志倉林道〜藤無山
藤無山山頂

藤無山山頂
◆【山行日時】 2005年9月3日  晴れ時々くもり
◆【コース・タイム】 
林道・志倉支線終点・登山口=65分=藤無山山頂=45分=登山口
◆【正味歩行時間】 1時間50分
パタゴニア
◆【詳細】
先のお盆山行では既に秋の装いの中、”さすがは北ア・最深部の山々”と思わせる、大きな山容で静かな山域を歩くことが出来た。

こちらでは日中はまだまだ暑さが残るものの朝夕には少しづつ秋の気配も感じれるようになってきたので、その余韻を追いつつ播磨地方では最奥に位置する藤無山に登ってみることにした。

かつて、一宮町のガイド・マップで見たこのルートを歩けば、播磨最奥を実感でき、「一度歩きたかった山頂南面のブナ林をを満喫できるはず」と思い、ルートは、あえてメインルートとも云えるおおやスキー場からではなく、一宮町・志倉からのルートとした。


もちろん県内の山なので標高は高々千メートル少しにしか過ぎず、山頂でさえそう涼しいはずはないのだが、登山口の林道、志倉支線終点に着き車を降りてみても、全くといっていいくらい涼しさは感じられなかったのには少々、ガッカリさせられた。

現地では朝方に少し降雨があったこともあり、むしろ標高の高いここの方が暑ささえ感じられるほどだったのは、風がなく湿気が南斜面にたまっている風に感じられたからだろうか。
登山口
登山口の標識(左上へと山中へ入る)
仕度ができたら、すぐそこにある標識に従い山中へと入って行く。

始めはトラバース気味に植林帯の尾根を巻くが、踏み跡がか細く不安を覚えながらの歩行。要所にはトラ・ロープが張ってあるので安心といえば安心だが、出鼻からこれからの道中にいささか不安がよぎる。

しばらく歩くと沢音が聞こえてきてせせらぎを渡る。

せせらぎ 沢沿いの道
小さな沢を右手に見ながら行く(あ)
植林につけられた標識
このような標識が所々にある

沢を渡ったら渡った沢を何度か右岸、左岸へと渡りながら、あるいは沢沿いに歩きながら高度を稼ぐ。

ルート自体がはっきりしない感もあるが、随所に赤テープ、また要所には小さいながら標識もあるので、これらを見落とさないよう確認しながら歩く。

やがて沢を離れ、すぐに沢音が聞こえなくなると植林帯を急登。

足元がぬかるんで少々歩きづらい。

植林帯を抜け、明るい雑草地に出ると稜線が間近に近づき、見上げると自然林の中にブナ林も見えるようになる。

ルートが判然としない中、目的のブナ林を見たことで一息ついたが、直後に目の前に現れたトラ・ロープととんでもない急斜面に面食らってしまった。
急登 ここも急登
トラ・ロープを頼りにブナ林帯へ トラ・ロープも頼りブナ林を縫って歩く
ここは、兎に角、滑らないように登る。

ある時は四つん這いに、また、ある時はトラ・ロープを頼りに足元の不安定な急斜面を登り切ると、ブナ林の真っ只中を歩くようになる。

『母なる森』の恩恵かどうかはわからないが、登山口からここまでにはほとんど感じられなかった風の存在をこのブナの森に入るや否や感じ取れるのだから、やはり、こう呼ばれるだけのことはあるのだろうか。
ブナ林帯を歩く
山頂直下のブナ林帯をササ原を縫って行く
奇岩脇をすり抜け、ブナ林帯のササ原を縫って尚も急登する。

ここのブナ林は急斜面でのものなので、この光景は氷ノ山でも、なかなかお目にはかかれない。
扇ノ山では稜線上でブナを見ながらササ原を歩けるものの、平(なる)いうえにブナも若木が多いのでこれだけの大木を見ながらササ原を歩ける箇所は県内では稀と感じた。

ただ、そことの違いを挙げるとすれば、面積がずいぶん狭いことか・・・。
山頂より東望
山頂より東望
雰囲気を満喫しながら歩くと山頂に着く。

以前、ここを訪れたときは梢越しにわずかに東から南東面の眺望があるかないかくらいだったが、今はこの方面の樹が伐採され展望が利くようになっていた。

しかし、あいにくこの日は靄がひどく、全くその恩恵は得られなかったばかりか、左手の枯れて茶色く変色した杉の木ばかりが気になってしまった。
山頂より少し北の切り開きへ行ってみたが、こちらの方面の眺望はさらにひどく、暗雲も立ち込め氷ノ山どころではなかった。

しばらく山頂でのんびりしたら往路を引き返す。

奇岩を過ぎた辺りから急坂になるもののトラ・ロープが上り以上に威力を発揮。頼りにしながらスリップに気をつけ慎重に下る。
山頂方面よりブナ林帯を見下ろす
山頂南のブナ林帯
トラ・ロープが終わると雑草地を右下方の植林帯へ向け下る。

足元に気をつけながら、また、赤テープを気にしながらの下降。

沢沿いに歩くようになると今度は濡れた岩でのスリップ注意。

せせらぎを渡ると植林帯のトラバース。

ゆるい路面の足元に気をつけながら歩くと、林道終点の駐車地点に出た。

所詮は播磨の最奥部。信州のような奥深さを感じ取れるはずもないのだが、山頂南面のブナ林帯を歩くことで山深い雰囲気を味わえたことが、せめてものなぐさめだった。

少し下った道路脇にある『宍粟市名水、公文の千年水』で水を汲み、時間があったので三方町の家原遺跡公園で縄文時代にタイムスリップしたあと、家路に着いた。
家原遺跡公園
家原遺跡公園
◆【ワン・ポイント・アドバイス】

今回の一宮町・志倉からのルート、かつて整備されたようだがこのところは歩く人が少ないせいもあり、相対に荒れ気味。

沢沿いに歩くようになってからは赤テープを目印にほぼ直登すれば、やがて正面の稜線が近づくとともにトラ・ロープのあるブナ林帯下に出る。

急登だが、その分グングン高度を稼げるので思いのほか短時間で山頂に着くことができる。


登山口までのルートは一宮町三方町より公文川に沿って遡る。
小原集落を過ぎ、ほどなくにあるY字路を右斜上。

『志倉山荘・ゆずりは』を左手に見ると路面はダートとなる。(間もなくに『宍粟市名水・藤無山の水』あり)

以後もよく整備されているものの通行車両は少ない様子。所々、落石があったものの通行に影響なし。

しばらく走り右、『志倉川源流』と左、『藤無山登山口』標識のある三叉路(下画像地点)を左へ道をとれば、やがて林道終点・登山口に着く。
林道三叉路の標識
林道志倉支線、三叉路の標識(直進すればやがて登山口のある終点)
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