2002/1/27（日）〜1/31（木）　27日早朝に亡くなった夫は29日まで３日間、白装束で家に休んでいた。昼間は色々助けて下さる方々が来て下さっていたり、電話がかかったりと忙しく、でも私はただ、ぼぉ〜としているだけで、何も手につかない。夜になってヒロスケと二人になるとホッとする。北ブライトホールで２９日お通夜。３０日お葬式。公益社の人が「出棺挨拶は息子さんか葬儀委員長か？」と当然のように男の方を見るの癪だった。瞭さんに一番近いのは私じゃないの！

2002/2/1（金）　1/20過ぎ頃から看病などでちょっと普通の生活が出来てなかった。３０日のお葬式のあとで、やっとご飯が食べられるようになった。今までは私がボォ〜としているから、ヒロスケがお弁当など買ってきてあてがってくれていたが、今日はお炊事もする。
　お葬式のあとはまあ毎日忙しいこと。電話や書類書きや証書集め？など。整理の悪い私だから必要書類が出てこず、１日いらいらと探し回っている。今日は健康保険など５カ所へ行った。

2002/2/2（土）　ふくやま先生にお礼のご挨拶にヒロと一緒に行く。ついでに私は診察して貰う。血圧が下がって、脈が止まる不整脈が出ているそうだ。村瀬先生はほとんど毎日来て下さって、本の整理や色々気遣って下さっている。村瀬先生が帰られたあともヒロスケは村瀬先生が分類なさった本の山を縛ったりして大働き。私は相変わらずボォ〜。

2002/2/3（日）　ヒロスケがほんとによく働いてくれた。ねぇ、お父さん、と声を掛けたいのに、その人はいない。こういう何気ない小さな会話が出来ないと言うのがほんとにつらいものだ・・。ヒロは８日間京都にいたけど仕事もあるので今日東京へ帰っていった。義妹の幸美さん来てくれる。今日は節分か。毎年二人で吉田神社へ行っていた・・。あ〜　ひとりになった・・。

2002/2/4（月）　苑子先生のメールに「あちらの世界にてあらたな観察者として、おそらくは書き手として、旅程をくまれたのだろうと思います。」と書いてあった。瞭さん、向こうへ行っても原稿用紙広げるのかな・・。沢山の供花に水を遣るのは難しい。畳にこぼれないように。相変わらず整わない書類探し。

2002/2/5（火）　幸美さんと平田さん来てくれる。門扉のかんぬきがこわれたのと、カメラのついた呼び鈴（インターフォン？）がほしいので、生協の「住まいの情報館」へ幸美さんの車で連れて貰う。葛木？とかどこか遠いところだった。帰り「萬重」へ寄りお料理の支払い。帰って、４時に村瀬先生が来て下さる。

2002/2/6（水）　ふくやまクリニックへ行く。朝起きるとき頭痛するし、幸美さんが「それは風邪や」と言ったのだが、先生は風邪ではなく花粉症の始まりだと、アレルギーのお薬を出された。区役所へまた証明を取りに行く。

2002/2/7（木）　関電、大阪ガスへ名義変更、払込先変更の手続きに。銀行へ私の口座からの引き落とし手続きに。まだまだいっぱいこういうことをしなければならないのだなぁ。ＮＨＫやWOWOWもそうだし、電話も・・。４時、生協が門扉を見に来る。平田さんも来て下さって私の代わりに色々交渉。私はまたボォ〜。毎晩ヒロスケが心配して電話を掛けてくれる。

2002/2/8（金）　朝から書類整理しているうちにお昼が過ぎる。午後行くところがたくさんあるので、自転車で出た。瞭の分のDocomoのケータイを解約した。「ケータイ、回収していいですね」と言われて渡してしまったが、あとで後悔。寂しい。瞭さんと掛け合ったケータイ。テーブルを挟んで顔を見ながらケータイを掛けて遊んだ日。２人分ケータイを買ったらとても喜んで「これなら寝ながらでも掛けられるネ」と言っていたのに、使えたのは３日もなかった・・。瞭さん、私に電話を掛けて下さい！

2002/2/9（土）　大津から三田村さんが来て下さった。ご自分の畑で穫れた野菜を持ってきて下さった。ふくやまクリニックの福山先生も夫のお参りに来て下さる。
　しまった、今気がついたけれど、明日のパンがない！　パンが好きだった夫は、いつも気を付けてパンを切らすことはなく、私はそれに頼っていたから、一人になるともうこの調子。

2002/2/10（日）　夕べは久しぶりにパソコンに向かいホームページの更新をした。私がいつ日記を書くか？とご心配して下さってる方があるようで、私も寝込まず頑張っているところをお知らせしたくて・・。「瞭さんが逝ってしまった」のページと、死ぬまでの道のり？を書いたページを作って、寝るのが夜中になってしまった。
　今日はとても寒かった。午後智子さん来宅。

2002/2/11（月）　やっぱり朝は頭痛。今日は気力がなく事務的なことを片づけものも、何をする気も起こらない。いっぱいすることがあるのに、何をしたらいいか分からず泣ける。パソコンで名簿作りもしなくっちゃならないけど。色んな方にお礼状も出さなくちゃならないのに。午後大宮クラブの川村会長が来て下さる。

2002/2/12（火）　昼間、家の前で近所の大石さんと少しお喋り。去年ダンナさんを亡くされた方。夜、ヒロと電話で話しているとき、「地震だ！揺れてる・・かなり大きい！」とヒロ。東京は地震だったらしい。

2002/2/1３（水）　道で児玉先生（同志社女子大学の前学長）と会ってお喋り。お饅頭屋さんの話とか。児玉先生はほんとにお若く見える。午後朝日新聞の記者角谷さんが上野瞭について取材に見える。元気にお答えしていても、瞭の言った言葉とかを聞かれると、そのときの状況を思い出し声がウルウルとなってしまう。角谷さんも一緒に涙を流してくださった。
　加藤寿美子さんと、Ｐｅｎｎｙから優しい手紙が来た。今夕のおかずは鶏肉と小松菜の卵とじ、レタス・大根・ブロッコリーなどのサラダ、味噌汁、納豆・・などあり合わせ。貧しいなぁ。

2002/2/1４（木）　式子さんが来て下さった・・ようだ。多分家にいたと思うのに、気がつかなかった。申し訳ない。パンやお寿司を置いて行って下さった。ありがとうございます。

2002/2/1５（金）　平田さんに小障子を貼り替えてもらった。昔のもので桟が細かく苦労をおかけしたみたい。でも器用な人。告別式に来ていただいた方の名簿作り、入力まだ４０人分！

2002/2/1６（土）　東京からまたヒロが来てくれた。村瀬先生も来て下さって、また二人で本の整理に大働き。佐々木先生もちょっと来て下さった。

2002/2/1７（日）　ヒロとルネッサンスビルのGioGio？でランチを食べて、東本願寺前の小堀仏具店へ仏壇を見に行く。ヒロはデザインで選ぶから、ゴテゴテしないシンプルなものを選び、安いのになってしまった。東本願寺ではご本尊の掛け軸を求めるが、これもデザインで選び、こちらは最上のものになった。

2002/2/1８（月）　今日のお昼はヒロと二人「蔵」で喜多方ラーメンを食べる。病床の夫が村瀬さんに「喜多方ラーメンを食べてこい」と言って、村瀬さんを困らせていたものだ。ヒロは街へ出て、アンティークの人形や額を買ってくる。今日の夕食は、肉じゃが、焼き鳥・レタス、野菜入り大豆煮、納豆、漬け物、など、最近はご馳走じゃなくてコチョコチョとおばんざい的なものしか作らなくなった。

2002/2/1９（火）　ヒロと二人で霊源寺へお墓参り。いつも迷うのだが、タクシーの運転手さんに道を言うのも難しかった。お昼は烏丸六角の「梅の花」で湯豆腐膳。伊勢丹へお香典返しを見に行く。ヒロ、東京へ帰る。夕方、東京から小川さんがお参りに来て下さった。平安高校の教え子で今は画家。

2002/2/20（水）　「ひげよ、さらば」の１９刷が出るようだ。ところがその印税を入れて下さる銀行が、もう夫の口座をストップしてしまっているようだ。と、理論社から電話。今夕は大根とひろうす煮、照り焼きカレイ、レタス・トマト、煮豆、漬け物・・やっぱり年寄りっぽいおかずになってしまったなぁ！

2002/2/21（木）　またパンを買い忘れた。それで今朝はコーンフレークを食べた。英国でホームステイしていた時は毎朝これだった。

2002/2/22（金）　名簿入力。でも捗らない。

2002/2/23（土）　高島屋・大丸のポイントカードの変更。瞭の分の退会届けなど。家にいると割に元気だが、外に出るとダメ。あんなによく出かけたデパート。特に４Ｆの紳士服売り場や地下の食料品売り場を見ると思い出して目がウルウルしてしまう。悲しいなぁ、私は一人で歩いているのだ。何だか草臥れ果ててクタクタになった。
　高橋さんから綺麗なお花をいただく。

2002/2/24（日）　今日は日曜日。用事を休んで、初めて自分のために外出した。１０人に会ってお昼を食べて、勉強して、お茶を飲んで。帰ったら玄関の前にお花が置いてあった。名刺をみるとヒロの友人の孝彦ちゃんだった。e-mailでお礼を書く。岡野さんから電話。電話口で涙声。４年前のちょうど同じ頃岡野さんのダンナさんも癌だった。そして一昨年亡くなられた。

2002/2/25（月）　朝８時半から門扉を替えに来てくれる。これで少し用心よくなって安心かと思ったら、杭の下のセメントが乾かないから今日は扉をつけられず、一晩扉無しなんだって。開けっぱなし。用心悪いわ〜。
　仏壇下の台に黒いカバーを縫っていたら、平田さんが「部屋の雰囲気がベージュなのに黒はきつすぎる」と言われて、縫うのを途中でやめる。平田さんが、本棚で横になっている本を「精神衛生上悪い」と縦に並べ替え。なるほど縦に揃えた方が綺麗だ。午後、伊勢丹の大谷さん来宅。

2002/2/26（火）　9:30、インターフォーンをつけに来てくれる。前のは古くて「ジー」と低い音がして私には聞こえにくかった。今度は今風に「ピンポ〜ン」だ。午後、朝日新聞の角谷さん来宅。私のＨＰに入れている瞭さんの写真を借りに。今日も一度も外へ出なかった。あんなに毎日二人で出歩いていたのに。

2002/2/27（水）　今日はヒロの誕生日。そして、あぁ・・もう１月経つのだ。えーっもう？まだ頭の中は何が何やら分からない状態。瞭さん、ほんとにいなくなったの？今どこにいるの？と写真に向かうと涙が出る。
　午前、平田さんが仏壇下のカバーを作ってきてくれる。器用な人だ。それから中島さんが小さな物置を持ってきてくれて、お昼過ぎには花市さん、２時過ぎには庭章さんが門扉の仕上げに。１日バタバタしていてお礼状も書けない。

2002/2/28（木）　やっと告別式の名簿を打ち終わって、今度はお通夜の名簿入力を始める。

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