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技術資料室
A10  3相誘導電動機の配線設計
       (簡易計算式)
 y-326
例題

3相 200V 7.5Kw の3相誘導電動機を増設するこ
とになった。
条件として、直入れ始動、動力盤からの距離45m
配線方式は金属管工事、配線はCVケーブルとす
る。

分岐回路のケーブルサイズ   配管サイズ
接地線サイズ  NFB容量 をもとめなさい。
  
     
AC200V 3相誘導電動機 7.5Kw
        ・・・・・全負荷電流 34A
(3相誘導電動機1台の場合の分岐回路)

電動機分岐回路のNFBの選定

電動機の始動電流および始動突入電流のように
全負荷電流に比べて相当大きい過度電流が流
れる事を考慮する必要がある。

NFBは、この始動過度特性で動作することがない
ように定格電流を選定する事。
(3相誘導電動機1台の場合の分岐回路)
上記の表よりNFBの定格電流は75Aとする。

電動機用分岐回路の電線の太さ
(内規3705-4)

連続運転する電動機に供給する分岐回路の電線
は、過電流遮断機の定格電流の1/2.5(40%)以上
の許容電流のあるもので、単独の電動機などに
電気を供給する部分は次による事。

①電動機などの定格電流が50A以下の場合は、そ
の定格電流の1.25倍以上の許容電流であること。

②電動機などの定格電流が50Aを超える場合はそ
の定格電流の1.1倍以上の許容電流のあるもの
     
①を適用し電動機の
 全負荷電流 Im≦50A以下の時

              Iw≧1.25 Im
                       
電線の許容電流(Iw)≧1.25×34A(Im)
             =42.5A
     Im・・・・・電動機の全負荷電流
     Iw・・・・・電線の許容電流
   
CV 8-3c(電線管布設による許容電流)
      は 43A
CV 14-3c(電線管布設による許容電流)
      は 59A 

よって
配線ケーブルはいずれかを採用となる。  
     
電圧降下(3相3線式簡易計算式)
=30.8×45(電線長)×34A(負荷電流)
             /1000×8(断面積)

CV 8-3cの場合=30.8×5×34/1000×8
           =5.9V

CV 14-3cの場合=30.8×45×34/1000×14
            =3.5V

上記の電圧降下は分電盤から電動機までの距離
の計算であり、受電設備から分電盤までの距離は
計算に入れていない為、許容電圧降下 6.3V に
8゜ は余裕がないことになる。  

よって、この場合のケーブルサイズは
CV 14゜- 3cを採用することにした。
 
この場合の電動機の配線設計は 
  
配線サイズは CV 14゜- 3c (28) E 5.5゜となる
 (電動機1台の接地線表)
NFB(過電流遮断機)の定格電流は60Aとなる