若林通信
院長からのお知らせや、連載の解説など書いています
 2009年11月1日(日)
 『 寿命戦争 - 武将列伝 』 (かりばね書房)発刊。

豊臣秀吉をはじめ武将たちの謎の死に迫る、現代病跡学の金字塔とも言える力作です。また、生き残ること、健康であることの大切さを説いた人生の指南書でもあります。歴史ファンだけではなく、一般の方も人生観が変わるかもしれませんので、ぜひ一読を。主要書店で販売しております。

     「はじめに」より
 武将たちはつらい。戦いで負けることは許されなかったのである。戦いで負けることは自分の領国の消滅に直結したからだ。(中略)しかし、武将たちにはもう一つの戦いが待ち受けていたのだ。それは寿命戦争である。ライバルよりも長生きしなければならなかったのである。(中略)実力が同程度であれば、長生きした方が勝ちなのである。戦場での戦争だけではなく、寿命戦争にも勝ち抜かねばならなかったのだ。生きる、とにかく生き残る。これが彼らの使命となった。

目次
武田信玄 (一五二一〜一五七三)
 名将も病気には策を立てられず
上杉謙信 (一五三〇〜一五七八)
 大酒と寒さで縮んだ寿命
豊臣秀吉 (一五三六〜一五九八)
 天下人をたおした謎の病気とは
徳川家康 (一五四二〜一六一六)
 長寿の裏に摂生あり
織田信長 (一五三四〜一五八二)
 薄味に激怒の理由

前田利家(一五三八〜一五九九)
  その死が関ヶ原につながった
石田三成 (一五六〇〜一六〇〇)
 死の間際まで食養生
加藤清正 (一五六二〜一六一一)
 賤ケ岳七本槍の壮絶な最期
池田輝政 (一五六四〜一六一三)
 まぼろしとなった池田幕府
伊達政宗 (一五六七〜一六三六)
 大名ドクターの特技とは?
北条早雲(一四三二一五一九)
  大器晩成を支えた長寿
毛利元就(一四九七一五七一)
  七十にして子をつくる健康老人
平清盛  (一一一八〜一一八一)
 灼熱地獄をもたらした病気
平重盛  (一一三八〜一一七九)
 武将の尊厳死のはしり
源頼朝  (一一四七〜一一九九)
 よもやの落馬、よもやの落命
足利義満 (一三五八〜一四〇八)
 昔も今も「かぜ」は万病のもと
足利義政 (一四三六〜一四九〇)
 恐怖のうぐいす飲み
徳川家茂 (一八四六〜一八六六)
 将軍もかかった宿命的病気

 著者略歴
若林利光(わかばやしとしみつ)
若林医院院長。医学博士。国際外科学会会員。
1979年、神戸大学医学部卒業後、脳神経外科学専攻。
1991年、頸動脈エコーによる脳梗塞予防の研究で第44回兵庫県医師会医学研究賞受賞。2008年、日本文芸大賞特別賞受賞。脳卒中、なかでも、くも膜下出血に関する国際的業績多数あり。アメリカの脳神経外科のテキストにも紹介されている。著書に「脳梗塞の予防
&撃退法」、「偉人たちのお脈拝見」、「サバイバル三国志」、「いろはでボケ封じ」、「ピンピンコロリの生き方」、「脳に良い食養生」など多数。
日本ペンクラブ会員。日本文芸振興会顧問。

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