YASUDA YASUYUKI

水彩画スケッチ紀行

安田泰幸アート&スケッチ

神戸街ものがたり                                        No.4

人と防災未来センター 神戸    2004年 水彩スケッチ ポストカードサイズ120x155 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。6点目は阪神大震災後に新しく作られた街・HAT神戸に建てられた、阪神・淡路大震災記念-人と防災未来センターを描いたスケッチ。震災の経験をもとに、防災に取り組み、人の命の尊さを世界に発信しようという目的で設けられた。震災の資料の収集や展示、防災に関する研究などの活動を行っている。何層ものガラス張りの外壁には阪神大震災が起こった1995年1月17日の文字や発生した時刻などがデザインしてある。水彩画で描くには難しい建物である。発生から17年、阪神大震災は遠い過去になりつつあり、いま、東日本大震災の復興が注目を集めている。  2012/6/30記              
■関西経済連合会発行「経済人」2012年5月号表紙に掲載
                                                         

神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ    2012年 水彩スケッチ ポストカードサイズ100x150 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。5点目は王子公園の動物園。現在、王子動物園にはメスのパンダ旦旦がいる。当初はオスの興興と2頭いたが、2010年秋に亡くなった。  2012/6/27記              

旧ジェームス住宅 神戸塩屋ジェームス山       水彩スケッチ 2012年  180x265 mm
11日夕方、阪神百貨店へ搬入。明日から第3回水の会展「私的風景遺産」が始まる。
上のスケッチは、神戸塩屋のジェームス山にある、堂々たる洋館。大正、昭和にかけて、神戸で貿易商として成功したイギリス人A.W.ジェームスが建てた自邸で、彼はこのジェームス山に外国人専用の立派な住宅を50戸ほどつくり、ジェームス山を外人が住む町にした。彼の死後、三洋電機の創業家の所有となり、その後、創業者の故郷淡路島が見えることから、望淡閣と名づけられた。  2012/9/11記

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神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ    2012年 水彩スケッチ ポストカードサイズ100x150 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。5点目は王子公園の動物園。現在、王子動物園にはメスのパンダ旦旦がいる。今日みたいに蒸し暑い日はぐたーと、気持ちいいやろね。  2012/6/28記              

ジャイアントパンダ 旦旦 神戸市立王子動物園   2012年 水彩スケッチ ポストカードサイズ100x150 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。5点目は神戸海星女子学院から坂を下って東に行ったところにある王子公園の動物園。かつて諏訪山公園にあった動物園が、1952年にこの地に移り開園した。現在約140種、約800の動物たちが飼育されている。なかでもこどもたちに人気のあるのがこのパンダ。  2012/6/26記                                  
■関西経済連合会刊「経済人」2012年5月号表紙に掲載 

神戸海星女子学院           2012年  水彩スケッチ  ポストカードサイズ 120x165 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。4点目は王子公園の上にある神戸海星女子学院。ローマカトリックのマリアの宣教者フランシスコ修道会の学校で、小学校から大学まで同じ敷地にある。少人数での授業や英語教育で知られる。また、制服は伝統的な紺の吊りスカートと一つボタンのブレザーで、小学校から高校まで同じデザインというのはめずらしいらしい。卒業者に元ファーストレディがいて、一時話題になった。坂の下から見上げた校舎の上のマリア像が何とも優しく印象的で、神戸らしいエキゾチックな学校である。  2012/6/25記                    
■関西経済連合会刊「経済人」2012年5月号表紙に掲載 
      

兵庫県立神戸高校           2012年  水彩スケッチ  ポストカードサイズ 120x165 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。3点目は兵庫県立神戸高校。1889年創立の神戸一中と、県一高女が戦後間もなくの頃に合併した。出身者に、白洲次郎や、井深大、村上春樹など多彩な人物がいる。阪神大震災後、校舎の建て替えが行われたが、西洋の城のようなデザインのクラシックな玄関棟は残された。玄関のアーチをくぐって中に入ると、正面に左右に分かれる大階段がある。以前、文化祭を見に来たとき、この階段のホールで、音楽部の生徒がヴァイオリンなど、弦楽器の演奏をしていたが、その演奏と雰囲気に思わずうっとりとしたのを思い出す。 2012/6/22記                         
■関西経済連合会刊「経済人」2012年5月号表紙に掲載 
                 

紅塵荘 神戸           2012年  水彩スケッチ  ポストカードサイズ 120x165 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。昨日掲載した、池長孟が南蛮美術のコレクションをおさめた旧池長美術館と同じ時期に建てられた彼の邸宅が近くに残っている。靄にかすむ海に面した阪神間の街を望むところから「紅塵荘」と名づけられた邸宅は、大学卒のサラリーマンの月給が50円ほどだった当時、16万円をかけて建てられたという。設計は池長美術館と同じ小川安一郎。映画評論家の淀川長治の姉富子を妻に迎え、彼女の希望で大きなダンスホールまでつくらせたとか。建物は現在、病院の一部として使用されている。夕方、引きのない狭い道をはさんだ、向かいの病院の壁にへばりついてスケッチしていたら、白衣の医師が出てこられて、しばらくこの邸とこのあたりの街について話されたあと、この建物を案内してくださった。時を経た豪華な意匠は家産を傾けてまで芸術や華やかな文化を愛した池長の一代の想いがこもっているようであった。  2012/6/21記            
■関西経済連合会刊「経済人」2012年5月号表紙に掲載 ■著書「神戸街角ものがたり」に所収
                   

旧南蛮美術館 神戸市文書館           2012年  水彩スケッチ  ポストカードサイズ 120x165 mm
関西経済連合会発行の「経済人」5月号は、神戸の灘・葺合をとりあげた。新神戸駅から東に少し行くと、窓のグリルに南蛮船をかたどった装飾がある近代建築がある。神戸の資産家池永孟が蒐集した、江戸時代の南蛮美術のコレクションを展示するため、昭和のはじめに建てられた私設の池永美術館である。彼は家財を傾け、4,500点もの美術品を集めた。南蛮船を描いた「南蛮屏風」や、教科書でおなじみの「ザビエル像」、江戸時代に描かれた世界地図や織田信長像など、数多くの国の重要文化財も含まれている。戦後、これらのコレクションと美術館は神戸市に寄贈され、市立南蛮美術館として使用されていたが、現在、コレクションは神戸市立博物館へ収められ、建物は神戸市文書館になっている。建物の設計は小川安一郎。青ざめたタイルのアールデコ調のデザインが魅力的な歴史的建造物である。  2012/6/18記

■関西経済連合会刊「経済人」2012年5月号表紙に掲載

神戸 岡本梅林公園           2011年  水彩スケッチ   165x240 mm
3月の朝日カルチャー絵ハガキスケッチ講座は、谷崎潤一郎が気に入って住んでいた神戸の高級住宅地、岡本にある岡本梅林公園で早春の梅を描いた。岡本の梅林といえば江戸時代から梅の名所として有名であったらしいが、昭和の初めの阪神大水害や戦災、戦後の宅地開発などで、梅林は姿を消していた。最近、住民の努力で公園が復活整備されたという。前日まで雨がつづく天候であったが、当日、予報で降水確率40%を切ったため、講座を決行。現地へ行ってみると、公園そのものがまだ新しく、梅の木も種類は豊富だが、若い木がほとんどで、梅らしい枝ぶりの古木はあまりない。今年は3月になっても真冬のように寒い日が続いたせいか、開花もおくれている。なんとか咲いている木の前でスケッチを始めたが、俄かに空が黒い雲でおおわれ、雪が激しく降ってきて、あっと言う間にスケッチブックの上にうっすら積もった。スケッチどころではなく、あずまやに避難。中途半端な講座となった。  2012/6/17記                              

神戸 乙仲通の店 HENRY BEGUELIN       水彩  ポストカード  2012年 120 x 165 o  
1月の街・旅・絵日記講座は神戸の乙仲通と栄町通のあたりを歩きスケッチした。乙仲通りにある、バッグやベルトを中心にした、レザーファッションのブランドショップ、エンリー・ベグリン。かつては船舶関係の会社のオフィスだったと思われる味のある建物をスタイリッシュにリノベーションしている。この建物を描く人も何人かいた。 2012/3/26記
■著書「神戸街角ものがたり」に所収
    
神戸 乙仲通 長屋のショップ        水彩  ポストカード  2012年 120 x 165 o 部分
1月の街・旅・絵日記講座は神戸の乙仲通と栄町通のあたりを歩きスケッチした。午後1時の集合後、まず乙仲通りを、みんなで少し歩いて、思い思いに気に入った街角を描いてもらうことに。今神戸で人気のケーキショップ、裏路地のジーンズショップの凝った店、カフェの看板、回漕店の事務所を改装したようなブティックなどがモチーフになった。それぞれ描いておられるところをのぞいて、アドバイスしながら、自分でも描いたのが、この木造の長屋のショップ。原画をちょっと拡大してみた。  2012/3/23記
神戸 栄町通 旧第一銀行神戸支店        水彩  ポストカード  2012年 142 x 192 o 
1月の街・旅・絵日記講座は神戸の乙仲通と栄町通のあたりを歩きスケッチした。以前「経済人」2月号をここで紹介したが、同じ乙仲通と栄町通であった。「経済人」の入稿のほうが早かったので、絵日記講座でスケッチした作品は使えなかった。この建物は地下鉄海岸線のみなと元町駅の出入口になっている。1908年に第一銀行神戸支店として建てられた煉瓦建築で、のちに大林組神戸支店になり、やがて阪神大震災で被災。屋根が落ち、建物の壁の大半も崩れた。その後残った壁を補強し、海岸線の開業にあわせ、駅の出入口に利用されることになった。講座のためにタッチを変え、チャコール鉛筆を使って描いてみた。 2012/3/22記
         
神戸相生町 ファミリア       ポストカード 水彩    2004年 120 x 165 o 
関西経済連合会発行の「経済人」2012年2月号-スケッチ紀行・歴史を歩く-は神戸栄町通・乙仲通をとりあげた。栄町通を西へ、JRの神戸駅方面に向かうと古く、厳めしい造りのビルがある。ここに本社がある子ども服のファミリアが所有するホールであるが、元は旧三菱銀行神戸支店として、1900年に建てられた。それより8年前、お雇い外国人として日本の近代建築史に大きな足跡を残したJ.コンドルとともに東京丸の内に三菱1号館(最近美術館として建てられた三菱1号館はそのレプリカ)を建て、以後7号館まで設計に携わり、中條精一郎とともに重要文化財の慶應義塾大学図書館の設計にもかかわった曾禰達蔵の設計になる歴史的建造物である。いま、この建物の歴史的な意味を知る人も少ない。  2012/2/25記
■関西経済連合会発行「経済人」2012年2月号表紙に掲載   
■著書「神戸街角ものがたり」に所収
             
神戸乙仲通 雑貨やファッションの店が入る長屋       ポストカード 水彩    2010年 120 x 165 o 
関西経済連合会発行の「経済人」2012年2月号-スケッチ紀行・歴史を歩く-は神戸栄町通・乙仲通をとりあげた。栄町通から1本海側の細い道路が乙仲通。乙仲とは定期船の貨物の取扱いを行う乙種仲立業を縮めたもので、かつてこの通りにたくさんの乙仲の店や会社があった。昨今コンテナなど港湾荷役の変化で、港相手の会社が少なくなり、それらの店や会社の建物がレトロで手ごろな大きさ、家賃ということで、若い人が手がける高感度な店が集まっている。この絵の木造モルタル塗りの長屋も、以前は事務所が入っていたのだろうか。いま、おしゃれな雑貨やファッションの店がはいっていて、個性的な若い人が出入りしている。神戸のハイカラな雰囲気もあって、この通りをぶらぶらするだけでも楽しい。  2012/2/23記

■関西経済連合会発行「経済人」2012年2月号表紙に掲載   
■著書「神戸街角ものがたり」に所収

                                                
神戸栄町通 地下鉄みなと元町駅出入口       ポストカード 水彩    2011年 120 x 165 o 
関西経済連合会発行の「経済人」2012年2月号-スケッチ紀行・歴史を歩く-は神戸栄町通・乙仲通をとりあげた。このあたりは旧外国人居留地に隣接し、貿易会社や銀行が軒を連ね、大神戸と呼ばれた頃の、神戸のビジネス街であった。大正時代、一時日本のGNPの1割を売上げ、三井・三菱をしのいだ商社鈴木商店もこの近くにあった。この栄町通の中ほどに煉瓦の建物がある。1908年、東京駅や日本銀行本店の設計で知られる辰野金吾の設計で、第一銀行の神戸支店として建てられた。のちに大林組の神戸支店になり、阪神大震災で被災。残った外壁だけを補強し、地下鉄海岸線のみなと元町駅の地上の出入口として利用、保存されている。かつて日本が、産業や経済で、世界に追いつこうと懸命になっていた頃を見つめてきた建物である。 2012/2/22記
関西経済連合会発行「経済人」2012年2月号表紙に掲載