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「修学旅行か〜〜〜〜。どこいくの?」
今、僕が何しているのかというと、修学旅行の班分けだ。
学校にあまり来ていない半登校拒否児童っぽく見られるであろう僕は修学旅行の存在すらも今日まで知らなかった。
で、今日は班分けで、数日後に出発・・・・・・・班分け遅くないか?
児童の数が少なくてそれでもいいのかもしれないけど。
ちなみにメンバーはトウジとケンスケと今決めている最中の女子3人による計6人で一つの班である。
「どこって、沖縄だよ。お・き・な・わ!届けたプリントにも書いてあったろ?」
もちろんそんなプリントは中身を確認せずにゴミ袋いきしてるに決まってるじゃないか。
「ちゅうても女子は殺気だってるの〜〜」
そう、男子は仲の良いもの同士で、女子も仲の良いもの同士。
仲の良いもの同士で作ったグループ同士をくじで合わせて班の完成なのだ。
「まあ、理由はわかっとるが、気に入らんのお。」
確かに緊迫した空気がなぜか流れているが、理由は見当がつかない。
「どんな理由なの?」
そう僕が言うとケンスケとトウジが明らかに顔をこわばらせた。
なぜ?
「せんせぇは理由がわからんみたいやの。」
「ホントにわからないのか?」
何がどうしたの?
「全然わかりませんが。」
「あ〜〜〜〜!こんな奴になんで!?自覚症状の無いコイツになぜ!?」
は?
「僕に理由があるの?なぜ?」
「ほんまわかっとらんようやの。」
なぜか二人とも塞ぎ込んじゃった。
僕・・・・なにか悪いことでも言った?
「なになになに?なにさ?」
問う僕に二人は答えてはくれない。
・・・・・・・忘れることにしよう。
「やったあああああああああ♪」
「きゃああああああああああ♪」
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「うそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「え〜〜〜!いきなり?」
「・・・・・・・・・・・・・」
女子の感嘆の声が数名にあとは悲鳴・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ビックリしたな。
何を急に大声出してるんだ?
・・・・・・・・・ああ、僕たちと同じ班になる女子が決まったのか。
でも、なぜそこまで声を出すんだろ?
あとは非常にスムーズに班分けが終了した。
そのあと班会議が行われた、班長などを決めるのだ。
「よろしく♪」
「よろしくね♪」
「よろしく・・・」
女子が礼儀正しく挨拶をしてくれた。
「こちらこそよろしく。」
新さんに三井さんにレイか。
退屈はしないか?
・・・・・・トウジと一緒の時点でもう一波乱決定状態か・・・・・はあ・・・・
「わしらにはあいさつなしなんか?」
「なぜだ・・・・なぜだああああああああ!!!」
なぜか二人ほど涙を流してるけどどうしたんだろう?
挨拶ならしてくれただろう?
なんだかんだで僕が班長になってしまった。
僕にスケジュールをしきれと?
僕は内心頭を抱えた。
修学旅行はあまり移動を必要とする自由時間が無く班行動はほとんど無いといってよかった。
「はい、では18時まで自由時間とします。18時から夕飯なので遅れないように。」
海が近いホテルなので自由時間は海で泳ぐのが主流みたいだ。
テニスやらバスケットやらもあるみたいだけど普段こない海に来ているのだから泳ぐのは当たり前か。
海への移動中に話題はアスカのことになった。
「結局アスカ来なかったね。」
「綾波さんが来てるから怪物が来てるわけでも無いよね?」
そう、あの使徒にやられる前に見て以来アスカの姿を見ていない。
「前の使徒にやられたみたいでまだ入院中なのかもしれないね。」
僕の憶測を話しておく。
「は?惣流はやばいんか?」
双竜?会話の流れからアスカのことか?
トウジが心配顔で聞いてくる。
トウジってアスカのこと好きなのかな?
「さあ?あくまでも予測だよ。レイ、そのへんどうなの?何か知ってる?」
なにやら不機嫌に見えるレイは僕の問いに丁寧に答えてくれた。
どうでもいいけどさ、なんでスクール水着?他には無かったの?
「碇君が使徒殲滅後、自主訓練をしているわ。」
「なるほど、彼女らしいね。そういうことみたいだよ。」
全く彼女らしい。
一番じゃないと気に入らないんだね。
そうしないと壊れるから・・・・・・・僕に似ているかも・・・・
・・・・・え?似てる?僕が?彼女に?なぜ?
自分の心の声に反応して答えをさがすが出てこない。
なんで?僕が壊れるの?壊れたから今の僕がいるの?
「碇君?」
「え?あ、ごめん、考え込んじゃったよ。」
レイの声に我にかえる。
「何を考えてたの?」
自分のことです。
「秘密です♪」
「え〜〜〜〜。教えてよ〜〜〜」
「そうそう、減るもんじゃないんだし♪」
僕の秘密に興味あるのか新さんと三井さんがおねだりしてくる。
「駄目です♪気が向いたらね。」
「あ〜〜〜〜、さてはアスカのことでしょ〜〜〜〜。」
「アスカと付き合ってるの?」
何を言い出すんだか。
トウジ、顔が怖いよ。
「そんなわけないよ。双竜さんのことで考え込んだんじゃないし付き合っていません。これでいい?」
「じゃあ綾波さんと付き合ってるの?名前を呼び捨てだし。」
「怪しいよねぇ〜〜。」
海にもうついてるのに会話に花が咲いてるよ。
「僕はフリーです。これでいい?」
究極な答えだとおもうのは僕の気のせい?
「「そうなんだ〜〜〜〜♪」」
なんだろう?
・・・・・・・・・・・なんかトウジとケンスケの視線が妙に・・・・・
新さんと三井さんの二人も妙にニヤニヤしてるし。
「なにかな?」
「この裏切り者おおおおおおおおおおおお!!!!」
涙を流して訴えるケンスケ、怖いよ。
「うらやましいのぉ〜〜〜。」
なにが!?
「はあ。」
思いっきりため息をついて海に向かう。
せっかく海にきたんだから泳がなくちゃね。
「で?何のようですか?」
決まっていた。
ネルフの人が僕に用があるときは使徒が来たときだけだ。
ネルフの人・・・・というか葛城さんに海で泳いでいるときに呼び出されたんだよね。
しかも呼び出し方が担任が呼んでいますって、担任じゃないじゃないか!
「使徒が出現したのよ。お願いできる?」
やっぱりね。
「駄目です。さようなら。」
即として席を立つ。
「なぜ駄目なの?理由を聞かせて。」
あれ以来態度が柔らかいな。
まあ、僕の対応の仕方を覚えたとも言えるけど。
「約束が果たされていませんでした。僕の部屋にはまだ盗聴器ないしは隠しカメラの類がまだ残っていました。報酬が支払われていません。」
葛城さんは驚いたような顔をした。
「そんなはずないわ。全部取り払ったもの。」
「あなたが取り除いたんですか?違いますよね?残っているのは事実です。」
「それじゃあ、撤去を私が責任を持ってするわ。それでいい?」
責任を持って?
「それで取り除いてなかったらネルフを敵と認識しますよ。」
どうでもいい存在から敵に格上げだ。
「・・・・・それでいいわ。来てくれる?」
「報酬は?前にも言いましたけど、前よりも良い報酬じゃないと駄目ですよ。チャンスは一回です。」
「使徒は今、動けない状態にあるのよ。お願い。捕獲して研究するチャンスなの。力を貸して。」
「そんなことを聞きたいんじゃありません。報酬は?」
思案顔になりなにやら考えている。
何か決心したような顔になった。
「ネルフの施設を使用していいわ。データベースとかを見れないけど、ネルフの中を歩き回れる権限をあげるわ。それに一億これでどう?」
ネルフにいかないし・・・・・・・いらねえ。
「プールとかなんとかもあるし設備はいいのよ。お願い了解して!」
拝まれてしまった。
「なぜレイに言わないんですか?僕じゃなくてレイでもいいでしょ?」
「零号機はまだ修理中なの。」
「レイは初号機も使えましたよね?」
「うまく動かせないのよ。前に初号機にのせたデータから判明しているわ。まともに動かせるのはあなただけなのよ。」
なんだかな〜〜〜〜〜。
「・・・・・・・いいですよ。連れて行ってください。」
僕ってもしかしてすごくあまい?
「ありがとう、シンジ君」
大人とは思えない笑顔・・・・・ま、いっか。
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