2006年11月 天文現象


秋もいよいよ晩秋となり、北の山の方からは雪の便りが聞かれる季節となります。星空は透明度が増し、冬の星座が東から昇ってきます。星空が美しい季節ですが、夜間は冷え込みますから防寒対策をしっかりして楽しみましょう。
見慣れたオリオン座も東から昇ってきます。まずは初冬の星座巡りをしてみましょう。双眼鏡をお供にするとさらに楽しめます。
秋の星座と違い、明るい冬の星座が東から昇ってきます。また木星・土星もあって、とても空がにぎやかになります。

今月はおうし座流星群しし座流星群が極大です。し座流星群は33年ごとに無数の流星が流れることで有名な流星群で、前回の極大期は1966年で、その時は雨のように流れ星が流れた、と記録されている伝説の流星群です。
双眼鏡をお供にするとさらに楽しめます。

二十四節気で11月7日は立冬(りっとう)、22日は小雪(しょうせつ)です。



秋の星座       冬の星座



月齢 天文現象
1 9.9
  • 17時13分:月が天王星の南00゚28.5'を通る(ニュージーランド方面で天王星食)
  • 17時50分:木星と水星が最接近(03゚09.7')
2 10.9
  • わし座Rが極大(5.5〜12.0等)
  • 23時15分:月が赤道通過、北半球へ
3 11.9
  • 文化の日
  • 十三夜(栗名月)
  • 18時:おうし座流星群の南群が極大(出現期間10月中旬〜11月末)
4 12.9
  • 09時:月の距離が最近(0.938、36万0591km、視直径33'09")
5 13.9
  • みずがめ座Tが極大(7.2〜14.2等)
  • 21時58分:○満月
6 14.9
  • 21時58分:カシオペヤ座RZが極小
7 15.9
  • 02時25分:おうし座19番星(4.4等)の星食(東京:暗縁からの出現)
  • 02時34分:おうし座20番星(4.0等)の星食(東京:暗縁からの出現)
  • 07時:P/2000 C1(Hergenrother)彗星が近日点通過
  • 22時35分:立冬(太陽黄経225゚)
  • 22時37分:水星が金星の南01゚14.2'を通る
8 16.9
  •  
9 17.9
  • 03時01分:月が最北(赤緯+28゚31.9')
  • 06時07分:水星が内合(太陽の南00゚07.8'、光度5.8等、視直径10.0")
  • 06時42分:水星の日面経過
10 18.9
  •  
11 19.9
  • 22時57分:火星と水星が最接近(00゚34.6')
12 20.9
  • 02時52分:21時24分:カシオペヤ座RZが極小
13 21.9
  • 00時:おうし座流星群の北群が極大(出現期間10月中旬〜11月末)
  • 02時45分:下弦
  • 10時24分:月が土星の北01゚35.7'を通る
14 22.9
  • 22時41分:海王星が東矩(光度7.9等、視直径02.2")
15 23.9
  • こじし座Rが極大(6.3〜13.2等)
  • へび座Rが極大(5.7〜14.4等)
  • 02時45分:アルゴルが極小
  • 20時:4P/Faye彗星が近日点通過
  • 20時:P/1991 V1(Shoemaker-Levy 6)彗星が近日点通過
16 24.9
  • 05時13分:木星と金星が最接近(00゚25.8')
  • 07時53分:金星が木星の北00゚26.7'を通る
  • 08時:月の距離が最遠(1.054、40万5201km、視直径29'30")
  • 09時03分:月が赤道通過、南半球へ
17 25.9
  • みずがめ座Sが極大(7.6〜15.0等)
  • 06時01分:月と小惑星ジュノーが最接近(02゚18.2')
  • 23時34分:アルゴルが極小
18 26.9
  • 05時:しし座流星群が極大(出現期間11月5日〜11月25日)
  • 04時02分:水星が留(赤経14h29.5m)
  • 20時50分:カシオペヤ座RZが極小
19 27.9
  • 22時05分:月が水星の南06゚25.8'を通る
20 28.9
  • 01時:76P/West-Kohoutek-Ikemura彗星が近日点通過
  • 01時31分:カシオペヤ座RZが極小
  • 15時12分:月が火星の南04゚31.7'を通る
  • 20時23分:アルゴルが極小
  • 22時44分:天王星が留(赤経22h50.8m)
21 0.2
  • さそり座RRが極大(5.0〜12.4等)
  • 07時18分:●新月
  • 11時12分:月が木星の南05゚30.5'を通る
  • 21時59分:月が金星の南04゚58.7'を通る
22 1.2
  • 13時05分:木星が合(光度-1.7等、視直径30.9")
  • 13時46分:土星が西矩(光度0.5等、視直径18.3"、環長径41.5")
  • 20時02分:小雪(太陽黄経240゚)
23 2.2
  • 勤労感謝の日
  • 16時14分:月が最南(赤緯-28゚26.5')
  • 21時:P/1986 W1(Lovas 2)彗星が近日点通過
24 3.2
  • 20時16分:カシオペヤ座RZが極小
25 4.2
  • 21時57分:水星が西方最大離角(19゚54.3'、光度-0.5等、視直径06.7")
26 5.2
  • ふたご座Rが極大(6.0〜14.0等)
  • 00時57分:カシオペヤ座RZが極小
27 6.2
  • 05時38分:月が海王星の南02゚53.1'を通る
28 7.2
  • 15時29分:上弦
  • 23時50分:月が天王星の南00゚15.2'を通る(東南アジア方面で天王星食)
29 8.2
  •  
30 9.2
  • いて座RTが極大(6.0〜14.1等)
  • 06時18分:月が赤道通過、北半球へ




流星群とは

流星は、宇宙空間にただよっている0.1ミリメートルから数センチメートルのチリ(流星ダスト)が、秒速数10キロメートルという猛スピードで地球の大気に突っ込んできたときに発光する現象です。発光する高度は上空100キロメートル前後ですが、これを地上から見ていると、夜空を一瞬で駆け抜けていく星のように見え、“流れ星”とも呼ばれます。

放射点

ほぼ毎年決まった時期に夜空の一点からたくさんの流星が放射状に流れることが知られており、これを流星群といいます。流星が流れてくるように見える中心点を「放射点(あるいは輻射点)」といいますが、その放射点が「ペルセウス座」にあるのでペルセウス座流星群と呼ばれています。

流星群のもととなる流星ダストは、彗星または小惑星と深い関係にあります。彗星が太陽に近づいた際に、彗星の核から放出された流星ダストは彗星と似た軌道で太陽を回るようになります。こうしてできた流星ダストの帯に地球が接近すると、流星ダストが地球の大気に突入してきて、流星となって見えるのです。地球は一年で太陽の周りを一周するので、流星ダストの帯と毎年ほぼ同じ時期に接近することになり、流星群のピークは毎年ほぼ同じ日付になるのです。

ペルセウス座流星群の流星のもととなる流星ダストを放出した彗星(母彗星)は、スイフト・タットル彗星です。この彗星が太陽に近づいた1992年前後には、ペルセウス座流星群は例年より活発でした。




おうし座流星群

毎年11月ごろに活動が見られるおうし座流星群が、上旬に極大を迎える。おうし座流星群の放射点は、プレアデス星団に近い北群とその南よりにある南群と2つあるため、南群は3日ごろ、北群は12日ごろと、それぞれ極大も2つある。ただし、この流星群の出現はごくゆるやかで、極大と呼ばれるほどはっきりしていない。出現数は多くはないものの、明るく火球のようなものが流れることがあるので注意しておこう。母彗星は、昨年暮れに近づいてきた周期3.3年でめぐるエンケ彗星。

なお、今年の予想出現ピークは、南群が3日18時ごろ、北群が13日00時ごろとみられています。


この群は時折火球(非常に明るい流星)を飛ばすことで有名です。また、ゆっくりと飛ぶその姿は、印象に残りやすいです。が、数の方はあまり期待できません。ただ秋は散在流星(どの流星群にも属さない流星)の数が多くなる時期なので、その他も合わせれば、まあまあの数は見えるでしょう。またおうし群はしし群やオリオン群と出現期間がかぶるので、それらの添え物として見るのもいいです。

おうし群は極大の期間が長いので、たいてい、月の妨害を受けずに見られる期間があります。今年の月回りはそこそこ、極大期の前半は月明かりの影響を受けますが、後半は影響を受けません。ですので、お勧め時間も月の影響を受けない週末に設定してあります。予想流星数は1時間に5〜10個

おうし群を見るに当たっての敵もあまりありませんが、そろそろ秋も深まってくるので、防寒には気を付けましょう。

おうし座流星群(おうし群)は、最も多く火球を飛ばす流星群です。活動は10月半ばから11月末までの長期に及び、11月上旬頃に最も出現数が多くなります。ですが、出現数はあまり多くなく、HR=数個〜10個ぐらいです。流星の特徴は、遅い、暖色系(黄色やオレンジ)です。輻射点は太陽とほぼ反対の方向にあって、真夜中に南中しますので、夜半頃が観測に適しています。

おうし群の母天体は、エンケ彗星(2P/Enche)といわれています。この彗星は現在見つかっている彗星の中で、最も周期の短い彗星で、その周期は3.3年ほどです。そのためにとても太いゴミパイプ(=彗星軌道付近のダストの帯)を持っているのでしょうか、おうし群は母天体の軌道が地球から最も離れている流星群です(但し、現在母天体が判明している流星群の中で)。また、エンケ彗星の軌道に比較的似た軌道を持つ小惑星がいくつも発見されていて、「おうし群複合体(Taurid Complex)」と呼ばれています。元は一つの天体(彗星)だったものが分裂したものと考えられ、おうし群の起源もこの辺にあるのではと考えられています。

冒頭の通り、年間で観測(報告)される火球の数はおうし群のものが最も多い(らしい)ですが、これは火球の比率が高いこともさることながら、活動期間が長い+観測可能時間が(秋の夜長なので)長いことが効いていると思います。最も多く火球を飛ばす群とはいえ、HRはあまり大きくない流星群なので、ペルセ群やここ最近のしし群の極大時の方がはるかに効率よく火球に出会えます。





しし座流星群

しし座流星群は毎年11月18日前後に出現します。普段は一時間に10個程度の活動ですが,過去数百年の間に雨のように流れ星が降り注ぐ「流星雨」が見えたという記録が残されており,33年ごとに劇的な大出現を見せる流星群としてよく知られています。

 1966年にもアメリカ西部の一部の地域で,一時間に数万個(ピーク時)という活動が観測されました。しかし,このような流星雨の活動は世界各地で観測できたわけではありません。このときの日本での見え方は,200〜100個程度に終わりました。また,1899年,1932年には大出現が確認できず,大出現の傾向にも毎回大きなばらつきがあるようです。

 とかくしし座流星群は「空が覆い尽くされるほどの大流星雨」「世紀の天文ショー」という期待感ばかりが先行しがちですが,「大出現には当たり外れがあり,見えるかどうかは運次第」という意識も,忘れないようにしておきたいものです。今年のしし群は17日〜19日は月明かりもほとんど無く条件は良い。予想流星数は5〜10個
この時期おうし座流星群も活動中なので、あわせて楽しめる。



しし座流星群の歴史

 しし座流星群(しし群)は過去に幾度もの華々しい流星雨を降らせ、流星(群)研究の発端となった流星群です。その流星雨のすさまじさは、最近では、1966年にHR=15万!(1秒間に40個)、また、過去には「一瞬たりとも月を2つ並べる隙間がなかった」と称されるなど、ちょっと想像するのも難しいものです。そのような流星雨のチャンスは西暦の下2桁が33の倍数の年前後にやってきます。というわけで、そろそろ旬も終盤、次第に平年並みの活動へと戻っていく時期です。出現数は今後HR=数十→せいぜい10個くらいへと減少していくでしょう。流星の特徴は、速い、明るい、痕を残す、と三拍子?そろった典型的な派手系です。輻射点はしし座の頭部にあり、夜半頃に昇り、明け方に最も高くなるので、夜半後が観測に適しています。

 
1833年の大出現

1833年11月13日の明け方,北アメリカの東部で雨のように降り注ぐ無数の流れ星が出現し,大変な騒ぎとなりました。これこそ,初めて詳細に記されたしし座流星群による大流星雨の記録です。「ベッドで寝ていたら,窓の外が明るいので目が覚めた」「まるで雪が降っているようだった」などの証言から,HR=15万!(1秒間に40個)、また、過去には「一瞬たりとも月を2つ並べる隙間がなかった」と称されるなど、ちょっと想像するのも難しいものです。

 この事件を機に,エール大学のH.A.ニュートン(万有引力の法則のニュートンではない)は過去の記録より大流星雨が33年ごとの周期で出現していることに気づき,次回の大出現は1866年だと予言しました。そして,その通りイギリスやアメリカで1時間あたり6000個の流星雨の出現が確認されたのです。

 その後,しし座流星群33年周期説が的中したニュースは世界を駆け巡り,大きな関心を集めましたが,1901年には1000個/時間,1932年には大出現が確認できず,しだいに人々の頭の中には「しし座流星群は衰えつつあり,かつてのような華々しい活動はしないだろう」という考えが定着していきました。

しかし,1966年11月17日明け方,アメリカ西部のごく一部の地域でしし座流星群は突如大出現を見せました。以下にアリゾナ州キットピーク山で観測していた13名のアマチュアグループの記録を紹介します。「午前2時30分までは並の出現数だったものが,4時までの間に数百個/時間と出現数が急増し,4時10分には1分あたり30個,空は流星の雨となった。そして,4時30分には1分あたり数百個,4時45分には1秒当たり40個を記録した。1分あたり1000個以上という劇的な大出現をみせたのは,4時35分から5時15分までの40分間で,ピーク時の4時55分で1分あたり2400個,1時間あたりに直すと約15万個見えたことになる。」

1966年の大出現

しかし,1966年11月17日明け方,アメリカ西部のごく一部の地域でしし座流星群は突如大出現を見せました。以下にアリゾナ州キットピーク山で観測していた13名のアマチュアグループの記録を紹介します。「午前2時30分までは並の出現数だったものが,4時までの間に数百個/時間と出現数が急増し,4時10分には1分あたり30個,空は流星の雨となった。そして,4時30分には1分あたり数百個,4時45分には1秒当たり40個を記録した。1分あたり1000個以上という劇的な大出現をみせたのは,4時35分から5時15分までの40分間で,ピーク時の4時55分で1分あたり2400個,1時間あたりに直すと約15万個見えたことになる。」






上記のような流星雨のチャンスは西暦の下2桁が33の倍数の年前後にやってきます。というわけで、そろそろ旬も終盤、次第に平年並みの活動へと戻っていく時期です。出現数は今後HR=数十→せいぜい10個くらいへと減少していくでしょう。流星の特徴は、速い、明るい、痕を残す、と三拍子?そろった典型的な派手系です。輻射点はしし座の頭部にあり、夜半頃に昇り、明け方に最も高くなるので、夜半後が観測に適しています。


参考文献  ASTRO GUIDE 「星空年鑑2006」 
参考リンク  AstroArts(アストロアーツ社HP)星