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ただいま学校にて、愚痴とか悪口とかを聞き中。
昨日の晩御飯はうめくできなかったことを悔やんでいたところトウジとケンスケにからまれたのだ。
朝っぱらからテンション高いトウジに冷静に泣き言を言うケンスケ。

「でな!すっごくかわいかったんだよおおおおおおおお!!」

ケンスケ・・・・・泣きながら絶叫するのはいかがなものかと・・・・

「ちょっと可愛いからってな!調子のりすぎやねん!」

ちょっとどころの可愛さではないと思うけど・・・・・・
あれ以上を探すのはホネだよきっと。
・・・・・・レイがいたか。
可愛い娘って意外にいるものだね。

「ま、二度と会うこともないやろけどな。」

まあ、普通はね・・・・・普通じゃなかったから会う予感するんだよなあ。
そう、今日あたりにでも・・・・・
あ、レイだ。

「おはよう。」

レイに呼びかける。
レイはちゃんと僕の声に反応して。

「おはよう。」

と、返してくれた。
無視したら向こうから挨拶してくるかな?

「こら!きいとんのかい!」

「恋人がきたからって逃げるなよ!」

「はいはい、聞いてますよ。」

誰が恋人ですか。

「でも、警察に捕まってすぐに開放してもらったのは不幸中の幸いだったな。」

「当たり前や!そもそも誤認逮捕やんけ!謝罪があってもいいくらいや!」

「あれ?二人とも捕まったの?前科持ちになったんだあ。」

そもそもエヴァの戦闘を邪魔している時点で前科持ちか・・・・・

「そやねん!のびてる間につれてかれてん!」

「それに自分がやったっていうまで飯抜きとか言われるし。」

あ、チャイムが鳴ってる。

「着席しなさい。先生がくるよ。」

このクラスの担任は老人だからなのか、チャイムが鳴るとすぐに入ってくる。
やっと二人の愚痴から解放されて自分の世界に入ることができる。
やっぱり、昨日の戦闘がまずかったのかな?
卵が無事だったのは奇跡として、炭酸系を揺さぶったのはいたかった。
牛乳も泡立ってたもんなあ。
あと、圧力が変に加わったのか肉が変形してたのはいったい・・・・・
そうそう、デパートで買った作ってあるコロッケを暖めたら爆発したのはビックリしたな。
おもわずおまえは卵か!!!ってツッコミをいれてしまったし。
次は冷凍食品にでも手を出してみるかな。

「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしくお願いします。」

はずれには二度と手をださないとして・・・・

「なんやあの外面のよさは・・・・・」

「彼女ってかっこいいよね。」

シュウマイあたりははずれはないだろうし。

「マジかわいいじゃん。」

「スタイルが抜群だな。腰の高さが違うぞ。」

クリーム昆布巻きの煮付けとかゲテモノには手を出すべきか否か・・・・・

「見てあの髪。金髪よほら、サラサラ。」

・・・・・・・一度は食べとくかな・・・・

「では授業を始める。」

あ、授業だ。意識を授業に向けないと。





昼休みになって人だかりができてる。
いったいなんなんだろう?
まあ、いいや、自分の力作のお弁当でも食べてよう。
食べ初めて少しすると昨日の女の子が目の前に現れた。

「あなたがサードチルドレンね?私はエヴァ弐号機のパイロットなの。これからよろしくね。」

昨日の乱暴さを微塵も見せずに近くで丁寧に挨拶している。
とりあえず気にせず弁当の箸をすすめる。

「ちょっと!何無視してるのよ!」

僕の机がたたかれる。
もしかして・・・・・・

「え?さっきのあなたって僕のこと?」

「あんた以外にいないでしょ!!!」

近くであまり叫ばないで・・・・耳が痛いから。

「でも、僕はサードチルドレンじゃないし・・・・僕じゃないと思ったんだ。ごめん。」

あくまでもマイペースに返す。

「え?サードじゃないの?ごめんなさい。人違いだったみたい。」

素直に謝って自分の席に引き返していく。
僕がサードチルドレンになってたら縁ができたかもしれないな。
それよりもお弁当♪
ものすごい勢いで接近する物体を感知。

「やっぱりあんたがサードなんじゃない!!!」

僕をサードチルドレンにしたいのか?

「違うっていってるでしょ?サードチルドレンとしての登録を抹消してもらってるから僕はサードチルドレンじゃないの。」

もともとは登録も許可した覚えはないんだけどね。
あ、そういえば消えたかどうか確認してないな・・・・・ま、いいか。

「抹消って?あんた何かへまでもしたの?」

不思議そうな・・・・それでいて怪訝そうな・・・・形容しがたい顔をしている。

「さあ?でも、もともと登録を許可したわけでもないのにそんなものにされてたから抹消してってお願いしただけだし。」

「はあ?名誉あるエヴァのパイロットを自分から降りたって言うの?」

名誉なんてあったんだ。

「そういうことになるかな。」

「バッカじゃないの!なんで自分からおりなきゃいけないの?私たちが乗らなかったら人類は滅亡するのよ?わかってるの!」

「乗りたくないから乗らないんだよ♪それに君が人類を守るんだから僕なんかがいなくても充分だよね☆」

勢いづいていた女の子が僕の言葉になにやらうつむくように考え出した。

「当然!あんたなんかいなくても全然問題ないわ!安心して守られてなさい。」

クスクスクス。扱いやすい娘だな。

「うん♪期待してるよ♪♪」

「まっかせなさい♪」

ふんぞり返って自分の席につく少女・・・・・・名前ってなんていうんだろ?




放課後に家具を見回っていたらNERVの人に捕まってしまった。

「出撃要請って。まあ、いいんですけど。エヴァのパイロットがついたんでしょ?僕にわざわざ要請ださなくてもいいと思うんだけどなあ。」

ため息混じりにちょっとした抗議をする。
ネルフの人も困った顔をしている。

「上の命令なんですよ。ついてきてもらえませんか?」

「命令じゃ仕方ないですもんね。ご苦労様です。逝きましょうか。」

まさに逝くだろう、とか思うが、きっと伝わってないだろうな。
はあ、また使徒がきたのか・・・・・飽きないなあ。





「使徒が攻めてきたの。すぐにエヴァに搭乗して迎撃準備を整えなさい!」

葛城さん、学習能力低いのでは?作戦立てる人でしょ?僕に対しても作戦立ててよ。
立てた結果がこれだと悲しくなっちゃうけど。

「お断りします。」

「なんでよ!」

「言葉遣いが気に入らないので。」

「・・・・・・乗ってくださいお願いします。」

やればできるじゃないですか。

「報酬は?無償で乗る気はないですよ。」

「また、一億出すわ。」

何かこめかみの欠陥がピクピクしてるような気がしないでもないですけど・・・・・・

「・・・・・まあ、いいでしょう。出撃準備しますね。」

このお金で銀を買ってI-ブレインの補助を新しく作るか。
夢でみたあの騎士剣を作ってみよう。

「シンジ君。今回は零号機に乗ってね。」

更衣室に向かおうとした僕に赤木さんが声をかけてきた。

「零号機ですか?いいですけど、動かせるんですか?」

「前の戦闘での傷も予想より軽くて修理も終わっているわ。」

「そうじゃなくてですね。僕に零号機をうごかせるんですか?確か適格者でしか動かせないってきいたんですけど?」

「理論上は動かせるはずよ。実験に付き合ってくれれば実証できたのだけど、どころでどこで適格者の事を聞いたの?」

「クラスメートに教えてもらいました。」

赤木さんの含みを見事に無視する。
実践で実験するとはなかなかの学者根性ですよ。
そして僕は更衣室に向かった。






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