未熟児に関すること/@

・切迫早産〜早産、そして低出生体重児の誕生

妊娠は、最後の月経開始日を0週0日とし、40週0日を分娩予定日としている。
通常、37週〜40週を正期産と言い、だいたいの赤ちゃんはその間に誕生する。
しかし、何らかの事情により、お腹の中の赤ちゃんがお腹の中で亡くなってしまったり早くでてくることがある。
22週未満では流産となる。
22週以降に産まれた赤ちゃんは、現代の未熟児医療の発達により助かることがあるため、22〜37週未満に産まれることを早産という。

切迫早産とは、早産が起こりそうな状態のことであり、切迫早産と診断されても薬や絶対安静といって妊婦が24時間ベットや布団の上で寝ておき動かないようにすることなどにより、37週まで赤ちゃんがお腹からでてこないようにすることはできる。

それでも赤ちゃんが出てきてしまったり、何らかの事情によりこのまま妊娠を継続するとかえって赤ちゃんの命が危ないという場合にやむなく赤ちゃんをお腹から出すことになってしまったりすることがあり、それが早産となるのだ。

また、早産とも関係するし、何らかの病気などにより、2500g以下で産まれた未熟児のあかちゃん低出生体重児をという。
中でも、1500g以下を極低出生体重児、1000g以下を超低出生体重児という。

(ゆーさくの場合)
かあちゃんが妊娠22週5日目に切迫早産と診断され、24時間の点滴治療と絶対安静の生活を送っていた。それでも25週5日目から陣痛がくる。次の日、診察により、胎盤早期剥離(子宮の中の、赤ちゃんに臍の緒を通じ酸素と栄養を送るところが、はがれてしまう。最悪の場合、酸素が赤ちゃんにいかなくなり死んでしまったり、大量出血で妊婦も死んでしまう)が判明。急遽、ゆーさくをお腹からだすことなった。ところが、人工的に出す(帝王切開)前にゆーさくは自分で出てきてしまう。そして731gの超低出生体重児でゆーさくは産まれた。 

・新生児仮死

産まれた赤ちゃんの状態が仮死状態であること。
主に呼吸トラブルなどにより呼吸や血流がとまりかけ(とまった)状態。

あかちゃんの出生状態を表すのに、アプガースコアという検査がある。
生後1分時と5分時の赤ちゃん状態を、皮膚の色、心拍、呼吸、反射や筋緊張の様子の5項目を0〜2点でチェックし10点満点で点数化する。

3点以下は赤ちゃんの状態が非常に悪く、7点以上で良好と判断されるようだ。

<ゆーさくの場合>
アプガー1分時は1点(何が1だったのかはとうちゃんかあちゃんにはわからないが)、5分時は7点であった。1分後だけでみると重度の仮死であったが、5分後には7点に回復しており、これは主治医をはじめとする医療スタッフの蘇生術のおかげである。
とはいえ、ことあるごとに主治医は”ゆーさくちゃんの仮死状態はとてもひどかった”と言う。それをこの1分時1点という事実により表されていると思う。

・未熟児慢性肺疾患

通常、妊娠34周くらいで赤ちゃんの肺の機能は完成し、産まれるまで胎盤を通し母体から酸素をもらっている。
よって、それ以前に産まれた赤ちゃんは、肺が未完成なままであり酸素を充分に得ることができない。
呼吸窮迫症候群(肺水腫や無気肺などの呼吸トラブル)などが発生することもある。
しかし、現代の未熟児医療により、酸素投与や人工呼吸器などにより、早く産まれてしまっても、肺の未熟性は克服できるようになった。

ところが、肺の未完成な機能を人工的強制的にフル活動させるため、ちゃんと動くようになっても、一方で肺の機能そのものにムリが生じてしまうことがある。
そのボロボロになった肺の状態が慢性肺疾患であり、超未熟児で産まれ、人工呼吸管理や酸素投与が長期にわたった赤ちゃんに多い。
レントゲンで胸部X線写真を取ると、慢性的に少し影が見られたりする。
また、長期にわたり酸素投与が必要となる場合もある。

慢性肺疾患をもつと、風邪などがひどくなりやすく、入院を繰り返すことになる。
しかし、赤ちゃんが成長するにつれて、重症の場合を除くと、肺が丈夫になり慢性肺疾患は克服できるとされている。

<ゆーさくの場合>
いつも”慢性肺疾患だから・・・"といわれ続けている。一度、ゆーさく1歳くらいのころだったか、胸部X写真を見ていると”この白っぽいのは慢性肺疾患だから”と説明を受けた記憶がある。
NICU退院時は、慢性肺疾患であると言われてたが、酸素療法も何も必要なく、1歳すぎるまでは、入院するほどのひどい風邪などなったことはなかった。しかし、別の件で入院したときに、慢性的にSPO2(血中酸素飽和度)が低めになっているとわかり、酸素療法を開始した。さらに、1歳をすぎてから、少しの体調不良で大きく体調崩れ入院やひどい呼吸困難に陥ることがおおくなった。また、現在は、人口呼吸器をゆーさくは使っているが、これは、ゆーさくの自力呼吸では肺が充分に広がらず酸素が充分取り込めていないことも一つの要因である。呼吸器で圧をかけること(持続陽圧呼吸:CPAP)で、現在治療をしている。これも慢性肺疾患が原因であると、とうちゃんかあちゃんはそのように理解している。