第十六話(I) 部活動
あれから一週間ほどが経った。 / あの日は土曜日。 午前中で授業が終わり、そのあとは部活動だった。 バトミントン部は次の春の大会に向けて練習中。 仁志はサッカー部。 仁志はサッカー部きってのエースで、ファンも多いらしい。 練習しているときは何時もその周囲を取り囲まれているとか。それでよく美樹が癇癪を起こさないなと思う。 これでもし美樹と仁志が喧嘩をするようなことがあったらその原因は一体なんなのだろうか。 どうもあの美樹には嫉妬とか焼きもちとかそんな言葉が似合いそうにない。 そして、その美樹は陸上部に入っている。 美樹は小学校のときから速く、尚も記録を伸ばしているという話だ。 多分学年ではトップでないかと思う。 それほどまでに速い。 それで僕はというと……それはまあ平均くらいだと思う。 仁志も速いほうで、僕はもう少しのところでそれに追いつくことが出来ない。 皐月さんは……どうだろう。 どの部活に入っているとかそういう話はまだ聞いたことはない。 たしかに何処かには入ってるみたいだけど……。 それはこの日弁当を持ってきていることからも伺える。 何処なのか訊いて見ようとこの日に思っていたはずだが、いまだ訊けてはいない。 / そして次の日、日曜日。 この日はとくに何もなかった。 違うといえば、学校にいく日でなかったので朝の立ち話が少し長くなったというくらい。 / さらに次の日、月曜日の部活動。 相変わらず仁志のファンが集(たか)っているらしい。 そのせいか、バト部の練習するところにはバト部以外誰もいない。 / 火曜日の昼休み。 この日は弁当を食べ終わった後に仁志に呼ばれた。 なんだろうと思い、行ってみると日曜日に行く遊園地の話。 仁志の話はまとめるとこうなる。 『遊園地にある観覧車のうち、一つだけピンクのボディがあるので乗るならそれに限る』 ピンクのボディ、それは一体どういうことだろうか。 しかも一つだけなんて。 それは明日行くというときに至ってもまだ考え続けている。 / 水曜日の昼休み。 今度は、美樹が昨日の仁志みたいな事を言う。 一体ピンクのボディとはなんなのだろうか。 それは日曜日にはっきりするだろうと思う。 ちなみに今日は部活動がない。 / 木曜日の放課後。 部活をしながら相変わらずピンクのボディについて考える。 ピンクといえば桃とか……しかし何の関係があるのだろう。 / 金曜日の昼休み。 仁志と美樹にピンクの観覧車について訊いてみても何も答えてくれない。 ただ、そうしたほうがいいと推すばかり。 月曜日に訊くしかないのかと諦めた。 / そして、およそ一週間後の土曜日。 朝、皐月さんといよいよ明日だねなんて話をする。 なんだか行くと決まってからが短いような気もするし、長いような気がする。 とにかく明日、多分初デートとそういうことになるだろう。 でもその日の昼休みには、仁志と美樹に日曜日の八時半に駅集合だときつく念を押された。 今まで時間を破った試しがあったかなんて思い起こしてみる。 それに思い当たることはないのだが何故だろう。 |