その男が来たのは、『Venus』のオーナー交代の話がスタッフ達に通達されてから、暫く経っての事だった。
この日もいつもと同じで、客足はまばらだった。
数組の常連客がポツポツと間隔を空けて着席し、いつも彼らの相手を務めているホステス達が何人か商売に励んでいるだけで、他の女達はいつでも商売が出来るよう臨戦態勢を整えてはいるものの、店の隅の目立たない席で壁際の華と化している状態だった。
そんな閑散とした状況の中、は事務所で母から経営の引継ぎを受けていた。
オーナー交代の話が出てから、客がついていない時には、はいつも母と二人で事務所に篭っている。
更に言えば、店に出て客の相手をしている時間より、事務所に居る時間の方が長い位なのである。
曲がりなりにも店内トップのホステスではあるが、の得意客は未だに数が少ない。
その上、特別に羽振りが良いと言える者達ではなく、そうしょっちゅう通って来る訳ではないのだ。
一応着飾って店の中には居るものの、実際にはろくにテーブルに着く事なく終わる日も、そう珍しい事ではない。
黄金聖闘士達が来なくなってから、はすっかり暇を持て余すようになってしまっていたのだった。
しかし、の母は別段それを咎めはしなかった。
むしろ、それだけ引継ぎ作業に時間が割けると、喜んでさえいる節だった。
そんなに早く引退したいのか、彼女はせっせとにオーナーとしてのノウハウを伝授し、経営の仕事を教え込んでいた。
今日もいつもと同じ、そんな日になる筈だったのだ。
「・・・・・・・そう、分かったわ、事務所に来て頂いて。」
内線電話を切った母の油断のない表情を見て、は何事かと尋ねた。
「ちょっとね、これからお客さんが来るの。」
「じゃあ、私は外した方が・・・」
「そうね・・・・・・・・、いえ、良いわ、構わない。ここに居なさい。」
「でも・・・・・・・」
「どうせ、貴女にも聞いておいて貰いたい話になるわ。それに多分、あちらさんは貴女の顔も見たがるだろうし。」
話が飲み込めず、が首を傾げていると、事務所のドアがノックされた。
「失礼しますよ。」
入って来たのは、見るからに高級そうなスーツを一分の隙もなく着こなした男だった。
見たところ40前後位の感じだが、その整った涼しげな顔立ちと垢抜けた雰囲気、そしてすらりとした長身は、所謂『中年』という単語を連想させない。
この男、一体何者なのだろうか。
「こんばんわ。暫くです。」
男は、訝しんでいるには目もくれず、の母にのみにこやかに挨拶をして握手を求めた。
するとの母は、営業用の隙のない微笑を浮かべて、握手に応じた。
「こんばんわ。こちらこそご無沙汰しておりまして。」
「店を開いた時に挨拶に来て以来ですから・・・・・、もう随分になりますか。麗子ママ、お元気そうで何よりです。」
「お陰様で。本城さんもお変わりなさそうで、安心しましたわ。うちの娘達も皆元気ですか?」
「うちの娘達?さて、何の事だか・・・・・・」
「あら、ごめんなさい。でも、他に伝わりやすそうな言い方が思いつかなくて。他意はありませんの、ただ単純に、元気で頑張っているかどうか知りたかっただけですのよ。辞めていったうちの娘達が、お客様共々、皆そちらに移った事はとうに耳に入っていますから。」
「やあ、そうでしたか!道理でここのところ入って来るホステスの質が良いと思っていたら、そうでしたか、こちらの!いやあ、皆良く頑張ってくれてますよ。麗子ママの仕込みが良かったんでしょうなぁ。」
「フフ、お褒めに与かり光栄ですわ。」
の母は微笑を崩さないまま、男に率直に問いかけた。
「ところで、今日はまたどういったご用件で?」
「『Venus』のオーナーが交代するという噂を聞いたものでね、一度ご挨拶にと思いまして。」
「そうでしたの。それはそれは、早速のご挨拶、有難うございます。」
「差し支えなければ、新しいオーナーの方に一目お目にかかりたいのですが。」
その言葉に、は少なからず動揺した。
オーナー交代の件はまだ内々の話の筈で、まさか店外にまで知れ渡っていたとは思ってもみなかったからだった。
今この場で次期オーナーと名乗る心の準備は、まだ出来ていない。
しかし母は、そんなをチラリと一瞥すると、男に頷いて見せた。
「・・・・・構いませんわ。今丁度、ここに居ますのよ。」
「・・・・・と仰ると・・・・・」
「ええ、この娘です。」
男はここで初めての方に顔を向け、まじまじと見つめた。
まるで品定めでもするかのような遠慮のない視線に、は益々たじろいだ。
すると男は小さく吹き出し、やがて声を上げて笑い始めた。
「あ、あの・・・・・」
「ああ、いや失礼。少し意外だったものでね。あの梓君を追い落として『Venus』の後継者の座を射止めたのが、まさか君とは。」
引っ掛かるものがないと言えば嘘になる物言いだが、事実だから仕方がない。
が黙り込んでいると、男は上着の内ポケットからカードケースを取り出した。
「改めてご挨拶しよう。『Aphrodite』オーナーの本城毅です。今後とも宜しく、若き美の女神。」
「は・・・、はぁ・・・・・・・」
渡された名刺には、本人が名乗った通り、Aphroditeのオーナーという肩書きが記されてあった。
この男が、『Venus』を危機的状況に追いやったあの『Aphrodite』のオーナーなのだ。驚きは勿論大きい。
しかし、間の抜けた反応しか出なかったのは、この本城という男の言い回しが余りにも気障ったらしくて、思わず唖然としてしまったからだった。
「出来れば私にも貴女の名刺を頂きたいんだが。」
「・・・あっ!し、失礼しました・・・・!あぁっ!?あの、名刺はお店の方に置いて来てしまって、今取って来ますから・・・」
「それならまた今度で結構。取り敢えずはお名前だけ聞かせて貰えれば。」
一人でオタオタするとは対照的に、本城の物腰は至ってスマートだった。
が動転しているのは明らかに見て分かる状態だったが、本城はもうさっきのように笑いはしなかった。
「あ、あの、と・・・・・申します・・・・・・。」
「さん、か。良い名前だ。」
「ど、どうも・・・・・・」
おずおずと頭を下げるを見て、本城は薄い笑みを口元に湛えた。
「・・・・・・まだこの世界に染まりきっていない、綺麗なお嬢さんだ。」
「・・・・・・・・」
普通なら褒め言葉と受け取れる筈のその一言が、にはどうしてもそう聞こえなかった。
見え透いたお世辞、とも少し違う。
気のせいかも知れないが、強いて言えば『対等に見られていない』、そんな風に感じたのだ。
「あら、本城さん。うちの娘達はどの娘も皆、『Venus』の名に相応しい綺麗な女の子ばかりでしてよ。うちの女の子達の質は、貴方が一番良く分かっていらっしゃる筈でしょう?」
母がチクリと皮肉を飛ばすと、本城はこれまでとは打って変わった気さくな感じさえする笑みをに向け、冗談めかして肩を竦めてみせた。
「私は麗子ママにすっかり嫌われてしまっていてね。本当はもっと密にお付き合いしたいんだが、敷居が高くてなかなか飲みに来られないんだ。」
「あら、そんな事ありませんわ。いつでも飲みにいらして。大歓迎よ。・・・・・尤も、その気があれば今頃は、ここじゃなくてお店の方にいらしてるわね。本当にうちの次期オーナーに会いにいらして下さっただけかしら?他にも何かご用がお有りなんじゃなくって?」
「・・・ハハ、敵わないなぁ、麗子ママには。じゃあ、お言葉に甘えて本題に入らせて頂くとしましょう。」
本城は形ばかり笑って見せると、単刀直入に本題を切り出した。
「この『Venus』を、私に売って頂けませんか?」
は驚いて母の様子を伺った。
しかし彼女は、落ち着き払った顔で黙っているだけだった。
すると本城は、畳み掛けるように喋り始めた。
「さっきチラリと店の様子を伺わせて貰ったが、随分寂しくなってしまったじゃありませんか。」
「世の中不景気ですもの。どの店も、バブルの頃のようにはいきませんわ。」
「それにしたってお辛いでしょう?かつては銀座屈指の高級クラブとしてその名を轟かせた『Venus』を、見る影もなく無惨に落ちぶれさせていくのは。」
幾ら『次期オーナー』という事になっているとはいえ、母が何も言わないのに、まさか自分が口を挟める訳もなく、もただ黙って本城の話を聞き続けた。
「このまま下手に頑張って、むざむざどん底まで落としてしまうよりは、華やかな伝説を残して潔く銀座から身を引く方が良いんじゃないですか?『Venus』と麗子ママの名誉にとっては。銀座の美の女神の名を、『Aphrodite』に引き継がせてくれませんか?大事に引き継いで守っていくと、お約束しますから。」
「・・・・・・・・」
「勿論、金額はご相談させて頂きますよ。決して麗子ママの損になるようにはしません。ここを畳んでも、また何処かで小さな店の1軒ぐらいは持てますよ。そこで心機一転、やり直してみられては如何ですか?まだお若い事ですし。」
本城の話を一通り聞き終わったところで、の母はようやく口を開いた。
「ちゃん、お客様のお帰りよ。外までお送りして差し上げて。」
「え、あの・・・・・・」
ようやく発した言葉がこれでは、本城の機嫌を損ねるのではないかとは危惧した。
媚びる訳ではないが、相手は一癖も二癖もありそうな得体の知れない男。
こうも無下に追い払う形を取ってしまうと、逆上して脅しや暴力に訴えかけては来ないかと心配になったのだ。
しかし、それはどうやらの取り越し苦労だったようで、本城は変わらず紳士的な態度のまま、大人しく帰る素振りを見せた。
「では、考えておいて頂けますかな?」
「ご機嫌よう、本城さん。今度は是非プライベートでお店の方にいらして。従業員一同、楽しみにお待ちしておりますわ。」
本城は小さく苦笑を零してから、一人でさっさと出て行こうとした。
「また是非伺わせて頂きますよ、麗子ママ。」
「あっ、あの・・・・・!」
「見送りは結構。・・・・・・ではまた、次期オーナー。」
本城は去り際に一瞬、だけを見た。
にこやかなようでいて不敵な笑みを湛えた顔で。
「・・・・・・誰があんな男に渡すもんですか・・・・・・」
ドアが閉まった後、はガラリと変わった母の表情を見て思わず息を呑んだ。
低い声で呟く彼女の表情には、それ程鬼気迫るものがあったのだ。
「もし貴女にも話を持ちかけて来たら、絶対に応じちゃ駄目よ。無視しなさい、良いわね?」
「は、はい・・・・・・・」
が頷くと、彼女は安心したように僅かに表情を和らげた。
しかしそのすぐ後、彼女は突然腹を押さえて、苦痛に顔を歪めた。
「うぅっ・・・・・・!」
「ママ・・・・・?どうかしたんですか・・・・・!?」
「・・・・・何でも・・・・・ないわ・・・・・・・」
「で、でも・・・・・!」
は突然の事に動転しながらも、背を丸めて苦しむ母を支えようとした。
だが彼女はそれを断り、覚束ない足取りながらも自力でデスクまで歩いて椅子に腰を下ろした。
「大丈夫よ・・・・・。苛々したら、ちょっと胃がキリキリしただけ・・・・・。」
「本当に大丈夫ですか!?薬、買って来ましょうか!?」
「要らないわ、薬ならあるから大丈夫。貴女はもう良いから、お店に戻りなさい・・・・。」
「でも・・・・・・・」
「営業中よ、さっさと行きなさい・・・・・!」
「は・・・い・・・・・・・」
母の有無を言わせぬ気迫に押し負けたは、言われるまますごすごと事務所を出て行った。
ドアが完全に閉まったのを見届けてから、の母は震える手付きでハンドバッグから薬の袋を取り出し、中身を何粒か飲み下してから深々と溜息を吐いた。
「・・・・・・渡すもんですか、私の店を・・・・・・。私の・・・・・・」
そして、椅子の背もたれにぐったりと体を預けながら呟いた。
身体は立ち上がる事も出来ない程苦痛に苛まれて弱っているのに、その瞳にだけは強い意志の光が宿っていた。
まるで執念にも似た、強い光が。
追い払われるようにして店に戻って来たを、二人連れの客が待っていた。
No.1とNo.2のホステスを指名したいという、新規の客達だった。
従っては、現No.2である梓と共に彼等のテーブルに着いていたのだが。
「「有難うございました。」」
梓と共に、満足そうに泥酔して帰って行く客達の後姿に丁寧にお辞儀をして、は聞こえない位の小さな溜息を吐いた。
さっきの客達は、まずまず満足してくれた様子だった。
しかしそれは、梓が居てくれたからに他なかった。
さっきの客達は、かなり酒の好きなタイプだった。
しかし、酒に弱いが、彼等を満足させられるようなペースで付き合える訳がない。
そんなの代わりにしこたま酒を飲んだのは、梓だった。
顔色一つ変えずにぐいぐいと飲み続ける梓を彼等は大層気に入った様子で、大満足して機嫌良く帰って行ったのである。
もし彼等がまた来る事があれば、その時は間違いなく梓の客になっている事だろう。
やはり彼女こそがVenusのNo.1、来月には名実共にまたその地位に返り咲いているに違いない。
「・・・・・・フォロー、有難うございました。助かりました。」
は、梓との格の違いを改めて痛感しながら、梓に深々と頭を下げた。
すると梓は、素っ気無い口調で答えた。
「お酒を飲むのが私の仕事。私はそれをしただけよ。別にお礼なんて要らないわ。」
「済みません・・・・・・」
おずおずと低姿勢で謝ったを見て、梓は呆れたように溜息を吐いた。
「・・・・・お酒に弱いのは百歩譲って仕方がないとしても、振る舞いが素人臭いのよ、貴女は。良い?お客さんからすれば、素人女は自分の奥さんや会社のOLで事足りてるのよ。わざわざ高いお金を払ってうちに飲みに来るのは、非日常的な洗練された雰囲気を楽しみたいからなの。その相手をする私達ホステスも、そういう雰囲気を纏っていなきゃいけないわ。いつも堂々と輝いていなくちゃいけない。」
「はい・・・・・・・・。」
「ましてやうちは銀座でも指折りの高級クラブで、貴女はそのNo.1ホステス。もっと店の雰囲気とその地位に相応しい風格を身に着けて貰いたいわね。」
「はい・・・・・・・。」
梓の言う事は全て正論に聞こえるから、としてはただ神妙に頷くしかなかったのだが、
そんなが益々情けなく見えたのか、梓は再び溜息を吐いた。
「尤も、貴女のその純朴そうな雰囲気がお好みのお客が居るのも事実なんだけど。あの変な外人達、最近来ないじゃない。どうしたの?」
「い、いえ別に・・・・・、どうという事は・・・・・・」
不意に黄金聖闘士達の話を持ちかけられて、は思わず動揺した。
それを梓に気付かれなかったのは幸いだったが、彼女は事も無げにとんでもない事を言ってのけた。
「今からでも呼べば?来るのをただボーッと待ってるんじゃなくて、積極的に営業したら?No.1さん。」
「えっ・・・・・!?」
呼べる訳がない。
もう関わって欲しくなかったから、二度と来ないでくれと自分から頼み込んだのだ。
「いえ・・・・、でもあの・・・・・、そう、最近お仕事が忙しいとかで・・・・・!」
「こっちも仕事なんだけど?」
「・・・・・・ですよね・・・・・・・・。済みません・・・・・・・。」
しかし、梓はそんな事情を何も知らない。
正直に打ち明ける訳にもいかないし、そんなつもりもない。
となれば、無難な嘘を吐くしかなかった。
「でも今日は本当に無理みたいで、また近々声を掛けてみますから、今日のところは・・・・・・」
「・・・・・・別に良いけどね。貴女が良いんなら。」
梓はひとまず折れたようで、それ以上は何も言わずに店に戻っていった。
ホッと安堵したは、まだ肌寒さの残る夜の空気を胸一杯に吸い込んだ。
閉め切った室内の空気と酒で上せた頭が、それで幾分すっきりするのだ。
だが、それだけではすっきりしないものが、の胸には支えていた。
「・・・・・・どうしたの?店に戻るわよ。」
怪訝そうな顔で引き返して来た梓に、は不安げな声で答えた。
「はい・・・・・・・、でも、あの・・・・・・」
「何?」
「・・・・・済みません、ちょっと外して良いですか?」
「どうして?」
「あの、ママが・・・・・・、さっき具合悪そうにしていたから、ずっと気になってて・・・・・」
すると、梓の顔色が変わった。
「ママが・・・・・・?」
「大丈夫だとは言ってたんですけど、あれから店にも下りて来ないし、ちょっと様子を見て来たいんですけど・・・・・・・」
「私も行くわ!」
「は、はい・・・・!」
緊迫した表情で小走りに駆けていく梓を追う形で、はまた母の居る事務所に向かった。
「失礼します、ママ・・・」
梓はを待とうともせずにさっさと事務所に駆け込んで行き、は僅かに遅れて今、事務所に入ろうとしたのだが。
「ママ!」
正にその瞬間、中から梓の悲鳴のような声が聞こえて来た。
「梓さん、どうし・・・・、ママ!?」
慌てて駆け込んで見ると、梓が床に膝をついて母を抱き起こそうとしていたところだった。
ぐったりと青い顔をして、床に倒れている母を。
「ママ、しっかりして下さい!ママ!」
「・・・・・・ぁ・・・・・・・、梓ちゃん・・・・・・・?」
「きゅっ、救急車呼びます!救急車・・・・・!」
「駄目っ・・・・・!!」
母の介抱は梓に任せて、は救急車を呼ぼうと受話器を取り上げた。
すると、意識も朧げだった筈の彼女が、急に声を張り上げてそれを制した。
「営業中なのに・・・・・、救急車なんか・・・・呼んだら・・・・・・、お客さんに・・・何事かと・・・・・・思われるでしょ・・・・・・!」
「そんな事言ってる場合じゃありません!」
こんな非常事態に、体裁も何も気にしていられる余裕はない。
は母の主張を退けて、構わずに救急車を呼ぼうとした。
それがの思う、最良の判断だったのだ。
だが、梓がそれを認めなかった。
「分かりました、じゃあタクシーを呼びます。すぐ呼びますから、もう少し辛抱して下さい!」
「梓さん・・・・・!?」
「さん、タクシー!早く!!」
梓はの言葉などまるで耳に入っていないかのように、強引かつ素早く判断を下した。
しかし、今この場で救急車とタクシーのどちらが最良かと議論している暇はない。
目的はあくまでも、一刻も早く母を病院に連れていく事なのだから。
「は、はいっ!!」
は、急いでタクシー会社の番号をプッシュした。