「なぁ、ハボック。最近俺なんかしたかな」
のほほんと、隣から零れた言葉。自分も同感だ。いったい何故こうなるとハボックは頭を抱えたくなった。
「なんで、こんなにトラブル体質なんだろ。いっそ呪われていない?俺ら」
まったくもって。と肯定をしたいが、ひとつだけ訂正を要求したい。トラブル体質は隣にいるエドワードであって、ハボックではない。自分はそのとばっちりを受けているだけだ。
なんにしても、今月に入って何度目のトラブルだろうと、ハボックは記憶を掘り返す。
確か、命に盛大に関わるものが28回。強盗や喧嘩など偶然巻き込まれたものが42回。そのうち、意図的に巻き込まれたと判明したものが23回。残りはすべて偶発的に巻き込まれたと思われるもの。
因みに、今月はまだ半分以上残っている。たかが、十数日の間に70回。
エドワードの一日の間に危険がない時間はない。
頻発に身近で起こる事件は彼女の生命の危険を表していた。もちろん生半可な者たちではエドワードに傷を負わせることは不可能だ。彼女自身がそれだけの力を有していることハボックは知っている。そしてハボックたち部下も護っている。可能な限りの策を練り、これ以上傷つくことがないように。
だが、それは外からの話。中からの話は別だ。最近の事件は軍の上層部が絡んできている。理由は考えるまでもない。彼女に対する妬みだ。若くして高い地位に着く有能さに、近い将来、上層部の椅子は彼女に奪われるのではないかと、そう考えての。
実際、そう考えている老将軍は余りに多い。年齢も考えずに蜜を吸うように、与えられた地位から離れようとしない。奪われようものなら、排除しようとすらする。
まだ今までのようなトラブルならばいい。ハボックたちも護れる。エドワードを見ていられる。だが、彼女が戦場に立てと云われれば。そして、ハボックたちと離されてしまったら。
軍は縦社会だ。上官からの命令は絶対。エドワードもハボックたちも逆らうわけにはいかない。いくら護りたいと願ったところで、中尉の階級を持つハボックは下っ端。出来ることにも限度がある。
一度だけ。たった一度、彼女を一人にしたことがハボックにはあった。
上からの命令だった。どうしようもなかった。
護りたくても、立場が許さないのだと、あの時エドワードの下についていた部下は無力感に唇を噛み締めて、拳を固く握り締めた。
彼女に下ったのはテロリストの殲滅命令だった。隠密が望ましいと彼女一つの身で。
一度でも仕方がないことだと。諦めた自分に憎悪を感じたのは、青い軍服の上から紅を被ったエドワードの姿を十数日ぶりに目にしたときに。
ただいまと冷たく微笑んだ彼女を見た瞬間に、何故一人にしたのかと、ハボックの網膜は殺意に赤が焼きついた。
その殺意は命を下した上層部に。そして自分たちに向かい、二度と同じ間違いは犯すまいと、心に誓った。
だから、ハボックはあの男に頭を下げた。下っ端の自分たちには出来ないことが出来るあの男に。
今回の異動を。
エドワードを奪われる前に、上層部の目から遠ざけようと。
それなのに、中央を離れ、東部に入った途端にこれなのかとハボックは内心泣きたくなった。それなのに、隣にいる彼女は。
「さて、どうしようか」
明らかにどうするかは決めた後の小さいけれど楽しそうな声で疑問の言葉。
目元を緩ませて、口端を吊り上げて。その美しい顔はイタズラめいた表情。
そんなエドワードに溜息を付いて、弱く笑って。やはり小さく。
「やるんでしょう?」
そう云うしかない。どうしようもない。彼女の笑顔に弱い自分にはお手上げ状態だ。抗うだけ無駄だと。
「貴女のお望みどおりに」
だから、ハボックは続けて、そう云った。
本当に、もうどうしようもないなと、ハボックは苦笑した。
出来るならば、もう少し自分の身を案じて欲しい。そう思いながら。
車両の中、乗客は中央に集められて床に座り込んでいる。その中から、ハボックは慣れた所作で気付かれないように辺りを見渡す。
乗客に威嚇し抵抗をするなと無言の圧力を掛けるかのように銃を向ける男が一人。
車両に扉は二つ。その二つの扉を背に銃を持った男が一人ずつ。
合計三人の男にこの車両は支配されていた。
この列車は、ジャックされた。
微かな銃撃の音が耳に届き、警戒し様子を見に行こうかとエドワードとハボックが腰を浮かせた瞬間、突如男の団体が入ってきた。そうして直ぐ様団体は、懐から黒い物体を取り出し「手を挙げろ」と言い放つ。
近頃ではお約束のトラブルに嘆息したのはつい先刻のこと。
さすがに状況の把握と情報の不備のため様子を見ることにした。
男の集団は三人を残し、後ろの車両へ向かった。
そのことからもすべての車両は、今現在、男たちの支配下だろう。もちろんこの列車の命とも云える機関室も。
そして、男たちの話から目的は一等車両にいる人物らしい。
ということは、当然男たちのリーダーもそこにいることになる。
最低限必要な情報は揃った。
「じゃ、悪者退治にでも行こうか」
楽しげに見遣るのが、銃を持つ悪者。
そんなエドワードを子どものようだとハボックは苦笑する。きっと言葉にすれば静かに微笑まれて、「旅立ちたいか?」と云うのだろう。手にナイフを持って。過去そんな経験をしたことを思い出して苦笑を深くした。
ハボックがなにを考えているのか分かり、気に食わなかったのか、むっとしながら彼女は一人ゆっくりと立ち上がる。テロリストは彼女 に体のいい八つ当たりとされるのだ。
金色の髪が肩からさらさらと音を立てて流れ落ちていく。清らかささえ感じる小柄な姿に誰もが目を奪われる。
それでも男たちは突然立ち上がった女を不振に思い、銃を向ける。
その様を見てもハボックは危険だとは思わない。だから、エドワードをそのまま傍観。
彼女は自分に凶器を向ける男たちにふわりと微笑んだ。次の瞬間、そこにあった小柄な姿は消える。間もなく、どさりと重いものが沈む音がした。
目を向けるまでもなく、沈んだのは、例の三人のうちの一人。
ハボックは離れた扉に佇む男に向かって駆けた。今は突然の抵抗に呆然としているがすぐに正気を取り戻して、エドワードに弾丸を放つだろう。そんなことを許すわけにはいかないのだと、ハボックは一瞬のうちに懐に入り込み鳩尾に拳を打ち込む。男は呻き声を上げて床に倒れこんだ。
なんとも云えない胸中に諦めの溜息をつき、背後を振り返る。
ハボックの蒼い瞳が捉えたのは、一人の女が男は頬を軽く叩きながらなにか質問しているところだった。尋問か(拷問か)。最初に倒したのだろう乗客の近くにいた男は縛り上げられていた。エドワードが質問している男は扉近くにいる男だ。その男もぐったりとしていることから、この場を支配する者はおらず、開放されたのだと分かった。
相変わらず、尋問若しくは拷問を繰り返す姿に再び溜息をつく。
彼女のそば近くまで歩を進める。
「エドワード」
普段呼ぶことのない名前。これは、どんな意図を持って口にしたのかハボック自身にさえ解らなかった。けれど、予感だったのだろうか。変貌した彼女を止めるための。
その音に振り向く、実年齢よりも若い容貌。口唇を軽く持ち上げ、眼を細めた薄く氷のような微笑。さる内乱の地で黄金の死女神と称えられたもの。
美しく、儚く。脆く、堅く。
―――おぞましい。
その姿に一瞬重なった過去。唯一忌み嫌う彼女の姿。
眉が寄る。睨み付けるようにハボックの目に険が宿る。
それに気付いた女神は悲しみの色を浮かべながら、溜息をついて瞳を伏せた。再び黄金色が現れたときには、先の女神の雰囲気は払われて、存在したのは自分のよく知るエドワード・エルリックだった。
男たちは東方地開放義団。
各車両に三人ずつ。一等車両だけリーダーを含めて四人。機関室には二人。車両は七つ。貨物車両が二つあるが、ここにはテロリストは配置されていない。このことから、東方地開放義団は二十七人いることになる。
テログループの目的とされていた人物は、ハクロ将軍。
恐らくあの尋問で聞き出したのだろう情報を淡々と紡ぐエドワード。
そして、最後には、楽そうだな。なんて零す。
風格も表情も見慣れた軍人の彼女のもの。
云っている本人は問題などないと思っている。実際彼女や長くそばにいるハボックには、これくらいのことはなんの問題もない。
だが、周りの人間には切迫した問題だ。
普通に考えれば、こんな危険な事態は軍に任せる。彼らはそのための存在であり、一般の人間にはこういう事態の対処法など知らないから。わざわざ、危険に首を突っ込む必要はない。
軍に任せて、傍観者になる。そうして“なにか”が起こったとき、一般人は被害者になり、憤りをぶつける先が得られる。
軍にとっては、解決のための策を潰されずにすむ有り難い思考だ。同時に厚かましく、厭わしくもあるが。
だが、一人でも彼ら一般人の常識を破れば事は違ったものになる。
もしもエドワードやハボックが制圧に失敗すれば、抵抗への威圧に、誰かが殺されるかもしれない。そして、それは自分かもしれない。
死を望む人間なんてそうはいるものではない。
運よく成功しても、不幸な“なにか”があれば、止めなかったお前たちも同罪だという目で、憤りの行き場は埋め塞がれてしまう。
人間はいつだって己本位にしか考えないものだよ。眼を細めて云ったのは、今は彼女の中で眠る麗しい女神。
だから、というべきなのか。乗客の言葉は。
「やめてくれ。余計なことはしないでくれ。騒ぎを起こして失敗したらどうするんだ」
「そうよ。巻き添えなんてごめんだわっ。貴女一人の問題じゃないのよ」
「軍が来るんだ。奴らに任せておけば大丈夫なんだ。女が出しゃばった真似をするな」
細い肩が揺れた。
小さな、一瞬のそれ。
色鮮やかな黄金の瞳に映ることのない、けれど、確かに彼女が抱いた感情を、ハボックは見逃さなかった。
奪われる側にいる彼らだから。言葉に重みが生まれる。その重みにエドワードの心が潰されることはない。腐っても彼女は軍人。中傷や罵詈雑言の言葉で一々立ち止まっていたら、いまの准将などという階級には到底たどり着けてはいない。
それでも、奪うことも、失うこともエドワードは識っている。
だから、強奪の事実に悲しみを覚える。喪失の現実にいたみを感じる。
けれどその感情は軍人としては必要のないもの。彼女は心の奥深く鍵をかけて、それらを閉じ込める。表に出ないように。目的があるから。叶えるまでは、弱みとなる想いを許すわけにはいかない。
偶に、本当に、稀に。エドワードはその感情の鍵を少しだけ回して想いを逃がしてしまうときがある。肩を揺らした今のように。
今からエドワードやハボックがやろうとしていること。この列車にいる乗客すべてから、なにをも奪わず護りきる保証なんてない。
確かにないけれど、このままではいけない。だから、成すことを決意する。
エドワードが口を薄く開くと同時に、喧騒の中低い声が静かに響いた。
「だったら、お前らが止めろよ。俺らに巻き込まれて死にたくないんだろう?なら、止めろよ、力づくで。
グダグダ云うぐらいなら、その手を使えよ」
聞き慣れたその低い声は、いつもとは違い地を這うような声。
車両は、列車が進む轟音を残して、冷ややかな静寂が広がった。
エドワードは驚いて自分よりもはるかに背の高い男を見上げた。
今までだって、こんなことはいくらでもあったというのに、普段飄々としている男がなにをそんなに怒っているのか。エドワードは解らず男の名前を口にした。
「ハボック?」
ハボックとしては、今から自分たちがテログループを制圧することで、乗客からなにかを奪う結果となっても、それは彼らの責任でもあると思っている。
非難や口先だけで物事が解決するならば、殺人も、テロも、戦争も。何も起こりはしない。
軍もいらない。
「そんなこと出来るわけないだろう。あんたたちとは違うんだ」
冷たい空気に反論した声は震えていた。
「なんで?」
なに一つ、行動もなく、人の罪だけを言及し、蔑む。
(本当は、こういう人間と言葉を交わすだけ苛々する)
ハボックは込み上げてくる不快感を殺せず、鼻で嗤うように更に低い声を出す。
「い、一般人なんだ。訓練された軍人じゃないんだぞ。銃を持った人間の相手なんて」
先程から、懸命に言葉を紡ぐ男は目に見えてハボックの作り出す空気に怯えてがたがたと震えている。
だが、ハボックは男を気の毒に思うこともないし、ご丁寧に気を静めるつもりはない。緊迫した空気を取り払う気もない。ほんの少し隣から来る視線が棘を含んでいるようで痛いけれど。今はそんなエドワードすらも無視して。
大体、一般人だから?軍人じゃないから?それがなんだと云うのか。
今、目の前で食って掛かる男を映し出す蒼い眼を睥睨するように細める。
こんな男よりも幼い、子どもとしか言い様のない人間は、すべき事を成す為に血を流し続けた。傷つき、蔑みも、死すらも厭うことなく。
まだ、親の庇護を求めてもいい年頃だった。それでも、己の意思で動いた。自分の願いのために。
そんな子どもができたことを、いい年下大人が出来ないなど。
嘲わせるな。
こんな愚かな人間たちに、彼女を責める権利などない。そう思えば、心のうち、苛立ちは募るばかり。
「じゃあ、黙ってろよ。俺らがその軍人なんだ。邪魔をするな」
殺意にも似たなにかを胸の内ハボックは感じながら、冷たく吐き捨てる。
肺の奥底から出てきたような深い溜息をエドワードはついて、今の今まで自分を無視し続けた男の後頭部をバシンと殴る。
痛いと頭をさする姿を無視して、すっかり怯えてしまった乗客を見る。
もう一度溜息をついてエドワードは口を開いた。
「まあ、とにかく。列車を乗っ取られたまま、イーストシティに入るわけにはいかないんだ。
テロを起こす奴らは大概が、過激派。目的を達したら、人質の安全は保障されない。実際、目的を達して其の侭爆破させたトレインジャックもあったからね。このままでは危険なんだ」
一度そこで区切って、乗客の顔を見渡す。最悪の事態を教えた所為で、見渡す限り真っ青なものばかり。身体をがたがたと震わせる者もいた。
「大丈夫、必ず助ける、なんて無責任なことは云えないけれど。やれることをしたいんだ」
ゆっくりと微笑みながら、エドワードは告げた。
それを聞いた乗客は不安を抱きながらも、少なからず安堵したのがわかる。
エドワードの穏やかな雰囲気に、先程この車両に充満していた緊迫感は薄れていた。
「たすけて…」
弱々しい一つの声がエドワードの耳には届いた。
それは、小さな子どもを抱いた年若い母親だった。
今、エドワードたちがすべきことは、軍人として、力と権力を持つ者として、この列車を制圧すること。
乗客から危険を遠ざけ、安全を確保すること。
「それが、俺たちの仕事だ。だから、あんたたちは、此処に居てくれ」
もう一度、エドワードは微笑った。
「にしても、ハクロって。あのオッサンですかね」
あれから、多少にエドワードからお叱りを受けたハボックは、雰囲気も、瞳に宿る感情も、いつもどおりの飄々としたものに変えていた。
「将軍位にハクロなんて名前は唯一つのはずだからな」
「は、いつからニューオプティーンから東方に異動になったんですかねえ。あのオッサン」
用もないのにこんなところに来るなと、呆れながら皮肉る。
そんなハボックにエドワードは、同意を示すように苦笑した。
東部。特に中心に位置するイーストシティは、内乱のこともあり、いまだ様々なテロ活動が頻繁で、情勢は極めて不安定。軍の高官が出かければテロリスト間ですぐに情報が駆け巡る。そしてそれを人質に事件は起きる。
出掛けるならば、腕の立つものを用意し、安全を期せ。叶うならば、事実すら隠せ。軍人であることを偽れ。
それをしないから、今回のように、彼の将軍は事件の渦中にあるのだ。
高官だけであるならばいい。彼らは軍人で、死ぬ覚悟は持ち合わせているはずだから。この際、持っていなくても知りはしない。軍人は人殺しの集団なのだ。いつかは誰かにその命、奪われることは当然と云える事なのだから。<.br>
だが、周りを巻き込むのは冗談じゃない。乗客、その家族、親しい友人。そして、軍部。此処で当て嵌まるのは、東方司令部とエドワードとハボック。
一応、非番になる今日。だからといって、この場を見過ごせば、問題視されていい降格の理由を作ってしまうだけだ。
特にエドワード・エルリックは。
エドワードとハボックは同時に溜息をついた。それに気付いて互いが顔を向かい合わせれば、やはり苦笑いを映しあい。
「いい迷惑」
と、同時に零したのだった。
ハボックは、苦笑するエドワードの顔を前にして思う。
本当のことを云えば、エドワードが無事平穏に暮らせればそれでいい。軍に在籍する限りは難しいけれど。昔とは違い、よく笑ってくれるように。今が続けば。(叶うならば、誰が、何百人死ぬ結果となっても構わない)
だから、彼女に害をなす存在を赦すわけにはいかない。
馬鹿みたいに、危険ごとに首を突っ込み、命を顧みない(犠牲になるのは自分の特権だと思っている)。周りの部下のハボックたちには心臓に悪いなんてもんじゃない。一体何度、この鼓動が凍りついたことか。肺を圧迫され、呼吸を奪われたか。
なのに。
「じゃあ、ハボックは後ろの車両頼むな」
そんな言葉を、事も無げに言う。
車両の数は七つ。
所在地は三つ目。後ろに四つ。前に二つと一等車両、機関室。
後ろ、と云うのだから、前には誰か行くのだろう。流れからしてそれはエドワードを指している。
数で云うならば、ハボックの方が危険だ。
だが、本当に危険なのはエドワードだ。狭い機関室と、テログループの頭格がいる一等車両の難所を二つも引き受けるのだから。
「不満?仕方がないな。一般車両全部くれてやるから。
こういうのは即刻解決したほうがいい。長引けば危険が多い。ならば別行動が一番いいのだとわかっているだろう?お前は一般車両。俺は一等車両と機関室。
危険ごとは上官である俺の役目。部下にむざむざ危険なことはさせない」
金髪の上官は一息に捲くし立て、反論を許さなかった。最後に命令だ、などと云われれば最早ハボックにできるのは諾と頷くだけだ。
どれ程不満があったとしても。
「我儘は、上司の特権なんだ」
朗らかに笑う彼女は、じゃあと言葉を続けた。
「じゃあ、生きていろよ?」
まるで、イタズラガキのように笑って云うから。
「貴女は怪我をしないでくださいよ」
ハボックの半ば祈りにも似た言葉に、返ってくる言葉はなかった。
ただ、柔らかく微笑んだ彼女とは其処で別れた。
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