福沢桃介記念館
長野県南木曽町


福沢桃介が読書発電所の建設など、木曽川水系の電源開発を進める際、現地での拠点として、1919年大正8年、別荘を建てました。ここで、アメリカや、パリで人気を博し日本の女優第1号となって、帰国後川上音二郎と死別した川上貞奴と一緒に暮らし、建設の現場を視察したり、政財界人や外国人技師を招いて宴を催したりしたといいます。貞奴とは慶応の学生時代に恋をし、長年離れていたあと結ばれたようで、赤いバイクに乗って現れる貞奴と一緒に現場を視察したり、二人の仲睦まじいようすは評判だったそうです。ちなみにこの二人の恋はNHKの大河ドラマにもなりました。現在、別荘は福沢桃介記念館として公開され、中には桃介と貞奴の写真なども展示されています。2010/8/12記



全国建設研修センター刊
「国づくりと研修」2009年夏号
裏表紙に掲載

YASUDA YASUYUKI

水彩画スケッチ紀行

水彩スケッチ 「桃介橋 長野県南木曽町」 2009年 (157x203mm)

安田泰幸アート&スケッチ

中部北陸スケッチ旅行

桃介橋
木曽川河原から
長野県南木曽町


長野県南木曽町の妻籠宿から、ほど遠くない木曽川にかかる桃介橋という木造橋桁の吊り橋です。桃介というのは、福沢諭吉の養子で日本の電力王といわれた福沢桃介のことです。彼は株の売買で得た資金をもとに、木曽川水系のにつぎつぎにダムを築き発電所をつくって、日本の近代化に貢献したといわれています。橋は長さ247m。洗練されたデザインの3つの主塔で支えられ、まん中の主塔からは河原へおりる階段が設けられています。木曽の山々に囲まれた、橋を渡ると、風が心地よく、爽快です。2010/8/9記



                        
パナソニック電工2010年
  卓上カレンダーに掲載
三島 源兵衛川         水彩スケッチ  2010年 164x234mm 
全国建設研修センター発行の「国づくりと研修」128号の表紙では、特集記事「新しい公共」に合わせ、静岡県三島市の源兵衛川を描かせていただきました。昨年の秋、新幹線の三島駅に降り立ち、川を歩きました。三島駅前の楽寿園にある小浜池に湧き出る富士山の伏流水は南に流れ、中郷温水池まで1.5kmの変化のあるせせらぎが続きます。高度成長時代に極度に悪化し、ゴミの川といわれた環境を、市民が提唱した運動によって、みごとによみがえらせました。川の上や岸辺を縫うように散歩道が続き、気持ちのよい街なかの水辺空間となっています。上のスケッチは、小浜池から流れ出た源兵衛川の浜降りデッキです。散歩道はここからはじまります。2011/3/19記
                                                                  
桃介橋
長野県南木曽町


福沢桃介は、慶応義塾で福沢諭吉に見込まれ、婿養子となり、アメリカ留学後、病気療養中に株取引で得た資金で、実業界に進出し、20世紀の初め木曽川水系の開発に乗り出します。賤母(しずも)、大桑などいくつもの発電所を建設し、のちに関西電力となる大同電力を設立します。そして1923年、南木曽町に読書発電所が完成しますが、桃介橋はこの読書発電所建設のためにかけられた吊橋で、長さ247m、当時東洋一といわれていました。現在は国の重要文化財に指定されています。2010/8/10記


全国建設研修センター刊
 「国づくりと研修」2009年夏号
 表紙に掲載

水彩スケッチ 「桃介橋 長野県南木曽町」 2009年 (157x203mm)

水彩スケッチ 「桃介橋 木曽川河原から 長野県南木曽町」 2009年 (157x203mm)

富山 富岩運河
中島閘門 上流から


富山駅から出ているポートラムの越中中島駅の近くにある富岩運河の中島閘門を上流から見た景観です(川ではないので上流とは言わないでしょうが…)。閘門の扉の向こうが水を出し入れして水位を調節する閘室です。その向こうに閘門操作所の小さな建物が見えます。安価な陸上交通が発達してしまった現在は使われることも少なくなったことでしょう。
国の重要文化財


切支丹燈籠 丸岡町円光寺境内          水彩スケッチ  2011年 ポストカードサイズ100x148mm
関西経済連合会発行の「経済人」10月号は福井県の丸岡。5枚目は切支丹燈籠。丸岡城そばの円光寺の境内にひっそりとたたずんでいる。キリシタン大名であった有馬氏が丸岡藩主として入封した際、何者かがもんちこんだとされている。石の胴に彫られた観音の姿をしたマリア像がかすかに残っている。 2011/10/15記 
      
関西経済連合会発行の「経済人」10月号表紙に掲載  

富山 富岩運河
中島閘門 


富山駅から出ているポートラムの越中中島駅の近くに、富岩運河の中島閘門があります。この水閘施設は、昭和の初め、立山をひかえた富山の豊富な電力を使用して、内陸部に工業地帯を形成することになり、水運を利用するために建設されたものだそうです。水位の低い海から来た船を。閘門の片方の扉を開いて入れ、いったん扉を閉じて水を注ぎ、内陸部の高い水位と同じになればもう片方の扉を開き、船は内陸部へ進むことができます。運河の延長は5.1km。200tの船が通航可能になり、富山市の発展に寄与しました。昭和の土木構造物として、全国で初めて国の重要文化財に指定されました。



                        
財団法人全国建設研修センター刊
「国づくりと研修」127号裏表紙に掲載
     
                   

龍ヶ鼻ダム 丸岡町上竹田          水彩スケッチ  2011年 ポストカードサイズ120x165mm
関西経済連合会発行の「経済人」10月号は福井県の丸岡。現在は坂井市に含まれている。丸岡町の中心地から東の山あいに九頭竜川水系の竹田川が流れている。その上流に高さ約80mの重力式コンクリートダムがある。治水や利水のための多目的ダムで、1968年に着工し、1988年に竣工した。はるか昔、このあたりにこのあたりに立派な龍が棲んでいて、よくこの川の湖で遊び、舞っていたという龍神伝説が残っている。 2011/10/14記       

関西経済連合会発行の「経済人」10月号表紙に掲載  

富山 岩瀬
旧北國街道の町並み
森家住宅



富山駅からポートラムの終点岩瀬浜で下車して7,8分歩くと、古い民家が軒を連ねる町並みに出ます。岩瀬の大町通りは、旧北國街道の一部で、北前船で栄えた回船問屋の屋敷が残っています。スムシコと呼ばれる出格子を備えた岩瀬独特の商家は、雪国の家だからでしょうか、一階よりも二階のほうの屋根が長くせり出し、うだつをあげた構えは重厚でいかめしく感じられます。絵の森家住宅は国の重要文化財に指定されています。




財団法人全国建設研修センター刊
「国づくりと研修」127号裏表紙に掲載
                                                     

富山ライトレール
ポートラム 
岩瀬浜駅で


富山駅北から岩瀬浜まで、7,6kmを走るポートラムは、コンパクトでスマートなデザインの2両編成。環境にやさしいまちづくりに取り組む富山市の象徴です。終点岩瀬浜でスケッチしたものです。車体の床の高さは30cm。日本一段差の少ないバリアフリー車両で、静かで騒音も少なく、軌道も芝生化されているところもあります。ヨーロッパの古い都市では車の市内乗り入れを規制し、市民が安全で、便利で、静かで、二酸化炭素を出さない路面電車を利用する風景が定着しつつあります。高度成長時代に路面電車をなくしてしまった日本の多くの都市も、考えなければなりません。
                          財団法人全国建設研修センター刊
「国づくりと研修」127号裏表紙に掲載
 
                                                    

坪川家住宅 丸岡町上竹田          水彩スケッチ  2011年 ポストカードサイズ120x165mm
関西経済連合会発行の「経済人」10月号は福井県の丸岡。現在は坂井市に含まれている。丸岡町の中心地から東の山あいに入ると竹田という地区がある。油揚げが名物で、山の中に一軒あるお店の油揚げ定食は大人気なんだそうだが、昼食は越前おろしそばを食べたので、またいずれかの機会に。それはさておき、この山里に豪勢な茅葺民家が残っている。700年前から続く坪川家。その祖先は北面の武士だったとかで、格式の高い家である。福井県下最古の民家で「千古の家」と呼ばれている。国の重要文化財。屋根のフォルムが美しい。  2011/10/12記        

関西経済連合会発行の「経済人」10月号表紙に掲載  

ポストカード水彩スケッチ 「富山ライトレール ポートラム 岩瀬浜駅で」 2010年 (120x165mm)

掛川城太鼓櫓

静岡県の掛川城を訪れたときのスケッチです。掛川城は室町時代に駿河の守護大名今川氏が家臣の朝比奈氏に命じて築かせたのがはじまりといわれています。その後天下統一を果たした豊臣秀吉の命によって、山内一豊が入城し、城を築き直し、城下町を整備しました。江戸時代は多くの譜代大名が入れ替わり、最終的には太田道灌の子孫である太田氏が城主を務めました。幕末の安政東海地震で天守が倒壊し、永らく再建されませんでした。太鼓櫓は残った遺構の一つだそうです。
本丸の桜が満開できれいでしたが、咲いては散るは、長い歴史の栄枯盛衰を眺めてきたのでしょうか。

水彩スケッチ 「松本城」 2005年 159x204mm

松本城
長野松本




















「国づくりと研修」2005年春号表紙

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丸岡城の見える田         水彩スケッチ  2011年 ポストカードサイズ100x1485mm
関西経済連合会発行の「経済人」10月号表紙の「スケッチ紀行・歴史を歩く」で福井県の丸岡を訪れた。千古の家や龍ヶ鼻ダムをスケッチしたあと、丸岡城下にもどる途で、色づき始めた田の向うに丸岡城が見える風景に出合った。午後の長閑な田園風景に心和むようで、ハガキサイズの紙片を取り出して描いてみた。       
                               
丸岡城天守 福井県坂井市丸岡          水彩スケッチ  2011年 ポストカードサイズ120x165mm
関西経済連合会発行の「経済人」10月号は福井県の丸岡。現在は坂井市に含まれている。丸岡城は戦後の福井地震で古い町並が失われた丸岡のランドマーク。安土桃山時代に柴田勝家の甥・柴田勝豊が築いたもので、日本に現存する天守の中で最も古く、屋根はめずらしい石瓦葺き。別名霞ヶ城とよばれ、国の重要文化財。日本一短い手紙といわれる「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」のお仙は、のちの丸岡藩主本多成重のこととか。ちょうどお盆の時期に出かけたが、炎天下でのスケッチは暑かった。 2011/10/10記 
       
関西経済連合会発行の「経済人」10月号表紙に掲載  

三島 中郷温水池         水彩スケッチ  2010年 164x238mm
全国建設研修センター発行の「国づくりと研修」128号は、静岡県三島市の源兵衛川を描かせていただきました。裏表紙には3点のスケッチが掲載されていますが、そのうちの1点がこの中郷温水池のスケッチです。三島駅前の楽寿園から湧き出た富士山の伏流水が源兵衛川となって南に流れ、1.5km先のこの池に行きつきます。農業用水に利用するために冷たい湧水を温める池です。源兵衛川の遊歩道はここで池を周遊します。静かな水面に水鳥が遊び、富士山を望む市民の憩いの場になっているようです。2011/3/25記
                                                                  

ポストカード水彩スケッチ 「福沢桃介記念館 長野県南木曽町」 2005年 (126x166mm)

水彩スケッチ 「読書発電所 長野県南木曽町」 2009年 (157x203mm)

読書発電所
長野県南木曽町


福沢桃介が木曽川水系の開発に乗り出し、のちに関西電力となる大同電力を設立して、1923年、完成させた読書発電所のスケッチです。よみかきはつでんしょと読みます。前掲の桃介橋はこの読書発電所建設のためにかけられた吊橋です。この発電所は現在も稼働していて、建物も国の重要文化財に指定されています。2010/08/11記


全国建設研修センター刊
「国づくりと研修」2009年夏号
裏表紙に掲載

水彩スケッチ 「桃介橋 木曽川河原から 長野県南木曽町」 2009年 (157x203mm)

ポストカード水彩スケッチ 「富山 富岩運河 中島閘門 上流から」 2010年 (120x165mm)

ポストカード水彩スケッチ 「富山 富岩運河 中島閘門」 2010年 (120x165mm)

ポストカード水彩スケッチ 「富山岩瀬 旧北國街道の町並み」 2010年 (120x165mm)

富山ライトレール
ポートラム 
岩瀬浜付近


富山駅北から岩瀬浜まで、7,6kmを走るポートラムは、コンパクトでスマートなデザインの2両編成。環境にやさしいまちづくりに取り組む富山市の象徴です。終点岩瀬浜近くの運河では、雪を頂いた立山連峰をバックに颯爽と走ります。スケッチに出かけたのは4月中頃、まだ桜の花もm残っていました。







財団法人全国建設研修センター刊
「国づくりと研修」127号表紙に掲載 
                                                    

新田義貞墓所 称念寺 丸岡町長崎          水彩スケッチ  2011年 ポストカードサイズ120x165mm
関西経済連合会発行の「経済人」10月号は福井県の丸岡。現在は坂井市に含まれている。鎌倉時代の末期、北条氏を討ち、鎌倉幕府を滅ぼした新田義貞は、建武の新政の時代、足利氏と戦い、今の福井で戦死した。丸岡町の長崎にある称念寺の境内にその墓所がある。ひと気のないひっそりとした木立ちに囲まれた墓は無常を感じさせる。  2011/10/11記 
       
関西経済連合会発行の「経済人」10月号表紙に掲載  

水彩スケッチ 「富山ライトレール ポートラム 岩瀬浜付近」 2010年 (165x239mm)

ポストカード水彩スケッチ 「掛川城太鼓櫓」 2006年 120 x 165 mm