ヴィヴィアン・スタンシャルはボンゾズが解散すると、仲間達とでっち上げのバンド名義でシングルをリリースしていました。1枚目はエリック・クラプトンがギターを弾く「Labio-Dental Fricative b/w Paper-Round」で、2枚目はキース・ムーンがプロデュースしたエルヴィス・プレスリーでお馴染みの「Suspicion b/w Blind Date」だが、どちらも全然話題にも上りませんでした。1973年5月にリリースされたマイク・オールドフィールドのデビュー・アルバム『チューブラー・ベルズ』で印象的な楽器紹介のナレーションを披露しています。74年にアルバム『MEN OPENING UMBRELLAS AHEAD』をリリース、イネスやトラフィックのステーヴィー・ウィンウッド、リーボップ、リック・グレッチ、ジム・キャパルディ、アップルに在籍していたドリス・トロイやブルー・ミンクのマデリーン・ベルと言った実力派のミュージシャンらが参加、変なアフロ・ロックというかヘナチョコなファンク・ナンバー、カリプソなどというリズムものや、クレイジーなロックン・ロールなどを披露しています。又、シングル「La Konga b/w Baba Tubde」もリリースしました。75年には『ピーターと狼』にナレーションで参加しました。76年になるとハーヴェストから「The Young Ones, Are You Havin' Any Fun? b/w Question」のEPをリリース。78年にはジョン・ピールによりBBCでラジオ化され話題を呼び、そのラジオ用テープから抜粋したものをレコード化したアルバム『SIR HENRY AT ROWLINSON END』がリリースされ、後にトレヴァー・ハワードの主演で映画化されました。スタンシャルはずっとアルコールとドラッグによって精神を煩っていたが、81年には『TEDDY BOYS DON'T KNIT』をリリース、トラッドやロックン・ロールと彼のソロとしては一番聞きやすく、かつポップなアルバムに仕上がっています。イネス、スピアーといったボンゾズの仲間やリック・ウェイクマン、リチャード・トンプソン、オリー・ハリソールらが参加し、シングル・カットも2枚されました。84年にはサー・ヘンリーの続編『SIR HENRY AT NDIDI'S KRAAL』がリリースされました。バックには元RIP RIG + PANICのシーン・オリバーやブルース・スミスなどのニュー・ウェーヴ・ファンクのミュージシャンらが参加しました。その後はスティーヴィー・ウィンウッドが大ヒットしたアルバム『ARC OF DIVER』でいくつかの詞を取り上げられて、いくらかの印税と再評価をもたらしました。86年にはドラッグと手を切ったスタンシャルでしたが、住んでいた船が沈没し、蔵書やスタジオなどを失いました。しかし、88年からヴォードビル・ショウを行っていましたが、95年3月5日に自宅の火事により亡くなってしまいました。
Labio-Dental Fricative/Paper-Round (by VIVIAN STANSHALL SEAN HEAD SHOWBAND) Liberty LBF 15309(UK) 1970 | |
Suspicion/Blind Date (by VIVIAN STANSHALL & HIS GARGANTUAN CHUMS) FLY BUG 4(UK) 1970.12 | |
La Konga/Baba Tubde WARNER BROS. K 16424 (UK) 1974.7 | |
The Young Ones, Are You Havin' Any Fun?/Question (by VIVIAN STANSHALL & KILGARON/VIVIAN STANSHALL) HARVEST HAR 5114 (UK) 1976 | |
Terry Keeps Hais Clips On/King Clipple CHARISMA CB 373 (UK) 1981 | |
Calypso To Calapso/Smoke Signals At Night CHARISMA CB 382 (UK) 1981 | |
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MEN OPENING UMBRELLAS AHEAD ○LP: WARNER BROS. K-56052 (UK) 1974 |
74年にリリースされたスタンシャル初めてのソロ・アルバムです。イネスを始め、トラフィックのメンバー、スティーヴィー・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、リック・グレッチ、リーバップ、ガスパー・ロゥアル(クランシー)、女性ヴォーカルも豪華で、アップルに所属していたドリス・トロイ、マデリーン・ベル(ブルー・ミンク)、イギリスを代表するセッション・シンガーとしても有名なバリー・セント・ジョンが参加。アフロ・ロック、ロックン・ロール、カリプソなど多種多様。 | |
All Songs Written by Vivian Stanshall Vician Stanshall (Vocals, Recorder, Euphonium, Ukelele, Chelonian Pipes), "Bubs" White (Electric Guitar), Stevie Winwood (Bass, Organ), Gasper Lawal (Talkin Drum, Congas, Xylophone & Kit Drums on B-1), Neil Innes (Piano, Slide Guitar & Organ on B-1), Jim Capaldi (Kit Drums, Lesser Log), Deryk Quinn (Kebasa, Nigerian Coffee Table, Greater Log), Ric Grech (Violin), 'Reebop' Kwaku Baah (Congas on B-4), Ladies Voices: Doris Troy, Madeline Bell & Barry St. John., Male Yoruba Chorus: Ayus Ape, Gani, Gasper Lawal |
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SIR HENRY AT ROWLINSON END ○LP: CHARISMA CAS-1139 (UK) 1978 CD: CHARISMA/VIRGIN CASCD-1139 (UK) CD: EMI 840343 (UK) 2000.5.9 |
ジョン・ピールによってBBCでラジオ・ドラマ化されたサー・ヘンリーの物語は、ボンゾズのファースト・アルバム『ゴリラ』に収録の「The Intro And The Outro」にトランペット奏者として紹介された事から始まります。後にトレヴァー・ハワード主演で映画化されたのだが、このアルバムは、ラジオ放送用のテープから抜粋されたもので、トラディッショナルな楽曲が挿入されています。演奏にはスティーヴィー・ウィンウッドが参加しています。 | |
Produced by Vivian Stanshall Vivian Stanshall (Voice, Ukelele, Talking Drums, Trumpet, Hlughel Horn, etc), Julian Smeddley (Violin), Pete Moss (Violin, Banjo), Jim Quoma (Horns), Steve Winwood (Keyboard, Synthesizer), Jim French (Horns) |
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TEDDY BOYS DON'T KNIT ○LP: CHARISMA CAS-1153 (UK) 1981 ○CD: CHARISMA/VIRGIN CASCD-1153 (UK) 1991 |
スタンシャル久々のアルバムは、ちゃんとした音楽もの。トラッド、ロックン・ロールやカリプソなどバラエティに富んだ曲を聴かせてくれます。音楽ものとしてスタンシャルの最高傑作となっています。バックのミュージシャンは、僚友イネスやスピアー、イネスがらみのオリー・ハリソール、ジョン・ハルシー、トラフィック関係のロスコ・ジー、トラディッショナルからリチャード・トンプソン、ストローブスを始め、デヴィッド・ボウイなどのセッション活動、そしてイエスでの活躍が有名なリック・ウェイクマンと、豪華なものです。尚、ジャケットの色は、オリジナルのアナログLPではグリーンでしたが、CDでは、何故かブラウンに変更されています。 | |
Produced by Malcom Brown Vivian Stanshall (Vocals, Baconium, Bamjo, Mandolele, Slit-Drums, Euphonium, Jew's Harp. Tuba, Kazoo, Great Bean, Talking-Drums, Chelon Pipes, Banjolele, Piano, Bass Harmonica, Tam Tam, Rhythm Guitar), Neil Innes (Piano), Ollie Halsall (Guitar), Admiral 'John' Halsey (Drums), Rosko Gee (Bass), Pete Moss (Electric Piano, Double Bass, Triangle, Tambouline, Melodica, Steel Guitar, Fiddle), Roger Ruskin Spear (Xylophone, Cornet, Tenor Sax), Jim Cuomo (Soprano & Tenor Sax, Piano, Clarinet, Recorder), Rick Wakeman (Piano), Richard Tompson (Guitar) |
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SIR HENRY AT NDIDI'S KRAAL ○LP: DEMON VERB-1 (UK)1984 ○CD: Demon VERB CD 1 (UK) 1992 CD: Diablo DIAB8019 (UK) 1999.11.23 |
音楽ものだった前作から3年後にリリースされた本作は、サー・ヘンリー物語の続編となりました。前回のトラッド系の音楽に代わって、シーン・オリバー(リップ・リグ+パニック)やブルース・スミス(ポップ・グループ〜リップ・リグ+パニック)などのイギリスのニュー・ウェイヴ系ジャズ・ファンクのミュージシャンが参加しています。 | |
Produced by Mario Tavares / Word & Music by Vivian Stanshall Sean(Hog)Oliver (Bass), Bruce Smith (Drums), Suzi Honey Moon (Violin), Jon Glyn (Saxophone) |
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"SMASH YOUR HEAD AGAINST WALL/JOHN ENTWISTLE" LP: Track 2406-005 (UK) 1971.09 | |
"BASHER, CHALKY, PONGO AND ME/MIKE HART AND COMRADES" LP: Dandelion 2310 211 (UK) 1972 Recorder, Bongo, Vocal | |
『チューブラー・ベルズ/マイク・オールドフィールド』"TUBULAR BELLS/MIKE OLDFIELD" Original LP: Virgin V2001 (UK) 1973.4 ○LP: ヴァージン/日本コロムビア YQ-7005-VR (JP) 1973.8 the Master of Ceremonies |
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Captain Lockheed and the Starfighters/Robert Calvert LP: 1974 (featuring Vivian, Brian Eno, Arthur Brown & Jim Capaldi) | |
"THAT'LL BE THE DAY/ORIGINAL SOUNDTRACK" LP: Ronco MR2003 (UK) 1973 'Real Leather' | |
『ピーターと狼』"PETER AND THE WOLF/VA" LP: RSO 2479 167 (UK) 1975 LP: RSO RS-1-30011 (US) 1975 ○LP: RSO/ポリドール 23MM0020 (JP) 1981 Narration |
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"STEVE WINWOOD" Island ILPS9494 (UK) 1977 Words on 'Vacant Chair' | |
"THE WARWICK SESSIONS (Vol.1)" The Roughler Sorry Unknown (UK) 1987 Narration | |
"ARC OF A DIVER" Island ILPS9576 (UK) 1981 Words | |
"THE LAST TEMPTATION OF ELVIS/VA" CD & LP: NME 038/039 (UK) 1990
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【THE FAMOUS CHARISMA BOX】 4-CD BOX SET: Charisma/Virgin CASBOX 1 (UK) 1993
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ボンゾズではサックスやギターを担当していたが、ステージで使用していた奇妙な仕掛けのロボットやオブジェの方が、ビデオ映像や当時の写真によって印象深い人である。彼の書く楽曲は、イネスのように飛び抜けてポップでも、スタンシャルのように奇妙でもないが、ボードビルや大道芸的なものであり、大衆的な音楽である。ボンゾズ解散後は、スタンシャルとBig Gruntを結成するが、直ぐに解散、その後72年にソロ・アルバム『ELECTRIC SHOCK』をリリースし、自身のバンドGiant Kinetic Wardrobeを率いて英国内をツアーしました。74年には2枚目のソロ・アルバム『UNUSUAL』をリリースしました。そしてかつての仲間サム・スプーンズらとTatty Ollityを結成しました。しかし次第とシーンから消えてゆきました。現在彼は教師としてチェルシー・カレッジ・オブ・アートで教鞭を執っています。
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Trouser Freak/Trouser Press/Release Me/Drop Out EP : UA UP 35221 (UK) 1971 | |
On Her Doorsteps Last Night/Frank The Ripper UA UP 35683 (UK) 1974.5 | |
I Love To Bump/When Yuba Plays The Rumba UA UP 35720 (UK) 1974.8 | |
Punktuation/Never Swat A Fly (by Tatty Ollity) Tatty 101 (UK) 1979 | |
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ELECTRIC SHOCKS LP : UA UAS 29381 (UK) 1972 ELECTRIC SHOCKS + ○CD: DJC DJC005 (UK) CD: AMRアーカイヴ/エアー・メイル・レコーディングス AIRAC-1424 (JP) 2007.11.21 完全限定生産/紙ジャケット仕様/2007年24ビット・リマスター |
Roger Ruskin Spear (Vocals, Bass Guitar, Piano, Electric Piano, Organ, Trumpet, Trombone, Glockenspiel), Jerry Gardiner, Steve Waller, Roy Hollingworth, Peter Banks (Guitar), Graham Preskett (Guitar, 12 String Guitar, Bass, Violin, Piano), B.J. Cole (Steel Guitar), Dave Clague (Bass Guitar), Dave Glasson (Piano), Arron Roe, Chris Welch (Drums),T. Newman(Bass Sax), Sam Spoons (Spoons), THE FLAMIN' GROOVIES: C. Jordan, J. Ferrell (Guitars), G. Alexander (Bass), D. Mihm (Drums), C. Wilson (Vocals) |
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UNUSUAL LP: UA UAS 29508 (UK) 1974 | |
Roger Ruskin Spear (Vocals, Sax, Piano, Organ, Bass Guitar), Andy Newman, Dave Charles, Arron Roe (Drums), Richard Treece, Richard Persell (Guitar), Ken Whaley (Bass), Joe Ryon (Guitar), Maggie Stredder Singers (Chorus), etc. |
ボンゾズ在籍中の69年にボンゾズの新マネージャーとなったトニー・ストラットン。スミスの新レーベル、カリスマからトポ・D・ビル名義でシングル「Witchi Tai To b/w Jam」をリリース、これにはロジャー・ラスキン・スピアーや元イエスのトニー・ケイらが参加しました。彼はトニー・ケイと音楽活動をするつもりだったようだ。ボンゾズのアルバム『LET'S MAKE UP AND BE FRIENDLY』に1曲提供していますが、これはトニー・ケイとのコラボレーションによるものでした。その後はエルトン・ジョンのアルバムでタップを披露したり、プラスチック・オノ・バンドのステージでタップ・ダンスを披露したり、ジョン・ケイルのアルバムでヴォーカルを披露したりしました。一番有名なのはジョージ・ハリソンの『ジョージ・ハリソン帝国〜EXTRA TEXTURE』のラストを飾る「His Name Is Legs」に登場した事だろう。78年には「Springtime For Hitler b/w I've Got A Braun New Girl(In God We Trust」をリリース、80年にはジョージのアルバム『ゴーン・トロッポ』のジャケットのデザインを手掛けました。83年には彼の書いた脚本が、ジョージの映画製作会社ハンドメイド・フイルムズによって製作され、コメディ映画『冒険、冒険、大冒険/ホラ吹きキャプテンの大冒険〜BULLSHIT』として公開されました。、トラベリング・ウィルベリーズのセカンド・アルバムで“ウィルベリー・ツイスト”していたり、ジョージの取り巻きとして存在が確認されていました。
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Witchi Tai To/Jam (by TOPO D. BILL) Charisma CB 116 (UK) 1969 | |
Springtime For Hitler b/w I've Got A Braun New Girl(In God We Trust) Arista ARISTA194 (UK) 1978.8 | |
Springtime For Hitler (by LEGS LARRY SMITH) b/w The Inquisition Song (by MEL BROOKS & RONNY GRAHAM) Event 1 (UK) 1981 (Event誌の付録のシート・レコード) | |
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"LEGS" LARRY SMITH SINGS MEL BROOKS' SPRINGTIME FOR HITLER CD: Sanctuary CMZX236 (UK) 2001 CD: MSI MSIF-3860 (JP) 2001.8.25
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『冒険・冒険・大冒険/ホラ吹きキャプテンの大冒険』"BULLSHIT" ('83) 監督:ディック・クレメント/出演:アラン・シアマン、他 |
ボンゾズの2枚目のシングルに参加したボブ・カー (Sax)は、「ウィンチェスターの鐘」をヒットさせたニュー・ヴォードビル・バンドに誘われて加入。このバンドはルベッツのように、この曲の作曲家であるジェフ・スティーブンスのでっち上げバンドで、ジェフはボンゾズをそのままニュー・ヴォードビル・バンドに仕立て上げようとスカウトしたが、カーのみが誘いに乗ったのであった。その後カーは『ゴリラ』リリースの後にボンゾズを抜けたサム・スプーンズとジェイムス・チェンバース(Sax, Clarinet)とボブ・カーズ・ウーピー・バンドを結成しました。また、スプーンズと同時期にボンゾズを抜けたヴァーノン・ダッドリー・ボエイ・ノーウェルもここに参加しました。その後、スプーンズはボンゾズのロドニー・スレイターとビル・ポスターズ・ウィル・ビー・バンドで活動したが、スレイターは引退しました。
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MAKING WHOOPEE Philips 6308045 (UK) |
BOB KERR'S WHOOPEE BAND Whoopee WP1102 (UK) |
Bob Kerr & His Whoopee Band CD: Classic Rock CRP2307 (EU) 2007.1.22
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Bob Karr & His Whoopee Band Bring You "Best Of Vol 1..." CD: Timelsss CDTTD637 (EU) ?
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BOB KERR & HIS WOOPEE BAND DVD: Ragnarock CRP2298 [R2/PAL] (UK) 2007 1970年&1990年のライヴ Bob Kerr (Vocal, Sax), Sam Spoons (Drums, Percussion), Vernon Dudley Bohay Nowell (Bass, Sax, Banjo) |
○入手しています/●手放しました