呼吸に関すること/@

・慢性肺疾患

未熟児に関すること

参照

・喘息性気管支炎・細気管支炎・肺炎
人間は口や鼻から空気を吸い、肺で空気中の酸素と体内で不要となった血液中の二酸化炭素を交換し、またその空気を吐き出すこと(呼吸)で生きている。
酸素は、心臓の働きで血液を通じ全身にめぐって生きるエネルギーとなり、そして二酸化炭素となるのである。
その呼吸が肺に取りこめられる通路が、気道である。
また、気道は右の図のように、鼻や口から、気管へ、気管が枝分かれをして気管支、さらに枝分かれを繰り返し細くなり細気管支となり,最後に,酸素と二酸化炭素のガス交換がおこなわれる肺胞へと繋がる。
(注意:右の図はあくまでも素人が簡略的に参考的に描いた図であり、気道や細胞の実際の長さや太さの比率、分岐の回数、最終的な肺胞の数などでたらめであり正しいものではありません。参考までに肺胞は大きさの直径が0.1〜0.2mmで3億個あるといわれています)

たとえば風邪などを引きその気道のどこかが炎症を起こすとする。その炎症をおこした部分により、気管支炎、細気管支炎、肺炎と分別される。(風邪などのウィルスやマイコプラズマや細菌感染以外の原因でも炎症は起こります。)

喘息性気管支炎は、一般にいわれる喘息とは違うもので、呼吸系の未熟な乳幼児の風邪の時、咳が続きぜいぜいと喘息用の状態が続く状態の場合、付けられる診断名。
つまり、一つの病名というよりも、原因はいくつかあるけれども、気管支がなんらかで炎症を起こし症状が喘息と似ているにとりあえずつけられる病名である。
乳幼児の体の発達とともに、3歳までには大半が起こらなくなる。
中には、気管支喘息にすすむ子もいる

細気管支炎とは、通常ウィルスの感染、炎症により起こるのだが、2歳くらいまでの乳幼児がかかりやすい。
細気管支というとても細い気道の炎症のため、咳がひどくなり、呼吸困難など重症化しやすい。
これも最初は風邪からくるものである。

肺炎とは、よく知られている肺の炎症のことであり、原因などにより肺炎の種類はたくさんある。
発熱や咳、呼吸困難などの症状がある。
その中で脳性麻痺児に関連する肺炎として、誤嚥性肺炎がある。
誤嚥性肺炎とは、嚥下障害(食べ物をうまく飲み込めない)がある人や、気道に異物が入ることに反応しない、つまり咳反射(むせること)の弱い人がかかりやすい肺炎で、食べ物やよだれや吐いた胃液などがあやまって肺に入ってしまうことにより起こる。
また、気管切開、人工呼吸管理をしていると、気道に細菌やウィルスなどが入りやすく肺炎を起こしやすく、さらに使用する医療器具からの感染による肺炎も起こることがある。

<ゆーさくの場合>
慢性肺疾患のゆーさくは2さいになるまでは風邪を引いては喘息性気管支炎と診断されていた。入院も何度か経験。ところが、1歳半ごろから、小児気管支喘息(次の項参照)を起こすようになる。喘息発作後には、嘔吐したものを喉に詰まらせ窒息し、そのまま詰まったものを誤嚥し重度の誤嚥性肺炎をおこしたこともあった。2歳になる直前には、細気管支炎も経験。このときは、まだ気管切開をしておらず、咳発作が何十分も続き呼吸困難をおこしチアノーゼが続いたため、気管内挿管をし人工呼吸器による治療を行なった。
しかし、肺炎に関しては、喘息発作後の嘔吐物による窒息の際以外の肺炎は今のところない。ゆーさくは口や喉が過敏症で咳反射が異常なくらいあり、すぐむせて咳がでる(その咳が止まらなく咳なりき続けるので、異常なくらいの咳反射といわれた)。その異常なくらいの咳反射の為、脳性麻痺で食べ物を飲み込むことができないが咳反射で咳と共に誤嚥物が出てくるので誤嚥性肺炎は起こりにくいのかも、というようなことをいわれた。また、気管切開後は、どうしても喉に異物があるため、誤嚥しやすくなる。実際、気切孔からは咳とともに痰だけでなく誤嚥した食べ物やよだれのような分泌物がよく出てくるようになったのだが、はっきりとした肺炎はなし。

・小児気管支喘息

気管支喘息は、呼吸するときにヒューヒュー、ゼィゼィという音(喘鳴音)がし、発作性の呼吸困難や咳がおこる。
発作性の呼吸困難が起こることから症状が起こると喘息発作と呼ばれている。
発作の原因は、大まかに述べると、気道内に原因物質が侵入し刺激が加わると、気道を取り巻く平滑筋(気管支を作っている筋肉)が収縮、また気管支の内壁を覆う粘膜に炎症がおこり、浮腫や粘膜からの分泌物の増加が起こり、気道が狭くなること(間違えていたらすいません)である。
簡単に示すと気管支が右の図のような状態になるのである。
また、発作が起こりちゃんと収まれば気道は正常なに戻るわけではないようで、喘息保持者は気道に慢性的に炎症を起こしていて粘膜が過敏になっている為、新たな発作が起こりやすいようである。

小児気管支喘息は半分くらいが2歳までに発症し、主に風邪などの際のウィルス感染やアレルギーの原因となる物質(人それぞれアレルギー源は異なる)により発作が起こる。また、アレルギーの素因は遺伝子により規定されることから、遺伝とも関連しているともいわれている。また、大気汚染、タバコの煙、食品アレルギー、急な激しい運動や天候・・・他などにより発作が起こることもあるらしく、全部が全部、現在のところ喘息発作の原因が解明されているわけではない。

<ゆーさくの場合>
最初に喘息と診断されたのは1歳半のころ。風邪が原因で最初は喘息性気管支炎と診断されていたが、一度咳をしだすととまらなくて呼吸困難を伴うようになった為、小児喘息となった。アレルギー血液検査(ハウスダストやらさまざまな食べ物などにアレルギーがあるか調べる)を行なったが、アレルギーは今のところなし。未熟児で産まれ慢性肺疾患を持っていると、小児喘息になりやすいらしく、ゆーさくの喘息は慢性肺疾患の影響を受けて起こったものと理解している。ゆーさくの発作は多くは風邪などから起こることが多い。

2歳をすぎたころからゆーさくの喘息は激しくなる。ゆーさくは、咳反射が異常なほどあり、先生の胸の聴診で喘鳴音がひどくなくても、一度発作が起こると中々咳発作は止まらない。また、酷い時はチアノーゼを伴い呼吸困難(息を吸うことはできても、吐きにくそうな状態)になる。発作が起こると、喘息の治療のひとつである気管支拡張とアレルギーを抑える薬による吸入(即効性がある)をまず行なうが、一時期的にしか効かず1〜2時間咳続けることもよくあり、そうなると入院し、ステロイドの点滴や先生の監督下の元で日ごろ使っている人工呼吸器の送る空気の圧を上げるたり、さらには理学療法による呼吸介助を行うことで、発作が収まるのを待つ。発作後は詰まっていた大量の痰がでるので、それが一段落ついたら退院となる。

一度発作が起こると大事になるので、日ごろから喘息の薬を何種類(内服薬、吸入、ステロイド吸入、貼り薬)か使って、発作の予防をしている。とはいえ、風邪を引いてしまったり、気候の変化(台風などの気圧の変化)で、発作が起こるときは起こってしまう。発作の前触れとして、ゆーさくの場合は日ごろから痰の多いゆーさくが痰がでなくなり(=痰が詰まり気道を狭くしかけている)空咳をする、という状態になることがある。そういうときは、入院セットを準備し、発作が起こったらすぐ病院へ行き入院できるようにしている。
慢性肺疾患がゆーさくの成長とともに落ち着き、さらにはゆーさくの喘息も収まれば・・・と願っている。