンセル出来ない仕事があるらしく、すぐには無理だそうですが、出来るだけ早く片付けて駆けつけると仰っていました。我々は全員揃って城戸邸に残っておりますので、何なりとお手伝いしますよ。」
「有難う・・・・・・・」

薄く微笑むの顔は憔悴していた。
目の下には隈ができ、化粧がすっかり剥げて血の気の薄い青白い肌の色が浮き出している。
のそんな顔を見て、童虎は小さく溜息を吐いた。


「一度家に帰って、少し休んで来たらどうじゃ?こんな所では少し位眠ったとて疲れは取れんだろうし、食い物も何も口にしておらんのだろう?一度帰って、昨夜の疲れを少しでも抜いて来た方が良い。そんな状態でただ側についていても、却って母御の為にならん。」
「有難う、童虎。でも・・・・・・・」
、ここはひとまず老師の仰る通りになさい。それにその格好では、付き添いもままならないでしょう。せめてシャワーを浴びて、着替え位はして来た方が。」

確かに、童虎やムウの言う通りには違いなかった。
ろくに眠りも食べもせず、疲労の抜けない身体でただ付き添っていても、いざという時に何も考えられなかったり動けなくなっている恐れがある。
倒れでもしたら、それこそ何をしている事やら分からない。
それに、昨夜の着物姿のままでは、何をするにしても動き難い事この上ないのも事実だ。
だが、一旦帰宅している間に、もし容態が急変したら。
その可能性が決して低くない状況にあるだけに、はなかなか頷けなかった。


「心配せずとも良い。お主が戻って来るまで、母御の側には儂がついていよう。何かあったらすぐに知らせる故、安心して行って来い。」
「お母様が心配なのは分かりますが、そのお母様の為に、まずは貴女が万全でなければ。さあ、行きましょう。私が送って行きますから。」
「でも・・・・・・・」
「遠慮は要りませんよ。一人で帰るよりは私が付き添う方が、貴女にとっても都合が良い筈です。テレパシーとテレポーテーションを使えば、何かあっても一瞬で戻って来られますからね。」

長く彼等と付き合って来たのに、はすっかり失念していた。
そう、彼等は黄金聖闘士なのだ。
常人にはない能力がある。
それを借りる事が出来れば、どれ程有り難く心強いか。


「そうね・・・・・・・、そうだったわね・・・・・・・。有難う、お願いします・・・・・」
「礼には及びませんよ。さあ、早く。」

はムウに促されて立ち上がると、残ってくれる童虎にも深々と頭を下げた。


「童虎も・・・・・、有難う。母の事、お願いします。多分、店の人達が来たりすると思うけど・・・・」
「任せておけ。ぬかりなく対応しておく。」
「有難う、宜しくお願いします・・・・・・・」

人を深く包み込んで安心させるような童虎の温かい微笑を見て、は張り詰めていた気が少し抜けて楽になった気がした。






病院の前でタクシーに乗り込み、行き先を告げると、はたちまち深い眠りに落ちていった。
やはり相当疲れていたのだろう。


― ・・・・・・・

肩にもたれて眠りこけているの手をそっと握って、ムウは思わず心の中の声を漏らしてしまった。


「黄金聖闘士も所詮は人、非力なものですね・・・・・」
「はい?何か?」

すると運転手が、バックミラーから後部座席をちらりと覗いた。


「・・・いえ、何も。只の独り言です。」
「そうですか、失礼しました。」

運転手が再び口を閉ざして運転のみに集中し始めてから、ムウはの寝顔に目を向け、心の中で呟いた。


私は貴女に、肩を貸してやる事ぐらいしか出来ないのですから、と。















・・・・・・・・、・・・・・・・」
「ぅ・・・・・・・・・」
。」
「・・・・・はっ!?」

驚いて顔を上げてみると、ムウと目が合った。


「着きましたよ。」
「あ・・・・・・・・、そう・・・・・・・・」

自宅のマンションがすぐ目の前にあるのを見て、はようやく覚醒した。
一瞬、自分が何処に居るのか分からない位、深々と寝入ってしまっていたようだ。
しかし、お陰で少し疲れが取れたような気がする。
はムウと共にタクシーから降りると、朝の空気を胸一杯に吸い込んだ。


「大丈夫ですよ、老師からはまだ何も。」
「そう、有難う・・・・・・・・」
「とにかく、中に入りましょう。」
「うん・・・・・。」

はムウと共に自宅に戻った。
戻ってみると、室内は、当然だが、昨日出た時のままだった。
母が出掛けに口をつけたミネラルウォーターのグラスも、そのままテーブルの上に残っている。
いつか、そう遠くない内に、こんな時が来る事は分かっていた。
分かってはいたが。


「貴女はシャワーでも浴びてきて下さい。その間に、私は何か作っておきますから。台所、お借りしますよ。」
「・・・・・うん、有難う。」

ムウは着くや否やてきぱきと動き始め、さっさとキッチンに入って行った。
彼がついて来てくれた事が、そして何も気付かない振りをしてくれる事が、今のにはとても有り難い事だった。









「うわ・・・・・」

着物を脱ぐ為、一旦自室に入ったは、姿見に映る自分を見て思わず顔を顰めた。
酷い有様の女が、そこには映っていた。
着物は着崩れ、綺麗に結い上げてあった髪も少し乱れてべたつき、すっかり化粧の剥げた顔は不気味な位に血の気がない。
はそんな自分の姿から目を逸らすと、着崩れつつもまだなお身体を縛り付けている重苦しい着物を脱ぎ、鬱陶しく髪に絡まっているピンや飾りを全て外し、部屋着に着替えてからバスルームに向かった。

シャワーのコックを捻ると、熱いシャワーが勢い良く降り注ぎ始める。
はその中に飛び込んで、スプレーでしっかり固めてあった髪を解いて念入りにシャンプーし、汗ばんでいた身体を綺麗に洗った。
肌や髪のべたつきが取れ、身に染み付いていた香水や酒や煙草の匂いがシャンプーやボディソープの爽やかな香りに変わると、それだけで頭が随分と冴えてくる。
遺書の事を思い出したのは、その時だった。


「・・・・・・・そうだ・・・・・・・」

すっかり気が動転して忘れていたが、母の部屋には遺書がある筈なのだ。
そして、それを読むべき時は今。
今をおいて他にない。


「っ・・・・・!」

は急いでシャワーを止めると、弾かれるようにしてバスルームを出た。




「ああ、。今ちょうど食事の支度が・・・・」

ムウはバスルームから飛び出して来たに気付いて声を掛けたが、そのまま唖然と固まった。
何しろは、髪もろくに拭かないまま、バスローブを羽織っただけのとんでもない格好で出て来たのだ。ムウが驚くのも無理はなかった。


?」

はムウは気付きもせず、ある部屋に一目散に駆け込んで扉を閉めた。
ムウにしてみれば、益々訳が分からない。


。どうかしましたか?」

の後を追いかけたムウは、閉ざされた扉を何度かノックして声を掛けたのだが、
中に居るから返事はなかった。




back   pre   next



後書き

新年早々緊迫した話になりました(汗)。
展開上、流石にアホは盛り込めず。
ノーテンキなアホ夢もそろそろ書きたいところですが、とりあえずは引き続き
今作の完結を目下の目標に頑張ります。
今年もどうぞ夢畑を宜しくお願いします!