南丹市議会議員
八木 眞

 

 松尾武治議員一般質問

一般質問  

 議長のお許しが出ましたの、市長がめざしている「まちづくり構想」と「子育て支

援について」の質問をいたします。  

 南丹市は合併したものの、市を構成する旧4町は、それぞれの町の思惑で、ま

ちづくりを進められていたにも関わらずで、短期間の合併協議で事務調整を行

い、まちづくり議論が十分に行われたものとは思えない具体性のない新市建設計

画を掲げて合併をしました。  

 合併特例債への期待が大きく法期限内の合併が急務だったと思われますが、

南丹市は合併をしたものの小規模な自治体で、提案されました補正予算でも多

額の基金の取崩しで編成されております。

  また、国保の運営などを考えると先が見えない厳しい舵取りが求められます。

616平方キロ余りの広大な面積の南丹市は、ゆるやかな動きのなかでも、一体

的なまちづくりの施策が求められますが、急激な施策の変更等は当然避けなけ

ればなりません。合併による住民負担を分かち合い、中核となっている旧園部町

住民のみが、利便性を感じるまちづくりにならない、きめの細かい施策が重要と

考えます。

  また、地方分権で市町村に権限が委譲されるのと同様に、住民と市町村の関

係も、全面的に行政に依存する体質から、住民と行政による協働が目覚める施策

が求められます。 多くの課題を抱えておりますが、中心部とともに、周辺集落が

輝く施策を求めます。 市長の施政方針によると「旧4町における素晴らしいまちづ

くり、むらづくりを市政に継承するとともに、今こそ、それぞれのまちの絆をもう一

度強め、南丹市に広めていき、誇りと絆、これをつよめることによって新しい南丹

市を築いていきたい」と云われています。 旧4町が進めてきた特色あるまちづく

りや村づくりを、旧町ごとにどのように認識されているのか。それぞれの町の絆

を強め云々と云われていますが具体的にどのようなことを描いておられるのか。

  また、新市の中心となる園部町と周辺町が一体感を構築し、4町の特色を活か

すには交通網の整備が重点課題となります。新市計画のなかでも日吉町・美山

町は、森林共生及び観光リクリエーションゾーンとなっています。かやぶきの里、

芦生原生林や、日吉ダムなど両町には、点在する観光産業の素材となりうる豊

かな自然が多くあります。 このような素材を活かし交流人口の増加を図るために

は、4町を周回する道路網の整備が必要となります。周回する道路網の整備で唯

一残されているのが、美山町大野地区と日吉町の畑郷地区を結ぶ鏡坂峠であり、

このトンネルの貫通で、府道京都日吉美山線が開通することになります。今工事

が進んでいる通称スーパー農道の開通と合わせると美山町から園部町までの最

短距離になり、4町を周回する道路になります。

  また、先人から受け継がれた悲願の鏡坂トンネルは、両地区が合併で南丹市と

なりましたので、JR胡麻駅の利用促進と胡麻地域の活性につながる重要な施策と

云えます。胡麻駅は、鉄道の開通時は旧丹波町、旧瑞穂町からの人や物が集ま

る丹波地域の拠点駅となっていました。車社会から公営交通機関が見直される

いま、再び胡麻駅が活性化することを願っております。

 また、胡麻地区は、早くから民間資本による、若者のニーズにあった宅地開発

が進められ、人口が減少するなかで、唯一増加している地域でもあります。新し

く住まれている人に聞くと、木造の胡麻郷小学校に魅せられ移り住んだといわ

れる人もあります。

 民間資本の活用で住宅供給が行われている胡麻地区は「若者向きの住宅・子

育てがしやすいまち」をキャッチフレーズに、通勤時間の短縮など、行政の側面支

援により若者の定住促進につながる要素を含んでおります。駅から徒歩の距離に

住まいを構えることができることから、亀岡市の「つつじヶ丘」と比較し、駅からバス

に乗り換える時間を含めるとむしろ、胡麻地区のほうが早いといわれる人もありま

す。同じ南丹市でありながらもJRは園部駅までを嵯峨野線と呼び、以北と所管も

異なり、複線化の取り組みもまったく別の動きとなっております。一体的なまちづく

りを進めるためにも交通網の整備をどのように考えておられるのか伺います。

 また、園部町の歴史をさかのぼると城下町として栄え、その名残として古い建物

が軒を連ねていました。城をイメージした建物があり、城と周辺の古い建物を活か

した観光のまちとしてデビューされるものと思っていました。

 苦肉にも3月議会のさなか貴重な建物の解体現場をみました。歴史的なたたず

まいであり、観光資源となりうる素材が次々にこわされるのをみて、断念に思って

いるのは私だけでしょうか。

 しかし、異なった考えで、旧園部町から進められている本町地区土地区画整理

事業は「南丹市の中核となるまちづくり」に位置づける施策と云えます。ところが

現在では、計画時と異なり、人の流れは、上木崎地区や内林地区に移り、まち

の様子も変わりましたが「南丹市のまちづくり」に、この事業をどのように活かそう

とされているのか伺います。

 また、改正されたまちづくり三法との関連をどのよう認識されているのか。事業

を進める中で、どのような国の制度や財源を活用されようとしているのかに市長に

伺います。

 続いて、子育て支援について伺います。

 若者の定住策の一つに、子育てがしやすい環境作りがあります。経済的な支援

もその一つですが、男女共同参画社会の進展から、 重要な課題となるのが働き

ながら子育てが出来る環境作りや、育児のサポート制度などが考えられます。母

親を少しのあいだ育児から解放し、趣味なり仕事に目を向けさせるゆとりを作るこ

とも大切と云われています。就学前教育の内容も、私立の幼稚園では高レベルの

ものが取り入れられているようですが、公立の幼稚園でどのレベルまで行うのか

議論が残りますが、女性の社会参加が進むなか、働きながら子育てをしなければ

ならない家庭も多く、親に代わる育児システムが求められています。

 市長は施政方針のなかで「南丹市の子育て支援策」は充実していると云われて

います。しかし、現状の社会情勢や、住民の皆さんが行政に求めている「働きなが

ら子育てがしやすい環境」の点から見ると、保育所の役割が重要であるにも関わ

らず、管内の施設を見ると、保育所では園児が過密に、幼稚園は減少傾向とな

り、南丹市の子育て支援策が、住民のニーズと行政の思惑にひずみがでている

ように思われます。

 園部保育所の定員は、90人と聞いておりますが、5月17日現在の園児数が127

人となっています。定員オーバーが37人となり、国が定めている基準を大きくオー

バーしています。現場では、待機幼児を出さないために入所をさせているといわれ

ています。しかし、子供の発育段階のなかで幼児期は重要といわれています。家

庭に変わり育児を行わなければならない責務もあります。1日の3分の1を過ごす

保育所がこのような過密な状態であるにも関わらず、放置していることは論外と言

え、早期の対策が必要と考えます。

 子育て支援には手厚いと市長は述べておられますが、保育所の現状をどのよう

に認識されているのか不安になっております。保育所の果たす役割は、若者の定

住策、子育て支援、少子化対策の観点からも重要な位置を占めています。幼稚園

施設は、一定の整備が行われ「すこやか学園」等きめ細やかな施策も行われてい

ますが、働きながら子育てをしなければならない社会情勢を認識した施策の転換

が必要となります。

 また、日吉・美山では、保育所のみとなっていますが、日吉を例にとりますと幼稚

園にも劣らない幼児教育に取り組んでいただいておりますが、就学前教育の機会

均等の意味からも、子育て支援そのものを縦割りの行政システムではなく、住民

本位の総合的なシステムのなかで行う必要があります。南丹市がおこなっている

子育て支援の施策や、保育施設、幼保一元化などを含めた現状認識と課題につい

て市長の考えを伺います。

 以上で私の壇上での質問を終わります。