シャトー物語読む葡萄酒 その9
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葡萄酒の城
1855年、ナポレオン3世は、パリ万博の目玉として、ボルドー地区の何百とある「シャトー」の格付けを行いました。ここでいう「シャトー」とは、フランス語で城を意味する言葉ですが、フランスの葡萄酒に関しては、オーナーの住居があり、葡萄を栽培し、醸造から葡萄酒製造、出荷まで一貫して行っていることを意味します。
フランスで美しい「シャトー」が多々見られるのはロワール川の流域です。「シュノンソー城」、「アゼルリドー城」等々があります。この「シュノンソー城」では美味しい葡萄酒を造っています。
シャトーの思い出
さて、葡萄酒を造るシャトーは、フランス・ボルドー地区には、沢山存在します。その中でも、「シャトー・マルゴー」はとても美しいシャトーです。この「シャトー・マルゴー」はボルドーの女王とたとえられる、五大シャトーの1つです。この「シャトー」を、1996年に訪問しました。これはその時撮った写真です。
木立に囲まれたとても瀟洒な「シャトー」です。葡萄酒も「シャトー」の外観と同じく、とてもエレガントです。
「シャトー・ペトリュス」はボルドー地区のポムロルに位置します。このシャトーは遅霜にあったとき、ヘリコプターをチャーターし、ヘリコプターの風で霜を吹き飛ばしたとか。グレートヴィンテージのこの葡萄酒は、30年の年月を経て、やっと飲み頃に達します。熟成した「シャトー・ペトリュス」はトリュフの香りがします。ビロードのようななめらかな舌触りで、素晴らしい香りの余韻がいつまでも漂っています。
甘口葡萄酒の最高峰に、「シャトー・ディケム」があります。
「シロン川」の朝靄に包まれた、葡萄の木につく、ボツリヌス菌の作用によって、貴腐葡萄ができます。ロシアの皇帝が争ってこの「シャトー」の葡萄酒を買い求めたそうです。甘口といっても甘くなく、馥郁と上品な香りがいつまでも鼻腔に漂います。