この後、ハプニング発生。
ヒルに血を吸われ頭がボーっとしたからではあるまいが、思いもよらぬルートミス。30分ほど余計な労力を費やした。
山頂から大杉山へは、ほぼ真東へ延びる尾根をたどらなけらばならないのに、角度にして30度ほど違う南に派生する尾根を下っていた。
下りはじめから、「何だか違ってない?」と自問自答しながら歩いていたが、間違いだと確信して引き返すまでには15分ほど掛かった。
「本来の尾根道に比べると踏みあとはか細いし、辺りの植生はこれまでに見たこともない見事なブナ林が現れ出したし・・・。」
ガスが立ち込めていて方角が判然としなかったせいもあるが、思いもよらぬケアレスミスに山の恐ろしさを実感させられた。
(尾根道を歩くようになって以来、登山路には国土調査と称する杭が至る所に見られ、また、これに係わる人が山中に入るにあたり付けたと思われる赤や青の吹流しのようなテープがあちらこちらにあり、これらに惑わされたのもルートミスの一因と考えられる)
正規のルートを歩くようになると、20分もすれば大杉山に戻る。
山頂西でたった今、須留ヶ峰に向かうため大杉山を出発された今日、唯一の人と出会う。
展望のないなかも、大杉山でしばらくゆっくりしたあと下山する。
雨は落ちていないながら相変わらずの天気で、餅耕地展望地でも展望は利かない。
雑木林を抜け、鞍部で左折するとブナもある斜面を下る。植林帯に入り小さな沢を渡ると雑木林の尾根を急降下。
林道に出て林道を短く歩き、簡易ゲートを抜け沢筋へと下りて行く。
スリップしないように気をつけながら下ると沢音が聞こえるようになる。
右手下方に岩滝の姿を見ながら下り、ゲートを抜けるとそこへの分岐。
せっかくなので足を向けたものの、流量が少ないからか、それとも元来、こんなものなのか、そう大した滝ではなく少しがっかりだった。
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稜線の下方ではブナも見られる |
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岩滝 |
下るにつれ次第に流量は多くなり立派な沢となる。大石前の流れでしばし休んだ後、さらにもう少し下るとコンクリートの林道終点地点に下り立つ。
駐車地点の三叉路は目と花の先。
ズボンの裾をめくってみると・・・、例のヒルがやはりいた。山頂では主に右足を吸われていたが、下りでは反対の左足がひどい。
これで左右、均整が取れたともいえるが、こんなことは嬉しくも何ともない。
お陰で、両足ともくるぶし付近は血まみれになってしまった。
入山時には記帳できなかった鳥居の所の記録帳に記帳した後、帰路に着いた。
八代坂で振り返っても、大杉山の端正な姿は見ることは出来なかった。