尾鷲 須賀利
港へ続く路地


先日掲載した尾鷲市須賀利の集落でのスケッチ。集落の端、山の斜面にある普済寺の石段をおりると、数軒の民家の間の細い路地を通って港に出ます。強い陽射しが海をエメラルド色に染め、暑いけれどスカッとさせてくれる風景です。
                                           
美山町の茅葺民家

3京都府の美山町の茅葺の里は、由良川に沿って250棟もの茅葺の民家が残っていて、地元の人々が、伝統を守っています。便利な生活、流行を追いかける生活と、心の豊かさを大切にする生活の折り合いをつけるのは、なかなか難しいことですが、地元の方々の努力によって、日本の原風景ともいえる美しい里がいまも息づいているのです。

安田泰幸アート&スケッチ

YASUDA YASUYUKI

水彩画スケッチ紀行

日本の里の四季-1

野良時計 畠中家住宅 高知安芸          ポストカード水彩スケッチ 2009年 120x165mm
二年前の夏、徳島から高知へ海岸沿いを旅した時のスケッチの5枚目。高知県安芸市へ行き、野良時計を描いた。このあたり安芸市土居には、江戸時代に形づくられた武家屋敷の集落「土居廓中」があり、観光客も多い。野良時計の畠中家も全国的に有名になり、近くには観光バスもとまれるりっぱな公営の駐車場や休憩所もできている。20年ほど前に訪れたときに較べ、建物も手を入れられたのか、こころなしかきれいになっているような・・・。ここを訪れる観光客への配慮からか、前の畑にはきれいに花も植えられていた。  2011/7/29記
    
四万十川
深木の沈下橋


猛暑日が続きますので、涼しそうな風景を掲載します。現在は四万十市となっている中村の市街から四万十川を少しさかのぼったところにかかる三里沈下橋です。深木の沈下橋と呼ばれています。増水時には水面下に沈み、流されないよう欄干がありません。このような橋は全国各地にあるようですが、徳島の吉野川では潜水橋、高知の四万十川では沈下橋といいます。読み方はちんかばし。四万十川には50〜60ほどの大小の沈下橋が残っていて、高知県では、生活文化遺産として保存する方針がとられています。深木の沈下橋は長さ145m、幅は3.3m。真っ青な四万十川がゆったり流れる、のどかな風景を描くのは最高の気分です。
2010/7/27記

水彩スケッチ 「内子町河内の屋根付き橋 田丸橋」 2004年 166 x 242 mm  

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大阪枚方穂谷 初秋の棚田          水彩スケッチ  2011年 サイズ165x242mm 
カルチャーハウス香里ヶ丘の「安田泰幸スケッチ教室土曜クラス」の9月は、収穫前の棚田を描きに、枚方の穂谷に出かけた。初秋の9月といっても、日中は30度を越え、陽射しは真夏のように強い。棚田の間の道をたどり、最上段に近い森の陰から、棚田を見降ろすようなアングルで描くことにした。黄色がかった緑の田んぼのパッチワークが美しい。手前の雑草の間から見える田、その向こうに市街地と北摂の山山、そしてはるかかなたにかすむ比叡山を入れた構図がおもしろい。約2時間、近くには店もなく、カルチャーハウスのスタッフが持参してくれたポット入りのアイスコーヒーをいただきながらその場で講評会。終わった頃、傾きかけた太陽の光に棚田はこがね色に輝き、秋を感じさせる。日本の里100選。 2011/10/9記 

ポストカード水彩スケッチ  「神戸北区淡河 北僧尾農村歌舞伎舞台」 2005年 122 x 167 mm  

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馬路村相名 A          ポストカード水彩スケッチ  2009年  120mmx165mm
昨日掲載した高知県馬路村相名地区で描いた2枚目。画面の上下中央の木が繁っているところは川が流れている。ちょうど川に沿ってたにになっており、ときおり吹く風で田んぼの青い稲がさわさわと波打つ。静かな里の気持ちのよいスケッチであった。             
 
           
伊根

冬の伊根の舟屋を描いたものです。海の色は強さを出すため、黒い鉛色にしました。形は鉛筆ではなく、チャコール鉛筆を使いました。
2010/12/8記







                       12月8日から開かれる
「第2回水の会展」(阪神梅田本店)に展示
                                           

水彩スケッチ 「伊根」 

北僧尾農村舞台
神戸北区淡河


神戸市北区に農村歌舞伎の
舞台がいくつか残っている。
北僧尾の厳島神社のものは、
保存状態がよく、舞台の特徴が
よくわかる、スケッチに行ったときは、
とじまりしてあったが、前面に
「バッタリ」という横板があり、
芝居が演じられるときはせり出した
舞台の一部になるのであろう。
右橋の出窓のようなものは、
「チョボ床」呼ばれるもので、太夫や
三味線が座り芝居にあわせ演奏した。
日本最古の農村舞台とされ、
兵庫県指定有形民俗文化財。

箱木千年家
神戸北区山田


六甲山を越えて神戸の北区に
いくと、里の風景が広がる。
市の中心からたいして離れていない
山田地区に日本でも最古とおもわれる
住宅建築の一つが残っている。
江戸時代の書物に、奈良時代に
建てられたと書かれており、
「千年家」と呼ばれてきた。
近年実際に調査した結果、
室町時代後期の建築と推定されている。
箱木家は地元の庄屋を務めた家で、
昭和の終わりの頃まで、実際に住まい
として使われていた。
国の重要文化財。、

屋根付き橋 田丸橋
内子町河内


愛媛県の内子町の町から
山あいに入ると、のどかな山里の
風景が広がっている。
旧満穂村の麓川にかかる
屋根付きの橋「田丸橋」は、
山で焼いた炭を出荷する際の
倉庫代わりに使われたり、
野良仕事の合い間に村人が
集うのに使われたという。
うららかな春の午後、
ちょうど菜の花が満開で、
川原が花でおおわれいた。

この絵は2004年の
全国建設研修センター発行の
広報誌「国づくりと研修」の
表紙に使われたもの。
大阪交野市寺の棚田 初秋          水彩スケッチ  2011年   165x120mm
カルチャーハウス香里ヶ丘の月曜日クラスは交野市の寺地区の棚田を描きに行った。このあたりは比較的市街地に近いにもかかわらず、ちゃんとした里山が残っている。細い道を山に向かっていくと、車が脱輪しそうな道を経て、住吉神社という小さな祠に着く。みのりの季節をひかえ、黄緑色のじゅうたんを幾重にも敷き詰めたような棚田の風景に出会える。まだ夏の強い陽射しの中、神社の木陰から受講されている方々と描いた。  2011/11/11記
砺波平野 散居村          水彩スケッチ  2009年 ポストカードサイズ124x159mm
いま、神戸のギャラリーで開催中の個展の案内ハガキに掲載しているスケッチの1枚。2年前日本の里の風景を求めて旅したときのスケッチ。散居村の風景を望めるポイントがいくつかあり、そのうちの一つ閑乗寺高原の展望台から描いたもの。風景がワイド過ぎて、当然ハガキサイズの紙にはおさまらず、紙を継ぎ足して描いた。刈り入れ前の黄緑色の田がまぶしい。個展で展示中。 2011/10/6記

南部の曲家 民家集落博物館 大阪服部緑地          水彩スケッチ 2011年
5月の街・旅・絵日記講座は大阪豊中市にある服部緑地の民家集落博物館で行った。前の日から雨。当日の朝もどしゃ降り。ネットの天気予報の午後からの降水確率にかすかな期待をして、決行することに。雨でも描けるよう、博物館の部屋を有料で借りることにした。昼、自由参加の昼食の待ち合わせ時間になっても雨はやまない。昼食は緑地公園駅そばの「Cafe La Zucca」。雨のことは置いといて楽しく、前菜とパスタのランチ。1時間後博物館へ。歩いている途中、雨が上がったような…。博物館前で参加予定の全員が集合。大雨でも来てくださる熱心な方々に感謝。中に入って順番に展示民家を見学。最初に全員で南部地方の曲家を描いた。描いている途中で晴れてきた。  2011/8/7記
    
                      
              
馬路村相名          水彩スケッチ  2009年  157mmx203mm
パナソニック電工の2011年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉-情熱」の6月は、高知県馬路村の里山風景をスケッチしたもの。村の相名地区は「日本の里100選」に選ばれている。山の中の真っ青な棚田と柚子畑が美しい。高台の畑からスケッチしていると、畑仕事に出てこられた持ち主の男性が村のことをいろいろ話してくださった。かつては森林で栄えたこと。近年柚子を村の産業に育て成功していること。それによって秘境のような山奥の村でありながら働き口が確保でき、他の村のような深刻な過疎化から免れていることなど・・・。聞けば職をリタイアしたばかりだとのこと。その場から電話して役場の広報担当者を呼ばれた。描き終わって腰をあげると、近くのトマトときゅうりをもいで、冷たい水で冷やして食べるとうまいよと、もたせてくださった。  2011/6/27記             
■パナソニック電工2011年卓上カレンダー「松下幸之助の言葉-情熱」6月に掲載

            
須賀利の家並み 尾鷲            水彩スケッチ 「須賀利の家並み 尾鷲」 2009年 (157x203mm) 
関西経済連合会発行の「経済人」8月号表紙「スケッチ紀行歴史を歩く¥は、三重県の尾鷲市を描きました。尾鷲市の飛び地、須賀利は、以前にもご紹介したように、かつての「陸の孤島」。古いいいたたずまいの家並みが残されています。戸口を出れば、すぐ向いや隣の家の戸口。人と人とが肩寄せて暮らしている様子が、町並みに温もりを添えています。ここは朝日新聞社と財団法人森林文化協会が選定した「にほんの里100選」に選ばれています。 2010/8/15記
■関西経済連合会刊「経済人」 2010年8月号表紙に掲載

ポストカード水彩スケッチ 「須賀利 港へ続く路地 尾鷲」 2009年 (165x120mm)

 月ヶ瀬 桃香野           ポストカード水彩スケッチ  1999年 128x172mm  
年末からずっと冬らしい寒い日が続いています。まだ春は遠いのでしょうか。奈良県と京都府の境にある月ヶ瀬は五月川の渓谷の両側に茶畑や梅林が広がる山里です。梅林は、13世紀の初め、この地の真福寺に天神社を建てるとき、菅原道真が好きな梅の木を植えたのがはじまりといわれています。南北朝時代、後醍醐天皇が笠置に落ちのびた際、おつきの女官によって、紅染めに使う烏梅(うばい)の製法が伝わり、烏梅の産地となりました。月ヶ瀬梅渓は大正時代、国が指定した日本最初の名勝の一つです。2月の中旬になれば梅まつりが始まります。2011/1/14記
■近畿地区信用金庫協会発行 「いこい」 2010年冬号表紙に掲載                                                               

水彩スケッチ 「四万十川 深木の沈下橋」 2005年 (120x165mm)

大阪能勢 長谷
緑の棚田


昨日ご紹介した日立造船の2010年カレンダーの5,6月のページに使用した大阪府能勢町長谷の棚田の絵は、このスケッチを元に制作しました。画面中央右上寄りのいくつかの民家が集まっているところが、長谷の集落に入ってくる道です。そこから坂道を登るのですが、かなりの高度差です。この絵を描いたあたりは集落の最も上の斜面に囲まれた狭い土地で、手入れされた三日月形の田が何枚も重なるすばらしい景色が眼下に広がります。苦労して登ってきた甲斐がありました。

水彩スケッチ 「大阪能勢 長谷の棚田」 2009年 157x204 mm  

ポストカード水彩スケッチ 「美山町の茅葺民家」 2004年 120 x 166 mm  

丹生漁港
福井美浜町


若狭湾に面した敦賀半島の
丹生という漁港のしぐれ模様。
入江にイカ釣り漁船だろうか、
集魚灯をつるした漁船が
静かに停泊しる。

水彩スケッチ 「忍野村から雪の富士山」 2010年パナソニック電工卓上カレンダー1月所収 120x165mm  

ポストカード水彩スケッチ  「神戸北区山田 箱木千年家」 2005年 120 x 158 mm  

ポストカード水彩スケッチ  「若狭 丹生漁港」 1998年 135 x 183 mm  

「日向椎葉の民家 旧椎葉彦蔵家住宅 大阪服部緑地」 2009/11 120x165mm

「信濃秋山の民家 旧山田芳浩家住宅 大阪服部緑地」 2009/11 120x165mm

「摂津能勢の民家 旧泉龍三家住宅 大阪服部緑地」 2009/11 120x165mm