Q86.HDNについてお伺いします。抗E保有(温式IgG・クームス法)の妊婦で、
抗体価は、8倍→256倍→512倍→2048倍と上昇してきました。なぜこのように抗体価は上昇するのでしょうか?

A86
この赤ちゃんは第2子(以降)の赤ちゃんではないでしょうか?
もし、そうでしたら、すでに第1子で産生されていた抗Eが2次応答(今回の妊娠による2回目の抗原刺激)により、急激に抗体価が上昇してきているのではないでしょうか?
(また、お母さんに輸血歴はないでしょうか?)
スタンダード輸血検査テキスト第2版84ページに妊娠による免疫刺激が詳しく記載されております。
こちらによれば、母児間輸血は妊娠2カ月から起こり、妊娠後期では45%に認められるとなっております。
また、AABBテクニカルマニュアル13版(日本語版)P534にも胎児母体間出血(FMH)は妊娠後期、分娩時に起こると記載されております。

高力価になってきているのでHDN(Hemolytic disease of the newborn)が心配ですね。
参考ページ
http://www14.plala.or.jp/yuketsu/yusan.html/A49.html