エステルには塩が訪れていた。
水素を求めるひとつのNaOCH2CH3塩基性塩



その周りにはブレンステッド酸がふたつだけ。
エタノールで水素を引くには、α炭素のpKaは高すぎた。
エステルの共役塩基はカルボアニオンを失い、



エトキシは走り去った。



中間体(ethyl 3-oxobutanoate)は酸のひと。
彼の道連れはふたつ。
酸をつけずとも正に帯電する、カルボニル炭素原子。
「カルボニル基」を持つ者に課せられた、はるか低いpKa。

そんな彼に、電子を与えるひとつの共役塩基。
親プロトンで人なつっこく、無邪気に電離。
エタラートとの出会いをきっかけに、
この反応での右への加速が始まる。



酸の溶媒に包まれて、穏やかに流れる平衡。
溶液の中で繰り返される、水素原子との衝突。



反応はどこまでも続いてゆく。
有機臭広がる溶液の中で。
生成物が待つ、その反応の下で。

Claisen condensation reaction エステル同士をつなげる。カルボン酸だとα水素が電離しない。
でもアルデヒドでいけるんかな…?
NaOCH2CH3 sodium ethoxide(ethanolate)。エタノールとナトリウムの塩
カルボニル基C=Oの二重結合
pKa酸電離定数。

とか言う平衡状態にあるとき、

で定まる定数
例えば、pKaが10小さくなると、
H+が10000000000倍電離しやすくなる。
エステル
ester
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