若林通信




院長からのお知らせや、連載の解説など書いています
 2005年1月11日(火)
 ミセス2月号を読まれた皆様へ

 樋口一葉、いかがでしたか。かわいそうですね。せっかくこれからという才能ある命を奪った結核に対して腹が立ちますね。それに比べると、結核の良い薬のある現代の私たちは幸せですね。でも、一葉ほど真剣に日々を生きているかと言われると、つらいものがあるかもしれません。仕事に、趣味に、また「ミセス」などの読書に、と日々充実した時を送りたいものです。治療法の進んだ現代でも、薬の効かない薬剤抵抗性の結核があるので注意が必要です。まず、十分に睡眠をとりましょう。高齢者に多いのでバランスのとれた食事をとるようにこころがけましょう。空気の悪い大都市に多いというデータもあるので、人ごみではマスクをした方がよいでしょう。また、うがい・手洗いを心がけてください。
 一週間以上の長引くセキや微熱のある場合は、専門医に相談してください。初期の結核であれば、投薬治療により簡単になおる場合がほとんどなので、早めの治療が大切です。結核に限らず、人前でセキをする時は、下を向くか、少なくとも手やハンカチで口をおさえることが最低限のマナーであることは言うまでもないでしょう。
 
東京方面から姫路へ---「のぞみ43号」のすすめ

 姫路駅にはほぼ一時間に一本「のぞみ」がとまります。東京からおよそ三時間です。おすすめは、東京駅7時33分発の「のぞみ43号」でしょう。姫路駅に10時41分に着きます。駅の北側出口(列車進行方向右側)を出ると、すぐに姫路城が見えます。歩いて10分ほどで姫路城に着きます。姫路城は池田輝政によりつくられました。西国の将軍とも言われた池田輝政が、播磨百万石と言われたその財力を傾けてつくった天下の名城で世界文化遺産でもあります。名古屋城、熊本城、姫路城が三大名城と言われていましたが、戦いに巻き込まれずに原型を保っているのは姫路城だけです。そういう意味では平和の城とも言えるでしょう。池田輝政は脳卒中のために天下取りの野望むなしく、50歳という若さで亡くなってしまいました。二回目の発作の後に、吐血して亡くなったのです。重症の脳卒中の場合、吐血することがあります。脳動静脈奇形が破裂して起こった重症の脳出血だったのではないかというのが私の説です。池田輝政の時代に現代並みの医学があれば、脳卒中で早死にすることなく、ひょっとしたら徳川家康の後に天下を取っていたかもしれません。そんな歴史のロマンにひたれる白壁の名城が姫路城です。
姫路に立ち寄ることがあれば、ぜひ当院まで足を伸ばしてください。

姫路駅から若林医院まで
タクシーなら「田寺北口」まで約20分。神姫バスなら12番の「田寺北口」行きに乗って終点の「田寺北口」まで約20分です。


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