
吉川町大畑地区の伊勢講は、年3回、4つの隣保ごとに分かれてそれぞれ5〜8名程度の参加者
で行われています。
当番の家では「天照皇大神宮」の掛け軸を床の間に掛け、その前に御神酒、焼き鯛、お米などを
供えて祭ります。そこへメンバーが集まりめいめいお参りを済ませると、後は飲めや歌えの
宴会が始まります。
2〜3時間たった頃、まだへべれけになる前に「帳渡し」が行われます。
この帳渡しは、当番の人が次の当番の人
(一番上座に床を背にして座るので“床柱”と呼んだりする)
に引き継ぎをする儀式です。
まず当番の人が湯飲み茶碗になみなみと注がれた酒を飲み干し、
空になった湯飲み茶碗を床柱の人に、当番の順番と簡単な決めごとを書いた半紙で作った帳面と共に渡し、
またなみなみと酒を注ぎます。受けた人はそれを自分で飲み干すか、できなければ他のメンバーに
回したりして空になったら引き受ける旨の挨拶をして。引き継ぎが終わります。
そしてその儀式が済むと一応お開きということですが、それで終わったことはありません。
4年に一度、地区合同で伊勢参りをします。
交通の便のないその昔は、講の中でお金を溜め、代参という形で数名で参っていたと思われ、
そのための伊勢講であったろうと想像できます。
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