パイオニア・シリーズ

 1958年10月の1号から1973年4月の11号まで、NASAが打ち上げた11機の探査機よるミッションのことである。月のフライバイを目的とした、月探査機パイオニア1号から3号はいずれも失敗に終わった。1959年3月に打ち上げられたパイオニア4号が、初めて地球の重力圏の離脱に成功して月のフライバイを行った。パイオニア5号から9号は、人工衛星となって惑星間空間の観測を行なった。

 画期的であったのはパイオニア10号と11号で、いずれも内部太陽系を離脱した最初の惑星探査機となった。1972年3月3日打ち上げられたパイオニア10号は、1973年12月3日に木星に接近した。木星が液体水素からなる巨大なガスの球であることを発見したのは、パイオニア10号である。1973年4月5日打ち上げられた11号は、1974年12月3日に木星を通過して、1979年9月1日に、土星から2万1000kmの距離を初めて接近通過した。両探査機の接近飛行で、木星と土星の素晴らしい画像が得られた。また、木星や土星の磁場に捉えられた太陽風(太陽のコロナから流れ出る高エネルギーの荷電粒子)に含まれるプロトン電子が、パイオニア10号と11号の搭載科学機器に及ぼした影響の測定で得られたデータは、その後のボイジャー・ミッションに非常に役立った。




パイオニア10号             パイオニア11号