◆【山行日時】 2002年10月13日〜14日 
◆【コース・タイム】 
 
□10月13日  晴れのちくもり、午後からガス、のち一時雨のち晴れ 
 
三嶺林道・最終駐車場=30分=ダケモミの丘=35分=水場分岐=15分=三嶺ヒュッテ=10分=三嶺山頂 
 
=60分=西熊山山頂=15分=おかめヒュッテ 
 
(=20分=イザリ峠=15分=天狗塚山頂=25分=牛の背=35分=イザリ峠=18分=おかめヒュッテ) 
 
(=3分=ヒュッテ下・水場=4分=おかめヒュッテ) 
 
(=25分=西熊山山頂=15分=おかめヒュッテ) 
◆【正味歩行時間】 
□10月13日  5時間25分(トータル) 4時間38分(天狗塚、牛の背周回し、おかめヒュッテまで) 2時間45分(おかめヒュッテまで) 
  
       
      
      
      ◆【詳細】 
先月歩いた剣山〜三嶺からさらに西の西熊山、天狗塚、牛の背へと続く縦走路は、一面をシコクザサに覆われ展望を欲しいままにのんびり歩くことができ、この時期、ササの中に点在するコメツツジの葉の紅葉が印象的で、まさに、四国一の縦走路との呼び声通り素晴らしい眺望を得ることができる。 
今回の目的は、この素晴らしい縦走路を歩くことはもちろん、未だ見たことのない西熊山からの三嶺の夕景と、同じくそこからの朝景を見ることだ。 
となると・・・、宿は、おかめヒュッテ。 
東祖谷山村久保・西山林道からの三嶺ピストンは経験済みなので、ならば、同名頃・三嶺林道から三嶺を経て、ひとまずおかめヒュッテへ立ち寄り、さらにそこから天狗塚、牛の背ピストンすることとし、10月12日夕刻、我が愛車、ランドクルーザー・70を走らせた。 
徳島市内に着く頃にはとっぷりと日は暮れ、貞光からはか細く真っ暗な山間の道を山中へと入る。岩戸温泉、消防署前で夕食を摂り、さらに南下。今回は、やがて現れる標識に従い、見ノ越に向かわず菅生方面へと右折。さらに一回りか細くなった小島峠への道を上る。真っ暗闇の中で景色を楽しむことは出来ないが、渓谷沿いの道は次第に高度を上げ、やがて広場のある峠に出る。 
上ったら下らなければならない。つづら折れの山道をしばらく下ると、やはり渓谷沿いの道となり、T字路を左折。人家や資材置き場が現れると間もなくR439と合流。 
直進ししばらく車を走らせると、ようやく登山口の名頃着だ。 
 
駐車場所の問題もありそうなので林道を終点まで進入。案の定、宿泊組みの車が数台。どの車も人は不在のようだが、ここを今日の寝床とし、悠々と駐車。 
白髪小屋稜線に月が沈むと、あとは満天の星空。 
「明日の天気はどうだろう・・・?」 
4時半には最初の車が上がってき、5時には二台目もやって来た。 
「この分なら普通(の時間帯)に来た人たちは、とんでもなく下方に駐車しなければいけないだろうな。」 
「昨夜のうちにここまで来ていた甲斐があったってもんだ。」 
 
夜の明けきらぬ薄暗い中、あずま屋奥の登山路を登り始める。後方、東にはわずかに見える剣山がシルエットとなってオレンヂ色の空に見事に映し出されている。やがて次郎笈も顔を出す頃には、ずいぶん明るくなってきた。 
  
    
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      | 剣山 | 
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      剣山、次郎笈 | 
     
  
 
ウラジロモミの林を歩くようになると1517ピークに出る。 
何やら上方が赤くなっているので見上げてみれば山頂ヒュッテ東斜面に朝日があたり真っ赤になっているではないか。 
 
しかも今回の赤ら顔は、先に剣山、西島から見た時とは比べものにならない。 
「やっぱりはずかしいんだな。」 
今はこれだけ至近距離にいるから真っ赤だ。 
 
少し下ると平尾谷からの登山道と合流。既に赤い山肌は山影になり見えなくなった。 
  
    
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      | ダケモミの丘 | 
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      黄葉の登山路 | 
     
  
 
ダケモミの丘を抜けると黄葉した木々に朝日があたる気持ちの良い登山路を登る。 
それにしても暑い。秋も深まり黄葉も見頃を迎えようかと言う時期なのに、Tシャツ一枚でも全く問題ない。 
しばらく急登すると左手前方にカヤハゲ〜白髪稜線が見え隠れするようになる。はっきり見えているので天候は良さそうだ。 
  
    
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      | 白髪別れ、白髪山、カヤハゲ(左より) | 
     
  
 
はやる気持ちを抑えつつ一歩一歩確実に高度を稼ぐ。潅木を抜けると、さらに塔ノ丸〜丸笹山〜剣〜次郎笈が望めるようになるので展望を楽しみながら登って行こう。 
水場分岐を過ぎるとガレ場もある急登となる。短いハシゴや丸太もある登山路をしばらく登り、大きな岩の下を通過すれば三嶺の池のある頂稜はすぐそこだ。 
 
池の脇に出ると見事なササ原が目の前に大きく広がる。左手奥に見えるトンガリ帽子が三嶺山頂だ。 
  
    
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      | ササ原の向こうに三嶺(菅生への下山路付近より) | 
     
  
 
早朝はあんなにくっきりと見えていた山々の稜線だが、はや剣山、次郎笈山頂付近はガスの中のようだ。その他の山の稜線は見えるが、さて、山頂から西の稜線はどうだろう? 
 
ササ原を縫って歩くと、まず東のピークに出て、さらにピラミダルな山頂へと向かう。 
山頂からは360°大パノラマが広がるはずだが・・・、残念ながら、西の眺望は思うに任せなかった。時折、西熊山のササ原、ごく稀に天狗塚の三角錐が見える程度で、おまけに見通しもあまり良くなく、霞んでる。 
少し残念だ。 
 
それでも、眼下に広がるカヤハゲへの稜線から四ッ小屋谷源頭部にかけての紅葉とササ原のコントラストは見事で、朝日があたるとまばゆく輝く。 
  
    
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      | 四ッ小屋谷とフスベ谷最上部の紅葉 | 
     
  
 
しばらく、見える範囲の展望、紅葉を楽しんだら山頂をあとに西のゴールデン・トレイルを西熊山へ。 
 
しかし、本来のんびり歩けるはずのこのルートも、今日のように徐々に天候が下り坂気味の時、何とも気持ちが滅入る。 
「ゆっくり歩きたいような、早くしないとガスられそうな・・・」 
  
    
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      | 大タオ付近ではこのとおり | 
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      西熊山より | 
     
  
 
不安は的中。大タオを通過時には三嶺山頂は全く見えず、西熊山に到着した頃には少しは良くなったもののガスのヴェールが包み、思うようにくっきりとは見えない。 
一方、西の天狗塚はと言えば、標高の低い分だろうか、三嶺方面よりガスは少なく、その山頂部の三角錐を地蔵ノ頭より突き出しているが、やはり少しもやった感じだ。 
  
    
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      | カンカケ谷上部の紅葉 | 
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      お亀岩へ下る | 
     
  
 
とはいっても展望はなかなかのもので、眼下に広がるカンカケ谷の紅葉は三嶺山頂から見る四ッ小屋谷、フスベ谷のものよりも色づきが良く鮮やかなようだ。ただ残念なのは、今は日が当らないのでちょっと見栄えがしないこと。 
 
あまり長居しても天候の回復は見込めそうになく、今晩の場所確保のこともあり、お亀ヒュッテへ。 
 
到着すると、賑やかにやっている一組のパーティーと単独の人とで、一階はすでにほとんど満員状態。 
「まだ、11時にもなっていないというのに今日の夜はどうなるんだ?」 
不安になりながらも自分の場所を確保。 
 
外を見ると天候は相変わらずだが、静かならまだしも、この騒々しさの中でこれから長時間過ごす気にもなれず、腹ごしらえをしてそそくさと天狗塚、牛の背へ散歩に、しゅっぱ〜つ。 
天候は相も変わらず思わしくなく振り返って見ても西熊山が辛うじて見える程度で、三嶺はやはりガスの中だ。 
地蔵ノ頭まで来ると、先ほどまで見え隠れしていた天狗塚すら顔を見せてくれなくなってしまい、さらに天候は悪化しているように思えた。 
 
ササ原をほんの少し上れば西山林道と天狗塚への分岐点、イザリ峠だが、やはり状況は同じ。 
 
ところで、 
      「先月の剣〜三嶺縦走時、そこには徳島県が設置したと思われる立派な標識が随所に見受けられたが、さて、ここの物はどうだろう?」 
到着して、北側の一段下がった、かつての標識のある場所に行って見ると・・・、 
      悲しいかな、真新しい立派な標識はどこにも見当らない。それどころか、古い標識はもちろん、杭も以前よりも更に朽ちて、哀れな姿をさらけ出しているだけだ。 
       
これでは今日のような状況下、天狗塚へは行くことが出来てもお亀岩方面への道はなかなか分かりづらいのも当然で、事実、西山林道から登って来た人ですら、何人かは天狗塚へのルートを確認する光景を目の当たりにした。 
  
    
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      | イザリ峠 | 
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      天狗塚 | 
     
  
 
そのイザリ峠を後にすると、この悪天下、ほんの一瞬、天狗塚が山頂部の見事な三角錐を見せてくれることがあった。しかし、山頂を見たのはわずかにこのときだけであり今日、この後、姿を見ることは出来なかった。 
  
    
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      | 天狗塚山頂 | 
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      南尾根を俯瞰 | 
     
  
 
山頂からの展望も綱附森方面がわずかに見える程度で、ほとんどないと言っていい。 
 
これだから西にのんびり大きく広がる牛の背、今日は全く姿を見ることが出来ないが、まだ時間も早いことだし、あわよくば 
「少しは天気もよくならないかな」 
との期待も込め、早々に山頂を後にし、スリップに注意しながら急坂を一気に牛の背へ下る。 
  
    
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      | 牛の背の池 | 
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      牛の背 | 
     
  
 
折角足を延ばした牛の背だが、あいにくのガスで何も見えず、また、あまりのガスのひどさに恐れをなし三角点のほんの手前でスゴスゴ引き返してきてしまった。 
満喫には程遠いので、これからの課題として残ってしまったようだ。 
 
しかし、当面は早く切り上げたのが正解だったようで帰路、イザリ峠付近からは雨もぱらついて来た。 
 
 
曇天の中、ようやく小屋に戻ると、案の定、そこはすごい事になっていた。 
      まだ、2時だというのに一階はもちろん、板の間は二階も含めほとんど満員だ。 
       
とりあえず自分の居場所は確保済みだが、 
「これから到着する人たちはどうするんだ?」 
  
    
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      | お亀岩から見た、カヤハゲ〜白髪別れ〜白髪山稜線 | 
     
  
 
時間の経過と共に混雑する小屋とは対照的に外のガスは晴れ、徐々に明るくなってきた。谷の開けた南東側に見えるカヤハゲ〜白髪山稜線にも日が当り出し、見上げた西熊山も見事に照らし出されているではないか。 
  
    
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      | お亀ヒュッテと夕陽に照らされる西熊山西斜面の紅葉 | 
     
  
 
「これなら西熊山まで登れば夕陽に照らされた三嶺を見れる!」 
こう確信し、西熊山へと駆け上がる。 
残念ながら、お亀岩やお亀ヒュッテは、コルや、そこからまだ少しばかりながらも谷あいに下ったところに位置するので東に位置する三嶺はもちろん西の天狗塚も目にすることは出来ない。居ながらにして展望を得るには立地的に無理があるのだ。 
 
      辛うじてガスは晴れ、眼前にはご覧のとおり日没前の三嶺が広がった。 
       
      かくして、西熊山から三嶺の夕景を見る目標は達成できたわけだ。 
  
    
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      | 西熊山から見た夕映えの三嶺〜カヤハゲ〜石立山 | 
     
  
 
小屋に戻ると状況は悲惨を極め、暖炉のある前室は地べたに陣取った人でいっぱい。それどころか、さらに時間の経過と共に入口脇の軒下にも寝床を構えなければならない状況になっていた。 
 
本日の宿泊者、超満員の約、40名。 
(他にテント、小屋脇に1張り、テント場に3張り) 
 
 
      14日の記録へつづく 
       
      ◆【ワン・ポイント・アドバイス】 
三嶺林道・終点登山口、20台程度は駐車可。これ以上になると林道を下方に向け、それぞれ林道脇に駐車することになる。 
(下方になればなるほど、登山口まで長い林道歩きを強いられる) 
 
ここまでにある平尾谷登山口から登ってもダケモミの丘で終点登山口からの登山道と合流するが、距離は終点登山口からよりもわずかながら長く、駐車可能な台数も少ない。 
 
 
◆【画像一覧はこちら】 
 
 
◆【その他の三嶺の記録はこちら】 
 
 
 
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