「ああっ!KING様!お許し下さい!」
は暴かれる胸元を必死で押さえて抵抗するが、シンは全く聞き入れない。
その粗末な服を力任せに破き、肌を露出させる。
「痛っ!嫌ぁ!」
の腕を難なく解き、柔らかい胸を力任せに掴む。
痛む胸を庇おうと縮まるの身体を片手で制し、スカートの裾から手を入れて下着を引き下ろす。
まだ清い其処をシンの指が乱雑に犯す。
胸と下半身両方を庇えるはずもなく、は結局シンの意のままに身体を弄ばれる。
「あっ・・・う、っく、痛・・・、KING、様・・・、やめ、いっ、アァ!!」
無理な刺激を与えられ、強引に蜜を出させられる。
KINGは、僅かに湿ってきた入口に己を数回擦りつけ、何の躊躇いもなく一気に貫いた。
「やああぁ!!」
凄まじい痛みに大粒の涙が零れる。
「痛、や・・・、KING、様、お許し・・・っああぁ!!」
の身体を気遣うことなく、ひたすら自らの快楽を求めるシン。
はただその欲望を一方的に受け入れさせられる。
「あぅっ!んん、はっ、痛っ、アァ・・・、やぅッ!!」
強引に押し広げられた其処が、段々馴染んでくる。
相変わらずの痛みの中に、不思議な感覚が少しずつ混じる。
何とも形容し難い衝撃に虚ろになる思考。
霞む目で見たシンの表情は、苦痛とも快楽とも分からない色を浮かべ、その瞳は自分を見ていない。
「はぁっ!っく・・・、ん、アァ、KING様・・・!」
これ以上はないという程奥を貫かれ、の思考が完全に吹き飛ぶ。
先程までの痛みすら忘れる程に。
「やぁぁ・・・!!」
「くっ!ユリア・・・・!!」
聞き取れない程の低く小さな呻きと共に、シンは己の欲望をの中に放つ。
拘束が解けたの身体から、純潔の証とシンの欲望が共に流れた。
「もう良い、下がれ。」
シンの冷たい声に命じられ、はズタズタになった身体を引き摺って部屋を出た。
「ふっ・・・、っう・・・・」
誰にも見られないように人気のない物置に入り、は泣き崩れた。
身体の痛みや乱暴された恐怖もあったが、それ以上に心が傷ついていた。
まだユリアが連れて来られる前、がシンのメイドであった頃の事だった。
は、シンの手下数名に襲われかけたことがあった。
もう駄目だと諦めかけたその時、シンが自分を助けてくれたのだ。
あっという間に手下達を血の海に沈め、礼を言うに振り向きもせず、何事もなかったかのように立ち去るシンに、は仄かな恋心を抱いた。
別に自分を助けたくて助けたわけではなかったのだろう。
たかが召使といえど、恐れ多くも『KING』のものに手を出そうとした輩を成敗しただけに過ぎないはずだ。
何故ならシンはを只の召使としてしか扱っていなかったからだ。
夜伽の相手を命じられた事もなく、ただ細々とした雑用のみを任され、必要な事以外口をきいて貰えることもなかった。
シンには数人の愛妾がおり、自分のような地味な娘など見向きもされない。
ましてシンの愛を得られるなど有り得ないだろう。
しかしはそれで満足だった。例え報われなくても、側に仕えていられるだけで十分だった。
その日から、は密かにシンに想いを寄せるようになったのだ。
しかしその淡い想いは、たった今無残に踏みにじられた。
だが不思議と怒りが沸いて来ない。あんな目に遭わされてもまだシンへの想いが消えないのだ。
最後の瞬間に聞いたシンの呟きが、の頭にこだましている。
狂おしい程ユリアを恋い慕うシンの気持ちが分かる。
自分と同じだからだ。
は、シンと自分の報われない心を想って、一人泣いた。
「おはようございます、ユリア様。」
「おはよう、。」
次の日、は何事もなかったかのように仕事に就いていた。
軋む身体と心をユリアに悟られないよう、努めて普段どおりに振舞うのが辛い。
ユリアの身支度を手伝い、ベッドを整える。
昨夜の事を忘れようと仕事に集中する。
なのに今一番会いたくない人物が部屋に入ってきた。
「ユリア、俺はこれから数日留守にする。」
「・・・どちらへ?」
「それはまだ言えん。だが良い場所だ。きっとお前も気に入るだろう。」
それだけを伝えて、足早に立ち去ろうとするシンを、ユリアが呼び止めた。
「シン、あなたはまさかまた恐ろしい事を・・・・」
「行ってくる。」
シンは一瞬立ち止まり、何事か考えたようだったが、すぐにそのまま部屋を出る。
いつもならユリアの顔を見て話すシンが、今朝はユリアと目を合わせない。
ユリアの態度もまた、普段と少し様子が違う。
は二人の様子をいぶかしんだが、立ち去る間際のシンと目が合い、一瞬で昨夜の事を思い出して頭が一杯になる。
目が合ったのはほんの0コンマ数秒の間のはずなのに、には永遠とも思える程長く感じられる。
「、どうかしましたか?」
シンが立ち去った後もまだ部屋のドアを見つめて呆然と立ち尽くすに、ユリアが声を掛ける。
「い、いえ、何でもございません。朝食の支度が出来ておりますので食堂へ・・・・」
はざわめく心を内に押し込めて、ユリアを伴って部屋を出た。