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シャワーを浴びたあと、まだLCLで濡れている服を着る。
前のときもそうだったけど、なんで変えの服ないかな?
更衣室をでると見覚えのない男の人がカードを差し出して僕に話しかけてきた。
なぜに帽子を?制服ですか?大変ですね。
「コレが報酬だそうだ。」
「カード?・・・・まぁ、そうでしょうね。で、どうやって使うんですか?」
「普通のクレジットカードのように使える。」
「お金はおろせないんですか?」
「どこの銀行ででもおろせるようになっている。」
どういうシステムで全銀行で使えるようにしたのだろう?まぁ、使えるならいいか。
僕はカードを受け取り頭を下げて道をききその場をあとにした。
地上に出るためのルートを進んでいると話し声が聞こえてきた。
普通なら無視するのだが碇シンジという名前が聞こえてきたので無視することもできなくなってしまった。
聞こえてくる声は赤木さんとお父さんのようだ。
「最悪、彼をてなづけるために洗脳となった場合、エヴァとのシンクロに問題がないとは・・・。」
「その場合は初号機のデータをレイに書き換えるまでだ。」
「はい・・・・・。」
洗脳される・・・・・まぁ、考えなかったわけじゃなかったけど、一番偉い人が否定してくれた。
ちょっとは安心していいかな?
ここは大人しく見つからないように退散すべきだと思う。
でもちょっと言っておきたいことがあるな・・・・
「さっさとレイのデータに書き換えたら?自分の息子っていっても他人で部外者なんだから、子飼の身内のほうが安心でしょ?」
僕の存在と話が聞かれたので驚いているようだ。
大事な話ならこんなところでするなよな。
ちなみに僕も驚いている。
まさかレイがいるとは思わなかった。
「いつから聞いてたの?」
これは赤木さん。正直に答える。
「洗脳ってとこからだよ。まぁ、お父さんがしない方針みたいだから安心したよ。」
「ここをどこだと思っている?」
お父さんが珍しく声を出した。
「どこって?本部の中でしょ?」
ほかにどこの可能性があるのでしょうか?
「ここは上の人間しか入れない場所。」
何だって?僕は露骨に眉をゆがめてしまった。
「え?ネルフの人に教えてもらった地上にでるルートを歩いてきたんだけど・・・・・。」
「教えてもらっただと?そいつの名前は?」
「知らないよ。名札なんてつけてたっけ?」
興味ないことだから聞いてない。
「ならばどうやってここにきた?認証とかはどうやって抜けてきた?」
饒舌になってる・・・・それだけ重要なことなのか?
「普通に歩いて、ドアとかいっぱいあるでしょ?・・・・・・・・。あの、間違ってたなら地上までどういけばいいか教えてくれませんか?」
「その前にどう歩いてきたか教えてもらえる?普通はここへはこれないの、これるルートがあるなら見直さなきゃならないから。」
当然だね。実践以外のことは一流ってこと?でも、僕を尋問とかしないってことは二流の証かな?
「いいですよ。引き返すだけでいいですよね?」
そういって歩き出した僕のあとを赤木さんがついてくる。さすがにお父さんとレイはついてこなかった。
「あなたは何者なの?」
それは僕が一番しりたいんですけど。
「僕は僕です。それ以外のなにものでもありません。」
「詭弁はいいの。あなたは何者?」
「質問の意図がわかりにくすぎます。それにそれはあなたが決めることです。僕が何なのかはその人によって違うんですから。」
「詭弁はいいっていってるでしょ!ここに来る前のあなたとここにいるあなたはどう見ても違う。気弱な、人に服従する人間って報告にはあったのにあなたは全然違うわよね?どういうことかしら?」
「報告した人の勘違いでは?」
記憶がないことは黙っていよう。
そうこうしてるうちに案内し終わった。
ややこしいことになりませんように。
あのあと意外にもすぐに開放された。
拘束されたり罠にはめられたりしなかったが、それにはなにか考えがあったのだろうか?
答えがでない問いのような気がしたので無視することに決めた。
僕は地上にでてその足で宝石店にいった。
夢の中にでてきた科学者が言っていたミスリルを作るための銀を手に入れるために。
何かとややこしい世界のようだから能力を限界まで使えないとやっていけないだろう。
もっとも、自分の最高の能力限界ってどこなのかわからないが・・・・・・。
「お客様ですか?」
「はい、銀の装飾品はありますか?」
「彼女にプレゼンとですか?」
当然の質問だね。
「いいえ、僕が身に着けるので。」
「そうでございますか。それではこちらですのでゆっくり選んでください。」
露骨に意外そうな顔をした後営業スマイルに警戒を押し込んだ顔をした。
なんだろう?あ、しまった
ここに直行してしまったせいで金額の確認していなかった。
これは重要なことだぞ、、、、さっきの人がなんか顔が怪しいなって思ったら僕が万引きするとかなんとか思ったんじゃないのか?
仕方のないこととはいえ、ちょっとショック。
それはさておき銀細工選びだ。作成・・・・・・ということは体積があるほうがいいだろう。
同素体ってなんだろう?当たり前だけど知らないものは知らない。調べてくればよかった。
「やっぱりブレスレットかなぁ。」
なんとなく一番適してそうだ。
結局鎖みたいになっているブレスレットを買うことにした。
問題はお金だけど、、、、、、
「カードでお願いします。」
もらったばかりのnervと書かれたカードを渡す。
びっくりしてるよこの人。
あ、なんか顔が青ざめた。なんだろう?
「どうしたんですか?」
「いえ、残金が2億と出てきたもので、故障かとおもいまして。」
そりゃあこんな子供が億単位の金をもってるとは思わないよね。
「あってますよ。なんたってNERVですから。」
多分にこういう言葉ですべてが解決するときがある。
今回もこれで解決した。・・・・・・なんだかなぁ。
「あの、この店自慢のルビーがあるのですが・・・・見ていきませんか?」
「今回は遠慮しておきます。」
何か売りつけられそうだったのでそうそうに切り上げる。
それに一刻も早く試してみたいという気持ちがあったから。
帰り道に銀行によって200万ほどおろす。
やっぱり、現金のほうが信頼あるからね。
無地に家に帰りさっそくミスリルを作ってみることにした。
「I-ブレイン起動」
静かにつぶやく。
大声で叫んでも恥ずかしいだけだが起動の意思を伝える意味でも声にだす必要があった。
(I-ブレイン起動)
やった。うまく起動してくれた。
さっき買ってきたばかりの銀のブレスレットを腕に巻く。
(Agを検出。ミスリルに変換しますか?Y/N)
Y!
(I-ブレイン全力起動。構造解析完了。変換中。変換完了)
思ったよりずっとはやい。
これでおわりかな?
(論理回路を作成。フルロード/サブロード)
・・・論理回路?サブロード?なんだろう・・・・・けど、全力だすならフルだろう。フルロード!
(フルロード。体積不足。原子分割率1/19倍に設定。原子分割開始。・・・・・・・完了。フルロード開始)
見た目にわかるほどヒビのような模様のようなものが刻まれていく。
何が起こってるんだろう?記憶があったときならわかったのかな?
20分ほど時間が経過した。
(ロード終了。コーティング開始)
さっきまででていた模様がなくなる。
(コーティング完了。I-ブレイン強制終了。128900以上の休憩が必要)
I-ブレインが起動停止と同時にすさまじい頭痛に襲われた。
寒気もする。完全に体調を崩したようだ。
どうしたってんだ。
体を引きずるように移動しベットに移動したとたんに意識が途切れた。
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