大杉山、須留ガ峰+樽見の大ザクラ  

大屋市場より見る大杉山〜須留ガ峰
◆【山行日時】 2001年4月15日  晴れ
◆【コース・タイム】

登山口=20分=新しい林道終点=8分=クソブ峪

=45分=旧林道終点(尾根取付き点)=17分=大杉山山頂=17分=須留ガ峰山頂

=16分=大杉山山頂=10分=旧林道終点=30分=クソブ峪=25分=登山口
駐車地点=15分=樽見の大ザクラ=10分=駐車地点
◆【正味歩行時間】 3時間8分+25分
◆【詳細】

養父町、奥山よりカカナベ峠を越えて登山口の倉谷出合へ。

ここまでは舗装された立派な道だったので、いい気になっていたものの、いざ登山口の倉谷出合まで来てみると、あるはずの橋がない。

倉谷の治水事業は既に終了した様子で、この辺りの護岸工事を行った際この谷への橋は架けないこととしたようだ。

自然保護の観点からすると、いいことかもしれないが、現在の景観が景観だけになんとも言えない複雑な気持ち。
愛想なく立てかけてある登山口の標識
「増水時はどうやって渡るのだろう。」

こんなことを思いながら小さな川を難なく渡り、かつては車で進めたであろう新しい林道を進む。

林道沿いには立派な堰堤がいくつも造られている。やや急な傾斜のこの道をしばらく行くと、新しい林道のかつての終点らしきところに着く。

いよいよ登山道・・・と思ったが、そう思って歩いているこの道だが、どうも、すぐ傍にある沢の水が増水して林道が荒れているだけのようだ。

沢の上流には最終水場でもあるクソブ峪があった。降雨後にはすごい量の水が、かなりの勢いでこの谷を流れ落ちるため、このようになってしまったのだろうか。
クソブ峪 見事に咲いたサクラ
クソブ峪を後にすると沢を離れ、再び林道となる。一箇所、林道が崩壊し乗り越さなければならない所があるが、この先、尾根取付き点まで延々林道歩きである。

展望はほとんどなく、カーブの際、真北の御祓山方面が何度か見える程度だ。
真北の御祓山が徐々に低くなる(左は妙見山)
あせらずゆっくり行くしかない。やっと尾根取付き点に着くと、御祓山やすぐ東の山はここより低くなっているので、ここは既に相当の標高のはずだ。

”これより尾根道”標識のところで小休止後、その標識によると、あと370bとなった大杉山へ出発する。

ここまで来てようやく登山道となるが、急登だ。右手、大屋町側は植林帯、左手、養父町側は自然林だが展望はほとんどなく、きついばかりだが、その右手の植林帯の合間から見え隠れする氷ノ山が唯一の救い。
尾根道からは氷ノ山が見える
なおも急登すると、やがて木を伐採して明るくなったところが見えてくる。

スカイラインが低くなってくると氷ノ山と三ノ丸がお出迎えの大杉山山頂だ。
大杉山山頂 遠く粟鹿山と建屋(たきのや)集落を俯瞰
大杉山からの展望は素晴らしい。


見晴らしの良い日には県北部の山は勿論、
日本海までも見えるのでは。
氷ノ山と三ノ丸
ここからの展望素晴らしく、すぐ西の須留ガ峰山頂左に見える三久安山、藤無山や三室山から、角度にしてぐるーーッと250度(?)以上、千ガ峰の稜線まで見える。

南の木立の向こうには、ゆったりとしたフトウが峰〜段ガ峰稜線や千町ガ峰も分かるので、ほとんど360度見えているといってもいい。

ここでこれだけ見えるのなら須留ガ峰まで行けば、さらに西や南の展望も開け・・・、どれだけ美味しい昼食にありつけるのやら。とても楽しみだ。

そこは指呼の距離のように見えるので、早速出発。
山名の由来となった(?)スギの大木 尾根道から見る須留ガ峰
大杉を左に見て、すっかり葉っぱを落としたままの明るい快適な尾根道を進む。ピークを二つ越えると三つ目が須留ガ峰山頂だ。
幕営もできそうなくらい広い須留ガ峰山頂だが、眺望は背伸びしてもこの程度
ところが、いざ来てみると、
「美味しいご飯を食べようと思ってきたのに〜。こりゃダメだ!座ってしまえば先ほどの大杉山が見えるだけじゃないか!!」
渋々、大杉山へ引き返す。

少し風当たりは強いが氷ノ山、大屋町の谷を見ながら大杉山での昼食と相なった。

のんびりした後は来た道を引き返す。

スリップに気を配りながら下って行くと林道に出て、再び長〜い林道歩き。

あまり単調だったのでクソブ峪で土産の水をくみがてら、ゆっくりする。

さらにもう少し単調な林道歩きをすると登山口に着いた。




◆【おまけ、樽見の大ザクラ】

登山口近くの駐車地点で帰り支度をしていると、丁度この道を上の方から下りて来る一人の人。

おもむろに挨拶をすると地元の方のようで、西の集落、宮本へ通じるこの道だが、今日は日曜日にもかかわらず工事中とのこと。

このあと西の宮本へ出て、のんびりドライブで家に帰る予定が、その人から
「先ほど出会った建屋の人は、通してもらえず引き返して行ったよ。西の宮本へは下りられない様なので東の奥山へ下りたほうが良いよ。」
こんなことを聞いたので、朝来た道を東の奥山へ向けて車を走らせる。

峠道を走りながら、考えていた。
「どうも、このまま家路に着くのは何かもったいないようなこの陽気。どこかちょっと寄り道する良いところはないかな〜。」
「天滝はちょっと遠いし、新緑にはまだ早いかッ・・・、うーーーん!」
「そうだッ!!」
「この山では、まだサクラが咲いてたんだから、樽見のサクラも少しくらい花が残っているかもしれない。」

奥山のT字路を迷わず左へ。

しばらく春うららのドライブを楽しみ大ザクラの駐車地点に着いた。

ちょとした登山道らしき道を登って行くと、かつてはクワ畑だったらしい段々畑の中に大きなサクラが現れる。

あいにく、花はほとんど散ってはいたが噂に違わぬ立派なサクラの樹だった。
樹齢、約千年という大ザクラ
2007年春の大桜はこちら


2008年春の大桜はこちら


◆【ワン・ポイント・アドバイス】

登山口へは播但連絡道利用が最短。

朝来I・C下車、インター前信号を左折、すぐにある次の交差点を建屋(たきのや)への小さな標識に従い右折する。

あとは一本道で、朝来町から養父町へ入り建屋集落を過ぎ、全但バス奥山口バス停手前を左折、間もなく現れる三叉路を右折しカカナベ橋を渡ってカカナベ峠へ。

大屋町側へ下って行くと、左手に大きな谷が見えてくるので、それが倉谷。

峠道の工事は養父町側、大屋町側、共に未完了。(H、13年度には完了?)平日の通行は特に要注意。
(2001.5.27付、神戸新聞但馬版によると当路線、県道森ー大屋線は全線舗装の上、開通済み)

倉谷出合の少し峠寄りに、数台駐車可。

当コースは長い林道歩きに少しうんざりさせられる。

須留ガ峰へ直接登る大屋町、田渕からのコースもあるが、展望の良い大杉山まで足を伸ばしたいので、このルートのほうが良いだろう。

詳細の通り、須留ガ峰山頂からの展望は期待しないほうが良い。一方、大杉山からの展望は素晴らしい。


◆【あとがき】

標高では須留ガ峰にわずかに及ばないが、展望に優れ養父、大屋、朝来三町の境に位置する大杉山を、この山塊の盟主としてもいいくらいだ。
氷ノ山のコース・データを見る

◆【他の画像はこちら


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