ランスの冒険 第一話 〜光を求めて〜

第5章 捜索3日目 〜お城には美味しいものがいっぱい。〜


日が昇り、朝を迎えた街の空は今日も見事に晴れていた。

「がはは、よく運動した後のメシはうまい。いや、奈美さんが作ってくれたものはおいしいが、それにも増してという意味だぞ」

などと奈美に言いながら機嫌良く朝ご飯を食べるランス。その横では、顔を真っ赤にさせながらご飯を細々と食べるフララ。その態度からなにが、あったか一目瞭然だった。

「そんなに朝早くから、激しい運動されたのですか?」

しかし、奈美は気づかず、そんな質問をする。それを聞いて、ますます、赤くなるフララ。

「おう、突きの練習をしていたのだ。木の枝にこれくらいの輪っかを吊るしてな。その穴めがけて、突いて、引いて、突いて、引いてとな繰り返し」

と練習方法を説明するランス。それを聞いて、さらに赤くなるフララ。もうこれ以上赤くならないというほどに。ここまでくればもう態とである。

「へえ、難しそうですね」

そんなことに気付かない奈美は相槌を打つ。だが、追い討ちは続く。

「そんなことはないぞ。最初は、単純にやるだけだが、最後は輪っかを回して揺らしてそれから突くからな。それで、突く事ができた時は最高だ」

ニンマリとしながら、話すランス。それは、いたずらっ子のような表情だった。

「まあ、そんな事をするんですか」

奈美は練習方法(だと思っている)を聞いて感心する。が、ランスの横で聞いていたフララはそうはではかった。自分とランスがやった行為を言われているようにしか聞こえなかったのだ。

「あの、大丈夫ですか?」

奈美がフララの真っ赤になった状態に気付いて尋ねる。

「フララちゃん。顔が真っ赤だが大丈夫か?」

ランスもフララに態とらしく尋ねる。奈美は本当に心配しいるらしく、そんなランスの態度に気付かなかった。

「あの、ごちそうさまです」

そう言って、堪らず席を立ち出て行こうとするフララ。そして途中で振り返り、

「ランスさんの意地悪!」

そう言って急いで出て行った。

「どうしたんでしょう?」

「さあ?(愛いやつ)」

あごに手を当てニヤリとランスは笑った。

「(あの様子なら大丈夫だろう)奈美さん、フララちゃんはちょっと今、不安定なとこがあるから、時々、手の空いたときでいいから、様子を見てやってくれないか?俺様はこれから出かけるから」

自分のやったことをおくびにも出さずそう奈美に依頼したランスは宿屋を後にした。

          *
          *

(まずは昨日でかなり経験値がたまったからレベルアップをするか。その後は城へGO!だな)

ランスはLEVEL屋に向かった。LEVEL屋に着くと年老いた戦士がしょんぼりとして店を出て行った。

(きっと、レベルアップできなかったんだな)

ランスはLEVEL屋に入った。中に入ると部屋の中央には水晶球が浮いておりその脇に長い赤い髪の女の子がいた。その子は水晶急に両手をかざしなにやら祈っている。丁度、レベルアップ作業を行っているようだ。対象は女戦士だ。

(おおっ!なかなかいい女だ。最近はいい女にヒットしまくりだな)

ランスらしい感想を抱いていると水晶が光り輝き、何度か瞬きその都度、輝きが増す。そして唐突にそれは収まった。レベルアップが終わったようだ。女の子はレベルアップした女戦士に何か喋っているがランスの距離からでは聞こえにくい。話が終わったのかさっさと女戦士は出て行った。

「はい、ここが初めての方ですね。説明をいりますか?」

(む、俺様が初心者に見えるのか?なら、乗ってやるか)

「レベルアップてなんだ?」

「レベルアップの作業は、遠い昔から行われています。我々が生きていく以上、必要な作業ですね。レベルアップすれば、能力がアップします」

「じゃ、何で能力が上がるんだ?」

「何であがるのかですって・・・それは大宇宙の神秘です」

(答えになってないぞ・・・)

これ以上この会話に実りがないとランスはここで切った。

(それにしても髪の長い子だな、シャンプーするとき大変じゃないかな)

確かにこの赤い髪をした女の子は足のひざあたりまであった。

「何です?私をじっと見て」

「君のようなかわいい子は初めてだ」

「だめですよ。私にはちゃんと恋人がいるんですから」

「げっ!(ちっ、彼氏がいるのか・・・)」

「ムッ! げっ!ってなんです? げっ!って」

「え、いや、ところで、その水晶はなんに使うんだ?」

女の子の突っ込みに辟易して話題を変えて追及をかわそうとするランス。

「私の祖先から代々使ってきた水晶です。これを見れば、これまでの貴方の行いもすべてわかります。・・(ぽっ)あなたってエッチね」

ランスはうまい具合に追及をかわし、しかも自分後のみな展開にする。

「それだけじゃない、うまいぞ。なんなら試すか?」

そう言って、にじり寄るランス。

「神に仕える私に何をしようというんですか?」

「もちろん、あんなことや、そんなこと」

と両の手をわきわきさせニヤニヤしながら迫るランス。

「だめですよ。わたしには、彼がいるんです。間に合ってます」

「ちぇ。(ここは引くか機会はまだまだある)君の名前は?」

「私の名前を言う事は出来ません。それを、言えるのは我が神のみです」

「じゃ、なんて呼べばいいんだ?」

「私は神に仕える巫女ですか。ただ巫女と呼んでいただいて結構です」

余談であるが彼女達、レベルアップ作業を行う者たちは神しか呼ばない本名、親しきものに呼ばれる仮名をもつ。全然親しくない人たちには仮名でさえ呼ばせないのだ。

「じゃ、巫女さん、レベルアップしてくれ」

「わかりました。では、レベルアップの儀式をおこないます。いいですね」

「ああ、やってくれ」

「本当に?」

「ええぃ、そうだ!」

突然、水晶球から稲妻が天井と床に走った。そして、それが、どんどん激しくなりついには、光いの柱ができた。

「え、何、いつもと違う。あっ、そっか。おめでとう。貴方はレベルが一気に複数UPしました。それにつれてあなたの能力値はアップしました。」

「なるほど、何か強くなったような気がするな」

「あ、ところで外は晴れてましたか?」

「ああ、晴れていたが」

「よかった。今日、夜に彼とデートなんです」

「(けっ、人ののろけ話なんて聞いてられるか)じゃあな」

「はい、また経験値が貯まりましたらご利用ください」

ランスはLEVEL屋をでた。

(さて、城に行こうかと思ったがここまで来たんだ、ついでだ。情報屋によって、ヒカリの行方について調べてみるか。幸い昨日の盗賊退治で懐も潤ったしな)

そうランスは思案し、情報屋に向かった。

「あっ、いらっしゃいませ。お客さん、見事、盗賊退治できたみたいね。しかも、全滅だなんて。やりますね」

「誰に行っている。俺様は無敵だ。ところで、昨日聞いた、ヒカリについてなんだが、ヒカリの行方についてなにか情報ないか?」

「うーんと、代金は100GOLDですね」

「ちょっと、高いな。わかった」

「あれ・・情報がシークレットになってるわ。どうしましょう、お客さん?」

「どうしましょうって、お前、俺様は100GOLDも払ったんだぞう」

「そうでしたね。えーと、ヒントはお姫様にありとこれぐらいしかわかりません。てへ、」

「てへ、じゃねえだろ。こら、なめてんのか。うぉー、こうなりゃ元を取ってくれる」

そういって、ランスは一気にオペレータの女の子を襲った。

「ああっ、や、やめてください。そんな事やあんな事しないで!」

オペレータの女の子の抗議もむなしく、ランスは押し倒した。

「うぉー、俺様のフロッピーをお前のドライブに突っ込んでやるぞ!」

「って、もう突っ込んでるじゃない、痛い、痛いんだってば、もうちょっとやさしくして・・」

          *
          *

「しくしく、ひどい、ひどいわ。痛いから、やさしくしてって言ったのに」

乱暴に脱がされた服をきつつ、つぶやくオペレータの女の子。

「なにをいうか、結構、喜んでたじゃないか。とくに、ここなんか」

そういって、無造作にオペレータの女の子の胸をやさしくつかむ。

「あん」

「ちゃんと、君の好きなアルゴリズムで攻めてやったろう」

そういいながら胸をつかんだまま(しかも、もみはじめて)、背後に回り、からオペレータの女の子の耳に息を吹きかける。

「あっ・・」

「ふむ」

「えっ」

「もう一回したくなった」

「えっ、ちょっと、まってって・・あっ」

     *

「じゃあな、また、頼むぜ」

「もう!しんじられなーい!」

「がははは、じつにうまかった。ごちそうさま」

そういって、情報屋をあとにした。

(妙な成り行きで、オペレータの女の子とウハウハ出来たぞ、ラッキー。時には勢いでって言うのは重要だな、新品だったし)

ランスは上機嫌で城へ向かった。城の門まで来ると例のように番兵がやって来た。

「おい、通行手形は持っているのだろうな」

「ああ、これのことだろ?」

ランスは、通行手形見せる。それを番兵が確認する。

「本物のようだな、よし通っていいぞ。ようこそ、リーザス城へ」

「うむ、ごくろう」

ランスは大きな門をくぐって城の中に入っていった。道はまっすぐあり、その先には城の内門が左手側にはカジノが右手側には噂に聞いたコロシアムがあった。

(まずは、噂に聞いたコロシアムから言ってみるか・・)

ランスはコロシアムに向かった。そこでは、戦いが行われており、観客が大勢つめかけ試合を観戦していた。やってきたランスに気づいた男がランスに話しかけた。

「やあ。兄さん。あんた誰の応援しているんだい。俺はやっぱりユランのファンさ」

話しかけてきた安っぽい服を着たひげもじゃの若い男に一瞥するとランスは試合を見つつ、男に話しかける。

「ユラン?そのユランって奴は、何者なんだ?」

「このコロシアムに君臨するチャンピオンさ。かわいい女なのに強いのなんの。ああ、ユランちゃん。早く出ないかな?もうかわいいってなんの」

(ふーん、かわいい女の子で強いねぇ)

ユランという女に興味をもつランス。

「コロシアムで優勝すると何かもらえるのか?」

「かけがえの無い名誉が手に入るよ」

「それだけか?」

「それだけかだって!名誉より価値があるものなんか無いよ」

「くだらん。そんなものではメシも食えん。そんなもんよりもっと価値があるのはいくらだってある」

「そ、それより、あんた戦士なんだろう、参加してみないか?俺が手はずを整えてやるぜ」

「金にならんことには興味が無いね」

「お前って、変な男だな」

話しかけた男は命拾いした。普段のランスであれば、最低でも確実に病院送りである。しかし、今回は美人のオペレータをモノにしたとか、男の言ったユランという女に気を取られていたとかあったので助かったのだ。話しかけた男にはわからない事だが。

(全然たいした事ないな)

ランスは試合を見ていたが見るべきものはないと、コロシアムを立ち去る事にした。次に目指すはカジノである。カジノに入ると人がたくさんおり、みな一攫千金の夢を見てやってきてるようだ。しかし、ほとんどの人間は夢破れて去る事になる。実はランスも昔、カジノで大損した覚えがあったりする。掛けの種類はルーレットが主なようだ。

(嫌な思い出だ。でも、アレは女の色香に惑わされたんだ。ちくしょうめ)

あたりを見渡しているとほとんどの人はきらびやかな服に美しい宝石を身に包んでいるがその中に質素な服を着ている娘がおり、かえって目立っていた。その質素な服を着た娘は熱心(真剣)に賭け事に夢中になっている。ランスは興味を覚えて話しかけてみる。青い髪にショートカットのかわいい娘であったからでもあるが。

「私に何か用なの」

「いや、どうして君みたいな子がこんな所で賭博をしているのかと思ってな」

「私の勝手でしょう、お金が必要なの、かまわないで」

「なんで、そんなに金が必要なんだ」

「あなたには、関係ないわ」

「なあ、君の名前はなんて言うんだ?」

「あなたに答える必要は無いわ。さあ、次のルーレットが始まるわよ」

ランスは娘にすげなくされたので気分を変えるためルーレットをする事にした。

(やるからには大儲けしてやる)

「こんにちは、今度あなたがお相手ね。よろしく。私、甲州院 葉月」

青い髪をツインテールにしてセーラ服をきた少女がランスの前に現れた。

「おう、俺様はランス。これから大儲けする男だ」

「GAMEの説明は要りますか?」

「大丈夫だ。レートだけ教えてくれ」

「わかりました。掛け金は1度に10GOLD。あなたが掛けた値とルーレットの値が同じだった場合はなんと、掛け金は3倍になります。また、同じ色であるなら1.2倍になります。それ以外は私の勝ちです」

「あんまり、割が良くないな」

「そうですか、でもあなたが正解のときは、私が身に着けている服を1枚づつ脱ぎますわ。でも、負ければその時に私が脱いでいれば、脱いでいた服を1枚着ます。それならいいでしょ?(いい男ですし・・)」

「らっきー・・・(言ってみるもんだな・・)」

「では、始めますね」

     *

「わはは、勝ったな。約束だ。脱いでもらおう」

景気良く勝てたランスは約束である行為を催促する。

「はい」

「あっ、ずるいぞ。スカーフなんて」

「続けますか?じゃ、次いきますね」

葉月はにっこりと笑いランスの抗議の声を受け流した。

     *

「フッフッフ」

「うう、もう無しにしません」

「いいや、君から言い出したことだ。さあ、早くそのブラジャーを取れ」

「あーん、おかーさーん」

あれから何回か行い確実に葉月を剥いていくランス。欲望というものは恐ろしい。

     *

「ふふふ、勝った」

「うう、もう続けても次に脱ぐものありませんわ」

とうとう全部、脱がされた葉月がもうやめようというニュアンスをこめてランスに言った。

「うむ、それもそうだな。だから、君のその隠そうとしているてを除けてもらうことにしよう」

しかし、この男には通用しなかったどころか更なる要求を告げた。

「えっ、きゃ。もう、見ないで」

「うっしっし。さあ、次にいこうか」

強引にもランスは賭けの続行を行った。

     *

そして、とうとう運命の時が来た。

「さあ、その手をどけてもらおうか」

「うう、もう、お嫁にいけない」

「だったら、俺様の”女”にしてやろう(うししし、)」

そういって、ランスは嘆く葉月をガシッと葉月を抱き寄せ脇に抱える。

「え、やだ。どこに連れて行くの?」

「いいところだ」

ランスはそのまま抵抗する葉月を何のそので、ダッシュでカジノから連れ出した。途中、用心棒らしき奴らが止めようとしたがランスを止めることができず、蹴散らされた。そして、連れ出された葉月の運命は・・・。

          *
          *

「がはは、グッド」

ランスはやはりというか存分に葉月を堪能した。

「しくしく、初めてだったのに」

「だから、やさしくしてやったろ」

「ううっ。こんな場所で」

「初めてが、野外ってのもおつなもんさ」

「一生の思い出なのに」

「立ったままでってのは、インパクトがあるだろ」

「こんなのってないです」

恨めしそうにランスを見る葉月。さすがに、ばつが悪くなったのか

「悪かった。だが、もうお前は俺様のモンだから別にいいだろ」

開き直ってしまったランス。

「誰が、あなたのものになったんですか、だれが」

「ついさっき。君がカジノに負けたとき」

「ええっ!」

「お嫁にいけない。ていってたから俺様の”女”として、もらったのだ」

「うう、こうなったら責任を取ってもらいます」

「責任も何も俺様の”女”なんだから。とるも何も無いだろ」

と微妙なところで意識のズレがでていた。その後、葉月とランスは今後のことを話し合って分かれた。

(カジノは結局、トータルで見たらちょっと負けたがそれで得たものは大きいから俺様の勝ちだな)

そう思いをめぐらしてニヤニヤしながら、内門を通り城に入った。

(入ったはいいが別に当てがあるわけじゃないからな、適当にぶらつくか。そういや、城なんだからまずは王様とやらにあってみるのもいいな)

人に聞いたりしながらランスは王の間に来た。

(しかし、王への謁見てこんな簡単でいいのか?えらいオープンだな)

王座にはえらそうなイスにどっしりと腰を降ろした王と王妃が座っている。

白い髭が重そうである。

「ごほん、私がこの国で一番偉い王様であるぞ」

王がランスに向かって自己主張した。

「何を言ってるの実権は娘に握られているくせに」

しかし、その言葉に王妃らしき女性が鋭い突込みを入れた。

「えーい。うるさいうるさい」

王は王妃の突っ込みに不機嫌になった。

「俺様が世界一の冒険者、ランスだ」

ランスは王に負けじと対抗するべく自己紹介をした。

「うむ、元気があってよろしい。若者はそれぐらい出ないとな。どうだね、わが国は?平和で大変良い。そちもそう思わないか」

ランスの大きな態度に不快になるどころか機嫌よく答える王。

「表が明るいほど、影もまた暗くなるのものだ」

どこか、賢者めいた言葉でランスは答えた。

「・・ところで、ランスとやら夢はあるか?」

王はランスの言葉に何かを感じ取ったのか話題を変えた。

「俺様の夢は、美しい女達に囲まれておもしろおかしく暮らす事だ」

「うむ、わしもそうじゃ」

「あなた、なんですって?」

しばらく、王妃に睨まれ、硬直する王。

(なんか、情けないな。完全に尻に敷かれている)

「わしと話していて退屈しないか?」

「退屈です」

「正直な若者だ」

「ところで、王よ、俺様は王の本名を知らん。教えてくれ」

「良くぞ聞いてくれた。わが名は、ゴールデン・ウェンズディング・マーク2伯爵である」

胸をはって自慢げに名前を告げる王。

「あいかわらず、長くて品の無い名前だこと」

そんな、王に王妃の毒舌が炸裂した。

「ぐっ、ランスとやら、お前ならこの雄大な名前のよさがわかるだろ?」

王は悔しげに王妃を見た後、救いを求めるようにランスに問うた。

「(夫婦仲が悪いというわけでは内容に見えるが)・・・・・なんで伯爵なんだ?」

「これは、この国の成り立ちの名残なのだ」

「そうか、(あまり、突っ込むと長くなりそうだな)王はかなり、高齢のようだが」

微妙な場の雰囲気をランスは読み取り話題をそらした。

「何を言う、王は、不死身だ」

「・・ヒカリという娘を知らないか?」

これ以上は付き合ってられんなと本命の質問をランスはした。

「ヒカリという娘か・・・お前、知らんか?」

「私は知りませんよ」

「執事、お前はどうだ」

「知りません」

「ブルータス、お前なら知っておろう」

「いいえ」

「おお、ブルータスお前もか・・・・というわけで誰も知らないそうだ」

「・・・・」

たらい回しにされた挙句に寒いギャグを聞いてランスは少々不機嫌になった。

「では、ユランという者は?」

気を取り直して気になる人物の質問をした。

「わが国が自慢する最強の戦士だ。しかし、女がNo.1なんて我が国の男の戦士達は、いったい何をしてるんだ!」

王は自分の心境もあってか、叫ばずにはいられなかった。

「女性上位の時代の幕開けだわ」

そんな、王を見て王妃はと宣言した。

「・・この国の王女はどういう人だ?」

この王夫婦にあきれつつ、情報屋で言っていた手がかりとなる人物のことを尋ねた。

「うちの娘は、美人でかわいいぞ。ついでに頭も非常にいいんだ。どうだ、すごいだろう」

「そう娘リアは、頭が良すぎたのよね・・・・・」

王は上機嫌に話したが王妃は深い溜息をついた。

(何か問題があるのか、そういえば、実権を握られているような事を言っていた。それに何か問題があるのか?実権に関してはこの王に執着が無いどころか手放せて喜んでいるように見える)

「王女の婿にはやはりどこかの王子をと思っているのだがそなたは、どう思う?」

「王子か何か知らないが、俺様以外の男はくずだ」

「そういえば、ランスとやら、噂によるとそちが盗賊を退治したとあるが本当か」

「あんなのはひとひねりだ」

「うむ、賞金をあげたい所なんだが、残念ながら財政難でのう」

「だから、所得税を倍増しなさいと言っているのに」

何気に無茶を言う王妃。

「では、俺様はこれで」

「また遊びに来るがよい」

(えらい、気さくな王だった。俺様の言葉遣いも気にしなかったしな。以外に度量の大きい王のようだ)

それなりに、男に関しては評価がすごく辛いランスに高い評価をさせた。王は偉大だった。

(さて、適当にぶらついてみるか)

そう思案しながら適当にうろついていると両側に扉があり、先にも扉があるところまできた。このまま、まっすぐに進んでみようかと扉を開けようとしたが、カギがかかっているようで開かなかった。仕方が無いので左側の扉を開けてみるとそこは倉庫だった。壁には古みがかった簡単なカレンダーがかかっていた。

(1989年・・・いつの時代のものだ?魔王暦じゃないみたいだし)

他に荷物とかをあさってみたが特に目を引くようなものも無かった。ランスは倉庫をでようとして足に何か当たった。なにかと見てみると、そこにはどす黒い液体詰まった瓶が転がっていた。ランスはそれを手に取った。

(なにかの薬品か?)

とりあえず、それを自分のものとしてしまう事にした。次に向かいの扉を開けた。そこには一人の茶色の髪を結い上げたかわいい感じのするメイドの女の子が倉庫で一生懸命掃除に励んでいた。ここは書庫か難しい本が戸棚に並べられている。

「掃除中ですので、そんな所にいたらほこりだらけになりますよ」

メイドの女の子は背伸びして高い所のほこりをはらっている。

「お嬢さん、ヒカリって子のこと、聞いた事が無いかな?」

「えっ、何です。よく聞こえなかったんですが」

メイドの女の子は、はたきを懸命につかっていたからか、聞こえていなかった。

(むむ、俺様の話を聞かないとは、けしからん)

ちょっと怒ったランスはメイドの女の子の腕を取ろうとした。

「もう、やめて下さい。本当に怒りますよ」

ぺしっ、ぺしっ。

メイドの女の子にはたきではたらかれってしまった。

「御用なら後にして下さい。今日中にこの部屋の掃除をしてしまわないといけないの」

ランスはそんなメイドの女の子を強引に引き寄せた。

「きゃっ、もう、何するんですか」

彼女は少し動揺した。その間に、ランスは背後に回りこみ、メイドの上着の前ボタンを瞬時にはずすと両手でむんずと掴んだ。

「や、やめて下さい・・掃除中なんですよ」

「えーい、うるさい静かにしろ」

「いや、やめて・・くすん。お嫁にいけなくなっちゃうよ」

「安心しろ。その時は俺様の”女”にしてやる」

「そんなの・・いやだよ」

ランスは気にせず胸の感触を楽しむ。

「あ・・もう、勝手な事を。この服を汚したら、怒られてしまいます」

「掃除しているんだから、汚れるも何も無いだろ。それにしても、いい形の胸だ。俺様の手にぴったり(もみ、もみ)」

「うう、私のポケットの中に[城のカギ]があるの。それをあげるから許して!」

彼女の服をさぐると、[城のカギ]が見つかった。ランスは彼女のポケットからカギをとった。

「あっ、だめ、やっぱりそのカギは・・」

(もみ、もみ)

「あ・あーん。もうカギをあげたんじゃない。やめてよ」

「楽しいからやめない(もみ、もみ)」

「あん、お掃除がしたいの、したいの」

「そんなにしたいのか。なら、まずこの俺様の欲望を掃いてもらおうか」

「なんか、微妙に違うんですけど。あっ」

「さあ、おまえのもので俺様の欲望をきれいさっぱりとしてもらおうか」

「ああ、だめ、そんな・・・ひゃう」

          *
          *

「くすん。お嫁にいけなくなっちゃった」

「だから、お前はもう俺様の”女”なのだ。だから、嫁にいけなくても大丈夫」

「くすん、くすん。鬼。悪魔、スケベ」

「鬼や悪魔は別として、スケベは確かだな。おれは好きだぞ。じゃ、またな。今度あったときはもっとかわいがってやるぞ。がははは」

そういって、満足そうに立ち去るランスだった。

(多分このカギを使えば奥にいけるはずだ)

さっき、カギのかかっていた扉を手に入れたカギであけた。カギはぴったりと合い開けることが出来た。先に進むとそこにも倉庫があった。中からは物音がするので誰かいる事がわかる。
倉庫に入ると髪が水色のセミロングでヘアバンドをしたメイドの女の子がいた。

「あっ・・・」

メイドの女の子はランスを見て動揺した。メイドの女の子のそばのかばんにはパンが見え隠れしている。

「こら!何をしている」

ランスは冗談半分にメイドを叱責した。

「あ・すいません、ほんの出来心なんです。実家のお母さんが病気で苦しんでいるのでこの白パンをお母さんに食べさせてあげたくて。お願いです。見逃してください」

(なるほど、そういうことか・・面白い事になったぞ)

棚から牡丹餅。この男に弱みを見せてしまってはろくな事にならない。この場合、飢えたオオカミの前にヒツジが迷い込んできたようなものである。

「俺様も人情が解る男のつもりだ。事と次第によっては見逃してやらん事も無いぞ」

「本当ですか?」

「さあ、脱いでもらおうか」

「えっ」

「聞こえなかったのか?脱げと言ってるんだ。脱がないと泥棒の事を公開するぞ」

「そんな、ひどい」

「じゃ、泥棒として牢屋入りだな。おかあさん悲しむだろうな」

ランスは涙ぐむメイドに無常にも泣き落としまで加えて追い詰めた。。

「・・・・・・・・」

「えーい。まだろっこしい」

ランスは反応しないメイドの女の子にイラつき飛び掛ると彼女の衣服を剥ぎ取った。そして、すばやく背後に回り込みメイドの女の子に襲い掛かった。女の子が事態についていけない速度で。

     *

「えーん、いたい。いたいよ」

「もう、泥棒はしないか?」

「しません。しませんから・・ひーー、変な所、触んないでよ。なんで、白パンぐらいでこんな事になったの」

嘆くメイドの女の子。しかし、事態は変わらない。そして、ランスのエスカレートする行為によりパンが散らかった。

「あっ、パンが、パンが・・・」

「そんなにパンが好きならこうしてやる」

ランスはそこらにあったうちのパンの一つを手に取った。

「あん、ばか。パンなんか入れないでよ」

「ほれ、ほれ」

「いたい、そこ、いたいよ」

「名前は?」

「いたい!」

「そうか、イタイって言うんだな」

「もう、どうでもいいよ」

ランスの行為により女の子は投げやりになっていた。そんな、態度にもランスは気にせず質問を行っていった。

「それより、ヒカリという女の子を知ってるか?」

「ばか」

「じゃ、ユランは?」

「ひどーい。私にHしている最中に別の女の話をするなんて」

(こりゃ、話にならん、集中して楽しもう。なんか、やる気になってるみたいだしな)

          *
          *

ことが、終わり満足したランスは出て行くことにした。身繕いをしていたメイドの女の子はそれを見て念を押した。

「ぜーったいに秘密だよ」

「ああ、わかった」

「ほーんとに秘密なんだよ」

(ふふふ、得したな)

思わぬ収穫にほくそ笑むランスだった.


 <続く>






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