吉川町大畑地区内の講

天王講   庚申講  伊勢講   講頭講  祇園講  愛宕講

これらの講はそれぞれ地区民の半数以上で構成されております。 家内安全や五穀豊穣などを祈り、それらの神々を祀るための講です。
いつ頃から始まったものかはわかりませんが、伊勢、祇園、愛宕などの名前で想像できるように 有名な神社を本社とし、そこで祀られている神様を信仰対象としており、また数年に一度その本社に お参りに行ったりする講もあります。
それぞれ決まった日にお祭りすることになっており、餅撒きをしたり宴会をしたりで、 親睦の要素もかなり多いようです。

タイトル伊勢講

吉川町大畑地区の伊勢講は、年3回、4つの隣保ごとに分かれてそれぞれ5〜8名程度の参加者 で行われています。

当番の家では「天照皇大神宮」の掛け軸を床の間に掛け、その前に御神酒、焼き鯛、お米などを 供えて祭ります。そこへメンバーが集まりめいめいお参りを済ませると、後は飲めや歌えの 宴会が始まります。

2〜3時間たった頃、まだへべれけになる前に「帳渡し」が行われます。
この帳渡しは、当番の人が次の当番の人 (一番上座に床を背にして座るので“床柱”と呼んだりする) に引き継ぎをする儀式です。
まず当番の人が湯飲み茶碗になみなみと注がれた酒を飲み干し、 空になった湯飲み茶碗を床柱の人に、当番の順番と簡単な決めごとを書いた半紙で作った帳面と共に渡し、 またなみなみと酒を注ぎます。受けた人はそれを自分で飲み干すか、できなければ他のメンバーに 回したりして空になったら引き受ける旨の挨拶をして。引き継ぎが終わります。

そしてその儀式が済むと一応お開きということですが、それで終わったことはありません。

4年に一度、地区合同で伊勢参りをします。
交通の便のないその昔は、講の中でお金を溜め、代参という形で数名で参っていたと思われ、 そのための伊勢講であったろうと想像できます。

タイトル講堂講

講の人数は二十数名で、毎年9月13日に当番の者、三名(家の方一人ずつ加わって六名)が 地区の公民館の小さなお社に、洗い米、甘酒をお供えし、榊を飾って祭ります。

昼ごろに他のメンバーが参ってきて、その後当番の方が準備された酒食のもてなしを受けます。 内容は、ゆでだこの刺身、茄子の味噌あんかけ、小芋とたこの煮物、かぼちゃの煮物、簡単な オードブルと決まっています。お酒の量も決まっており、1時間半程度でお酒がなくなりかけたら 帳渡しをして終わりになります。

何が祀ってあるのかはっきりとは分からないのですが、何でも 牛の神さんが祀ってあるとか、講の頭の講と書くので、一番格が上なのではないかと云わています。

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タイトル祇園講

7月7日、6人のメンバーで山の中にあるお社(たぶん京都の祗園さんのお札が入っている)を祀ります。と言っても周りの掃除をしたり、 簡単なお供え物をする程度です。ただその日を含めて七日間お社に灯明を灯すことになっており、 それで当番が6人になっているらしい。

昔はどうであったか知りませんが、現在はろうそく一本に火をつけてお参りしたらその日はおしまいとなっています。

その昔この地域で疫病が流行り、防疫神として名高い祇園社(八坂神社)のお札を祀ったのが 始めらしい。吉川町内に祇園さんと呼ばれるお社が結構あるようです。

祇園さん祠

階段を上りきるとお社がある

愛宕講

愛宕さん祠

7月24日、去年(平成13年)移転新しくなった、やはり小さなお社を、お供え物をして祭ります。 火伏せの神として知られる京都の愛宕神社のお札が祀ってある。

祇園さんも同じですが、長い間講参りもしたことがないようで、いつのお札かは分かりませんが。

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