それから3日、5日、1週間と、普段通りの日々が過ぎていった。
店の中に母が居ない事と、日が経つにつれて自分の心がどんどん翳りを増してゆく事を除けば。
「はーぁ、暇ねぇ。」
「そうですね・・・・・・。」
カウンター席の端っこに座り、煙草を燻らせながら相変わらず大して客の入らない店内を軽く見回して愚痴を零す同僚ホステスに、は隣で相槌を打った。
「満足にお客が来ないのに、ノルマノルマって言われてもねぇ・・・・・」
彼女はミュールを突っ掛けた足を子供のようにブラブラさせ、退屈そうにぼやき続けている。
もし母に見られていたら、彼女も自分もきっと何か小言を言われるなと、はぼんやり思った。
ホステス同士、少々の私語を交わす事は別段咎められないが、行儀の悪い振る舞いは許されないのだ。
しかし今、母は入院中でこの場に居ない。
大した病状ではないという事もあり、従業員達の中には必要以上に気を緩め、『鬼のかく乱だ』と厳しいオーナーの暫しの不在を喜ぶ者もちらほら居た。
「ね、ちゃんって、もうすぐオーナーになるんでしょ?具体的にはいつ?」
彼女は不意にそれまでの眠たげな退屈顔をパッと輝かせて、に擦り寄って来た。
「さ、さぁ・・・・・」
「あのね、ちょっとお願いがあるんだけどぉ。」
「・・・・・お願い?」
「オーナーになったらさ、ノルマもっと下げて欲しいの。達成出来なきゃ次の月の時給下げられるし、風当たりもきついしさ。ちゃんもこれまでずっとそんな目に遭って来たんだから、分かるでしょ?うちってちょっと厳しすぎると思わない?」
「は、はぁ・・・・・・」
「麗子ママってほら、きついとこあるじゃない?その点、ちゃんは優しくて話が分かるから、オーナーが交代するの、私はとっても楽しみにしてるのよ!頑張ってね!私、友達として応援するから!」
彼女は、客達が揃って『可愛い』と称賛するキラキラと輝くような笑顔をに向けた。
確かに、同じ女の目から見ても彼女はチャーミングだ。
こうして人形のようにパッチリとした瞳を瞬かせながら微笑みかけられる客達が、ついつい鼻の下を伸ばして何でも頼み事を聞いてやりたくなる気持ちも分かる。
そう、つまりこれは、いわゆる『営業用スマイル』なのだ。
同じ従業員という立場に居る者として、にはそれがすぐに分かった。
「有難うございます・・・・・・。」
「オーナーになったら、ノルマの件宜しくね!あと、時給上げて貰えるともっと嬉しいなぁ♪・・・・な〜んてねっ!」
キャピキャピ、という効果音がしっくり来る彼女の笑い声を聞きながら、は彼女に聞こえない程度の小さな溜息をついた。
母が入院してからというもの、店のスタッフ達のに対する態度が大きく分類して2つに分かれた。
1つは、あからさまな対抗意識を滲ませた刺々しい態度。
理由は訊かずとも分かる。嫉妬、不満、そんなところだ。
もう1つは、友好的で親しげな態度。
実はにとっては、こういった態度に出て来る者の方が悩みの種だった。
一見すると味方であるかのような彼女達が掛けて来る言葉は、その実、大抵が自分達にとって都合の良いものだった。
あのホステスのように『お願い事』を持ち掛けてきた者は、この数日間で何人居ただろうか。
彼女達の要求は、いずれも今のの独断で便宜を図れる事ではないというのに。
唯一、マネージャーと梓だけはビジネスライクな態度を変えなかったが、他のホステス達の態度はほぼこのどちらかだった。
敵意を持たれる事も辛いが、上辺だけの『友情』をちらつかされるのも辛い。
日を追う毎にの中で虚しさが膨らみ、不安が募っていった。
― 貴女を認めた訳じゃない。
言い様もない虚しさを感じた時、いつかの梓の言葉を思い出す。
― さんの本心はどうなのですか?
そしてそんな時は、決まって沙織に言われたこの一言が胸に刺さる。
本心?
自分の本心と真正面から向き合わずとも、結果は既に出ているようなものではないのだろうか。
自分はおよそオーナーの器ではない、と。
しかしは、己の中の葛藤を母に打ち明ける事はしなかった。
「お加減はどうですか?」
「あら、ちゃん。また来てくれたの。」
は、母の病室には可能な限り顔を出していた。
母親が病気で入院しているのだから、そうする事が娘として当然の務めなのだと漠然と思っていたのだ。
「そうしょっちゅう来なくても大丈夫なのに。もう3日後には退院なんだから。」
「そういう訳にはいきませんよ。」
は小さく笑ってから、使った後と思われる母の水差しや湯呑み茶碗などを洗面台で洗い、
持って来たタオルや着替えを物入れに仕舞ったり洗濯物をバッグに詰めたりと、来るなり甲斐甲斐しく動き始めた。
の母は、そんな娘の姿を微笑んで眺めながら声を掛けた。
「店はどう?」
「・・・・・いつも通りです。」
は、僅かな間沈黙してから、言葉少なに答えた。
病床の母を、下らない事で思い煩わせたくはなかった。
「そう。・・・・・・本城さんはどう?あれから何か言って来た?」
「いいえ、何も。あれ以来、お見えになってません。」
「そう。なら良いけど。」
これは嘘ではなかった。
本城はあれ以来、店に顔を出していない。電話等でのコンタクトも一切なかった。
「念を押しておくけど、もしあの男がまた話を持ち掛けてきても乗っちゃ駄目よ。」
「・・・・分かってます。」
しかし、母はまだ気になっているらしい。
そんなに信用がないのだろうか、ついそんな風に考えてしまったのは、多分ここ暫くずっと気分がもやもやしていたせいなのだろう。
精神的に疲れていて、つい感情をコントロールする舵を切り損なってしまったのだ。
言い訳をすればそういう事になる。
しかし、迂闊だった。
どんな訳があろうとも、自分の心を完全に制御していなければいけなかったのだ。
「幾らオーナーになるといっても、あの店は私のものじゃありませんから。人の店を勝手に売ったりなんかしませんから、安心して下さい。」
ひとたび失敗すれば、心の中にぎゅうぎゅう詰めに押し込めてあったネガティブな気持ちが、こうして溢れ出て来てしまうのだから。
「・・・・・店で何か言われたの?皆に冷たくされでもした?」
「そんなんじゃありません。」
目を合わせようとしないの手を掴んで、彼女は慰めるような穏やかな口調で言った。
「良い?誰が何と言おうと、貴女はVenusの次期オーナーなの。私がそう決めたの。誰にも文句は言わせないわ。だから安心・・・」
「私にも、ですか?」
だが、なまじ優しいその声が、却ってを苛立たせた。
「え?」
「私自身にも、何も言わせないつもりですか?」
珍しく棘のあるの物言いにも、彼女は動じなかった。
彼女は変わらず落ち着いたまま、穏やかな声で言った。
「・・・・私に何か文句があるのなら、勿論聞くわ。」
「文句なんかじゃありません。ただ私も、このところずっと色々考えていたんです。」
「どんな事?」
「どう考えても、やっぱり私は経営者の器じゃありません。私はママとは違います。・・・・・たとえ、血の繋がった実の親子でも。」
は遂に、きっぱりと言い放った。
雑音のない静かな病室で、他に誰も居ない二人きりの場で、改めてはっきりと。
病人を相手に言い合いになった勢いで言ってしまったという好ましくない状況ではあったが、もう今更引っ込みはつかないし、また止める気もなかった。
今この時が『時期』だったのだろう、多分。
「・・・・・私は、何度も言っているように、貴女に店を継いで欲しいと思っているわ。貴女にあの店をやっていって貰いたいと思っているんだけど。」
「・・・・・それに何か意味はあるんですか?」
「え?」
「昔どれだけ羽振りが良かったのか、私は知りません。だけど今のVenusは、沈みかかった船と同じです。こんな風に倒れるまで頑張っても、毎月の支払いに追われる始末なのに、しがみつく意味はあるんですか?それなら本城さんの言った通り、いっそ手放して身軽になって新しくスタートを切った方が、ママにとっても良いんじゃないですか?」
「・・・・・・・・」
「私だって何も本城さんを頭から信用している訳じゃありません。だけど、詐欺なんかじゃなくてきちんとした取引になるのなら、一考の余地はあるんじゃないですか?まるっきり信用するのは確かに危険ですけど、かと言って今の状況では、よく話も聞かない・調べもしない内から拒否する事もないと思うんです。私の考え、間違ってますか?」
自分の考えをぶちまけるようにして率直に述べてから、はようやく息をついた。
良くも悪くもこれで何かが変わるだろう、そう思った。
「・・・・・・・いいえ。間違ってないと思うわ。」
「だったら・・・・!」
「だけど、私は応じるつもりはないわ。」
「ママ・・・・・・!」
しかし、母は頑なだった。
「確かに貴女の言う通りよ。今のVenusに残っているのは、昔の栄光と山程の負債だけ。こんな状況では、往生際悪くしがみついていると思われても仕方がないわね。本城さんの話を突っぱねたのも、商売敵に負けを認めたくなくて片意地を張っていると思っているんでしょう?」
「そ、それは・・・・・・・」
そんな事はないと否定しようと思ったが、言い澱んでしまったのは、全くそう思っていない訳でもなかったからに他ない。
母は多分間違いなく、良くも悪くも、一本気で人一倍プライドが高くて負けず嫌いな人間なのだから。
「だけど、違うわ。本城さんが信用出来ないとか憎いとかいう問題じゃない。これは私の意地なの。『Venus』を守りたい、守り抜きたいの。そしてそれを、貴女に引き継いで貰いたいのよ。だって『Venus』は、私の・・・」
その後に続く言葉なら、聞かなくても分かっている。
それ程何度も聞かされた決まり文句だ。もうすっかり覚えてしまっていたとしても不思議はない。
「人生を懸けて築き上げた大事な財産だから・・・・・・、でしょう?」
「・・・・・・・・」
気が付けば、は彼女の言葉尻を奪い、自らその続きを口にしていた。
胸にふつふつと込み上げて来る熱いものを抑え込む事は、もう出来なかった。
「ママはいつもそればかりですね・・・・・・・。ああして欲しい、こうして欲しいって、自分の要求ばっかり・・・・・・・」
「ちゃん・・・・・・・?」
「二言目には取ってつけたように娘・娘って・・・・・・血の繋がりに訴えかけて・・・・・」
「・・・・・・・」
「いきなりお父さんの話をしたのも、私の同情を引いて、よりしっかりと繋ぎ止めようと思っての事だったんじゃないんですか?」
「それは違うわ、あれはあの時も言った通り、ただ・・・」
「今更、勝手じゃないですか?」
「え・・・・・?」
言いながら、は自分の意思を誰かに乗っ取られたような気分になっていた。
何故だか分からない震えが、全身を襲っていた。
誰かが自分の口を使い、声を使って、母に己の思いをぶつけようとしている。
それを冷静な自分が、遠巻きに見守っているのだ。
ハラハラしながら、怯えながら、でも、何故か微かな期待を持って。
「・・・・娘とか、血の繋がりとか、今更そんな言葉・・・・・」
「・・・・・・・」
「今更そんな言葉で縛り付けるなんて・・・・・・」
誰かが、母を攻撃しようとするのを。
「私だって、私だって・・・・・・・・・」
誰かが、母を傷付けようとするのを。
「・・・・・・・私だって、貴女にして欲しい事、いっぱいあった・・・・・・!」
誰かが、いや、他の誰でもない。
タールのように重苦しく醜い気持ちと共に胸の内深くに押し込められていた、自分の剥き出しの本心が。
「どこの国でも病院ってとこは、死の匂いがプンプンしやがるな。」
病院の正面玄関を向こうに眺めながら、デスマスクはポツリと呟いた。
まるで日和見でもするような口調で、独り言のように、何気なく。
彼のその言葉に、側に居たシュラもアフロディーテも、何も返さなかった。
誰も、そんな話をする為にわざわざここに立ち止まっている訳ではない。
彼等には目的があったのだ。
「お、が出て来たぞ。」
シュラの鋭い目が、その『目的』を捉えた。
そう、彼等はのガードをしていたのである。
尤も、当のはガードされている事にまるで気付いていないが。
「・・・・・・なーんかアイツ、おっかねぇツラしてねぇ?」
デスマスクが首を捻った。
正面玄関から出て来たは、病院の敷地外に出る方向とはまるで違う方向にセカセカと歩いて行ったのだ。
険しく顰めた顔を俯きがちにして。
「何かあったんだろうか?」
「さあ・・・・・・・」
アフロディーテとシュラも首を捻った。
何があったのか詳しくは知らないが、『何かあった』事だけは確かなようだ。
暫し考えた後、シュラは他の2人に『おい、どうする?』と問いかけた。
「どうするって・・・・・・、俺達の任務はあいつを『さり気なく』警護する事なんだぜ?」
デスマスクは、困惑したように呟いた。
「だが、只事じゃないぞあの様子は・・・・・・」
「・・・・・本当に何かあったのかも知れないよ、只ならぬ何かが。」
アフロディーテは、シュラが何気なく言った言葉を強調するような言い方をした。
その途端、3人の間の空気が一瞬にして凍りついた。
「只ならぬって何だよ?・・・・・・・まさか・・・・・・?」
「母親絡みで・・・・・・?」
「余命宣告でも・・・・・された・・・・・・、とか?」
デスマスク・シュラ・アフロディーテは、それぞれに呟いて顔を見合わせた。
の母の病状は、女神からの報告を聞いて知っている。
只の胃炎や過労で余命宣告も何もある訳がないのは分かっているのだが。
『どうする・・・・・・・?』
3人は、のあんなに厳しい表情を見たのは初めてだった。
鬼気迫る、或いは悲痛な、・・・・・・・一体何と表現するべきか。
何故そんな顔をしているのか気になって気になって仕方がなくて、直接声を掛けずにはいられない。
だが、女神からは『さり気ない警護を』と仰せつかっている。
女神の聖闘士としては、その命令を忠実に遂行せねばならないのだが。
けれど、そういう彼女自身はと直接会って喋っているし。
勿論、不公平だとか何だとか言える立場ではないのだけれども。
だけど・・・・・・そう、聖闘士もあくまで生身の人間である事には違いがない訳で。
生身の人間である以上、任務に失敗する可能性もゼロとは言えない訳で。
「・・・・・・しゃーねーな。」
「女神には、後で平身低頭詫びるとして・・・・・・」
デスマスクは勿体つけて呟き、シュラは苦虫を噛み潰したような顔で眉根を揉んだ。
「・・・・・行こう。」
そして、アフロディーテが静かに言うと、3人はまた一瞬顔を見合わせてから、の後を追って猛烈な勢いで走り出した。
幾ら早足だったとはいえ、相手は所詮だ。
追いつくのは至極容易い事で、3人はあっという間にを見つけた。
見つけた場所は、病院の裏庭の人気のない一画。
はそこで、沈んだ顔をしてコンクリートの石段に腰を掛けていた。
「おう、怖ぇ顔してどうしたよ?」
ジャリ、と小石を踏みしめて、デスマスクはの前に立ちはだかった。
するとは顔をゆっくりと上げて、まるで心ここに在らずなぼんやりとした目を彼に向け、
『何だデス・・・・・・』と呟いてから、
「・・・って、何で居るの!?」
突然我に返ったように、目を大きく見開いた。
「シュラにアフロまで・・・・・!何でこんな所うろついてるのよ!?」
3人を見回すの表情は、面白い位に驚きうろたえている。
しかし、その目はほんの僅かに赤かった。
「ちょっと女神の御用でね。・・・・・・・・そんな事より、どうかしたのかい?」
「何かあったのか?」
アフロディーテとシュラは、薄く苦笑を浮かべながらも、に真摯な口調で尋ねた。
するとは、また表情を変えた。
「・・・・・・・・・ちょっとね。言っちゃいけない事、言っちゃったの。」
今度は笑顔だった。
寂しげな、弱々しい笑顔だった。
は、つい今しがたの母との口論を3人に話した。
いや、口論ではない。
一方的に彼女を責め立てた事を、その具体的な言葉と共に包み隠さず打ち明けた。
「・・・・・・とうとう言っちゃった。一緒に暮らすって決めた時から、昔の恨み言は絶対に言わないって決めてたのに。しかも、よりによって病気の時なんかにね。」
黙って聞いてくれた3人に向かって、は決まりが悪そうに微笑んだ。
「・・・・・馬鹿だったわ、私。」
人に話す事によって、気が落ち着き整理がつく場合もある。
今が正にそれだった。
「余りクヨクヨするな。ついカッとなってしまう事ぐらい、誰にでもある事だ。」
「後悔・・・・しているのかい?」
シュラが不器用に、しかし一生懸命にフォローしてくれる。
アフロディーテが、優しく尋ねてくる。
しかし、そうではない。言ってしまった事を気に病んだり、後悔している訳ではないのだ。
は首を振って答えた。
「この状況で言っちゃった事については悪かったと思うけど、言った事自体は後悔してない。母には悪いけど、私はね、ちょっとスッキリしたの。」
沈黙する3人を相手に喋っている内に、だんだん見えてきた気がしていた。
これからどうすれば良いのか。
どうするべきなのか。
「病人を責め立ててスッキリしたなんて、本当、酷いわよね。こんな酷い事する位だったら、最初から一緒になんか暮らさなきゃ良かったのよね。そうしたら、逆にもっと娘らしく思いやってあげられたかも知れないのに。・・・・・・・本当に馬鹿だったわ。」
そして今、は、決断したばかりの事を彼等に話そうとしていた。
「・・・・・・私、決めた。」
「・・・・・何を?」
アフロディーテの問いかけに答えるようにして、は告げた。
「母が退院して落ち着いたら、家を出る。お店も辞めさせて貰うわ。」
は今、解放感を感じていた。
一体今まで、何にがんじがらめにされていたのだろうか。
母に望まれているから。母の為に。
そう思って一生懸命になればなる程、その思いに支配されていった。
自分で自分を追い詰めていたのだ。
元々、誰かの為だけに何もかもを捧げられる程、立派な人間ではないのに。
「多分、初めから無理があったのよ。長い間、赤の他人よりも遠く離れていた私達が、いきなり親子として暮らすなんて。焦らずに、少しずつ少しずつ、溝を埋めていくべきだったのよ。」
何も再び母と縁を切りたい訳ではない。
少し距離を置くだけだ。
自分は人の上に立つ器でも、贅沢な暮らしが似合う人間でもない。
自分に出来る仕事をして、分相応の暮らしをし、これまでのように生きていけば良い。
そして、お互い独立した人間同士として、付き合っていけば良いのだ。
ゆっくりと、時間をかけて。
いつか二人の間に、本物の親子の絆が育まれるように。
「ちょっと無茶しすぎちゃったみたいね。」
はまた、苦笑を浮かべた。