翼の折れた鳥 4




レイはに口付けた。
舌でやんわりとの唇をこじ開け、小さな舌を絡め取る。
そのまま床にもつれ込み、唇を離して耳朶を甘く噛む。

「あっ・・・ん、んん・・・・」

耳元にレイの熱い吐息を感じ、身体の奥に小さな火が灯る。
レイは素直な反応を返すに気を良くして、首筋や鎖骨に舌を這わせる。

「んっ・・・、っう、あ・・・・」
、自分で脱ぐか?それとも破られたいか?」
「自分で脱ぐわよ・・・。」

意地の悪い笑みを浮かべたレイに顔を顰めて、は全裸になった。
レイは再びを引き寄せて、その肌の感触を楽しむ。
存在を主張し始めている胸の頂点を指で弾き、舌で転がす。

「んん、はぁ・・・・」

ふくよかな胸への愛撫を続けながら、片手を下へ伸ばす。
太腿を撫で擦り、の脚を開かせて、柔らかな茂みの中へ指を這わせる。

「あんっ!」

滲み出た蜜を敏感な芽に塗り付け、何度も撫で上げる。
の肌が熱く火照り、息が荒くなってくる。

「うっ、ん・・・、あぁん、んっ!!」

快楽に身を委ねるの艶かしい姿が、レイの欲情を煽る。
レイは愛撫の手を止め、ズボンの前を寛げて猛り狂った自身を解放し、の手に握らせた。

「俺も愉しませてもらおうか。」

レイに言われるまま、は身体を起こして彼の分身に唇を寄せた。
睫を伏せて舌を這わせ、先端を口に含んで吸い上げる。
レイはさらさらと零れ落ちるの髪をかき上げ、その表情を愉しげに見つめていたが、温かい口内と小さな舌の感触に、次第に低い快楽の呻きを漏らし始める。

「ぅ・・・、んむっ!」

頭を押さえ込まれたせいでレイが口内深くまで達し、むせ返る
何とか息を整え、ゆっくりと顔を上下するとレイが苦しげに眉根を寄せる。

「ぅ・・・・・、もういい、離せ・・・・。」

の口から自身を抜き去り、濡れた唇を拭うを再び床に押し倒した。
そして両脚の間に身体を割り込ませ、その中心を一気に貫く。

「あああぁぁ!!」

凄まじい質量に、が悲鳴のような嬌声を上げる。
浅く深く突き上げられる度に、の身体が揺れる。

「んんっ!あっ、あっ、あぁっん!!」
「良い声だ・・・・、もっと聞かせてもらおうか・・・・」
「あ・・・・、ん・・・?・・・やっあああぁ!!!」

レイは一旦身体を引き離して、をうつ伏せにさせると、腰を抱え上げて再び貫いた。
先程よりも深い挿入感に、の嬌声が更に大きくなる。

「あぅ・・・、うっあぁ!!んっ、んあっ、あっああン!!!」

レイは勢いよく腰を打ち付ける。
そのリズムに合わせての身体が前後に揺れる。
規則正しく強い律動を感じる度に、が切なげな声を上げてよがる。

「あっ、はぁ・・!!んっあっ、ふ、あっっ!!!」

逃げて行くの腰を掴んで引き寄せ、奥を抉る。
の瞳から生理的な涙が零れ落ちる。
夜の静寂を、二人の荒い呼吸と卑猥な結合音が切り裂いていく。

「あっあぁ!!深っ・・・!い・・・やぁぁ・・・・!!」

鈍い痛みさえ感じる程奥深くを抉られ、が悲鳴を上げる。
そんなに征服欲を感じ、レイはの腰を支えて膝立ちにさせると、下から更に突き上げを始めた。

「やうっ!!あっああ、はぁっん!!あっあっあっ!!!」

身体と身体が激しくぶつかり合う音が部屋中に響く。
己をきつく締め付けてくる感触に限界を感じ、レイは猛然と律動を繰り返して性急に頂点へと駆け上がる。
その追い上げに、も限界に達する。

「ああっ!もっ、だ・・・めぇっ・・・!!!ああああーーーー!!!」
「ぅっ・・・!」

は強烈な快感に背を反らして絶頂に達する。
激しく痙攣する内部の奥深くに全てを解き放って、レイはようやくを解放した。





「ねえ、探してる人ってあなたの恋人?」

激しい快楽の波が引き、心地良い気だるさを味わいながら、が口を開いた。

「妹だ。」
「そう・・・。ねえ、聞いてもいい?」
「何だ?」
「どうして妹さんはいなくなったの?」
「・・・・連れ去られた。何者かが俺の留守に両親を殺し、アイリを、妹を攫って行った・・・・!!」

低く苦しげなレイの口調に、は驚いた。
この数日、常に冷静で余裕に満ちていたこの男が、こんなに感情を露にするなんて。

「ひどい話ね・・・」
「この時代にはよくある話だろうがな。」
「ええ・・・・。」

そう、よくある話だ。
この時代、力無き者は理由なく奪われ殺される。
ある日突然何もかもを一瞬にして失う経験をした者は少なくない。
何を隠そう自分もその一人なのだから。

「俺は必ずアイリを助け出す。そして犯人をこの手で殺す!」

激しい口調で言い捨てて拳を握り締めるレイ。
はその拳をそっと両手で包んだ。

「あなたの妹さんはきっと見つかるわ。」
「ふん、気休めのつもりか?」
「そんなつもりじゃないけど・・・・。でも生きている可能性はあるじゃない?なら見つかる可能性だってある。」
「・・・・・そうだな。」

の言葉と手の温もりに、レイはいくらか気が楽になったように感じた。
レイの表情が少し和らいだのを確認して、はレイの拳から手を離す。

「どうせ明日も早いんでしょ?もう寝ましょう。」
「そうだな。」
「おやすみなさい。」
「あぁ。」


― ふっ、この俺が女の言葉に慰められるとはな。


レイはの寝顔を見つめて、小さく笑みを零した。




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後書き

只の裏話と化してしまいました(笑)。
はい、元からでしたね、すいません。
少しずつ互いを思う気持ちが芽生えて・・・・きてるといいなあ(笑)。
アイリの話も出たことですし、次回辺りからそろそろ本腰を入れて
アイリ探しを始めることにいたします(遅)。