涸沢〜北穂高岳(〜パノラマ・コース) その3
屏風のコル付近から見る穂高連峰

穂高連峰と涸沢
◆【山行日時】 2002年8月12〜16日  
◆【コース・タイム】
□8月16日  晴れのち時々曇り

涸沢=1時間15分=屏風のコル(=15分=賽の河原=13分=)

=1時間25分=奥又出合=1時間=徳沢=45分=明神=45分=上高地・バスターミナル
◆【正味歩行時間】 16時間03分
□     16日 5時間38分
パタゴニア




◆【山行概要】
昨日、北穂山頂で、「明日は悪天に違いない。」
こう思い、ここ涸沢まで下山してきたが、夜中に目を覚まし外に出てみると満天の星空。

大失敗だ。
屏風から北尾根、前穂、奥穂、涸沢岳、北穂と、ぐるーっとスカイラインがくっきり見え、その天空に「これを称して散りばめた」と言う、無数の星たち。赤、青、黄、金、オレンヂ。
「いろんな色の星があるんだ。」

前穂上空にはベルセウス座流星群の数個の名残の流星も。

もちろん、天の川は小さな星をいっぱいちりばめ悠々と流れている。
吊尾根のシルエット
吊尾根のスカイライン
朝が来れば、上空は雲ひとつない上天気。

今日ほど天気を恨んだことは記憶になく、(あ)に申し訳ないのとでなおさらだ。

しかし、北穂沢をいくら見上げてもキレット越しの槍は見えるはずはないのだ。
朝焼け
朝焼け
北穂沢 北穂沢 北穂沢
前穂〜吊尾根 涸沢岳
前穂〜吊尾根 涸沢岳
それなら、
「せめて遠目からでもいいから、とにかく槍を見よう。」
気持ちを切り替えパノラマコースより下山することに決て〜い。
涸沢ヒュッテ下、大きな岩の矢印に従いパノラマコースへ。
屏風のコルに向かい進みだすと、背後には次第に涸沢カールが全容を現すようになり、頻繁にきょろきょろしながら歩く。

左手には、徐々に横尾尾根の上部が見えるようになり、やがてその向こうに待望の槍ヶ岳も見え出す。
涸沢岳、北穂高岳 名残惜しげに振り返る(あ)
パノラマコースを進むと背後に涸沢岳、北穂高岳が大きく聳える 度々振り返り見入る(あ)
横尾尾根上部と槍ヶ岳 南岳、槍ヶ岳
間もなく槍ヶ岳が姿を現すものの・・・
コルまでは小さなアップダウンを繰り返しながら進む。

ルンゼの横断には注意が必要だが、この時期、既に雪渓はほとんどなく、ロープもあるので心強い。

しかし、
「午前中くらいはガスがかからず槍の展望を楽しめると思っていたのに・・・」
残念ながら屏風のコル到着までに槍は見えなくなってしまった。

「とりあえず見えたから、良しとしよう。」
槍ヶ岳 屏風の耳
これが見納め 屏風のコルから、耳(左)と賽の河原
それでも、屏風のコルからの展望は素晴らしく、賽の河原まで足を延ばせば涸沢を取り囲むように穂高連峰と、南岳〜槍ヶ岳までのさらに素晴らしい展望だ。(今回、南岳〜槍ヶ岳間は見えませんでした)

槍の姿がないのが残念だが、穂高連峰の大きさが一際目をひく。

ここまで来れば涸沢のテントも遠くなり小さな点になってしまった。
穂高連峰 涸沢岳
涸沢を取り囲むように穂高の峰々が高さを競う 涸沢岳が一際大きい
対照的に背後(東)には常念〜蝶ののんびりとした稜線。

下に目をやれば、濃い緑の中に梓川の白い河原が走り、徳沢園の屋根がキラリと光る。
お花畑 徳沢を俯瞰
屏風のコル直下のお花畑 お花畑から、慶応尾根の下方に徳沢方面を俯瞰
展望を楽しんだらコルまで戻り、徳沢に向け下る。

しばらくはお花畑の中を急降下。足元に注意しながら慎重に下る。

慶応尾根のコルを越えると傾斜は緩くなるが登山路には岩が目立つようになり、相変わらず気を抜けない。
奥又白出合
奥又白出合
それも奥又出合まで下れば梓川や徳沢園はすぐそこに見えるようになり、ひと安心だ。

ここから新村橋までは、ほんの短い距離だが登山道の傾斜もずいぶん緩くなり、山行のエピローグにふさわしい静かな山歩きができる。

遭難慰霊碑を見るようになると治山林道を歩くようになり、三叉路を直進、もうしばらく林道を歩くと新村橋が現れる。
左岸に渡ればやがて徳沢園。

打って変わって賑やかだが、これはこれでいいかもしれない。

明神まで下れば観光客の姿もかなり目立ち、上高地まで来ればそれだらけ。

ここまで多いと何とかして欲しくなるのは、ちょっと身勝手か?
穂高連峰
バスターミナルから見る奥穂山頂方面

今回の山行を、もう一度見る

◆【お花の一覧はこちら

◆【ワン・ポイント・アドバイス】
涸沢からの下山、ちょっと時間にも余裕があったり、横尾経由に飽きた向きにはパノラマコースがお薦め。

悪天時は無駄足になるが、好天に恵まれれば穂高〜キレット〜南岳〜槍ヶ岳の素晴らしい展望を楽しむことができる。
(ただし、のんびりしすぎると思わぬ時間を費やしてしまうかも・・・、くれぐれも要注意)

屏風のコル直下のお花畑も見事。


◆【’97、(あ)が4歳時の涸沢山行の様子はこちら

◆【’09、(あ)が17歳になり奥穂高岳山頂を踏んだ家族山行はこちら



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