08
男たちは帰った。
またすぐに来るだろうけど。
クラスメートたちは僕の戦闘力にびびったのか悪口をやめている。
だが、例外はかならずでてくるもので・・・・・
「おい、トウジやめとっけてみただろう?碇は強いんだよ。」
「やかましい!ちょっとみとれ!」
ケンスケの静止をおしのけ僕のとこにくるトウジ。
やれやれ、どうしてこう突っかかってくるかな。
「むかえきたんやろ?なんでいかへんねん!」
「見てたろ?下手に出てるならともかく有無をいわさずっていうのは我慢できない性質なんでね。」
「ならなんや?土下座して乗ってくださいっていやあのるっちゅうんか?」
「そうだよ。丁寧にお願いされたら多少嫌なことでも、乗るよ。あの人たちがするとはおもわないけどね。」
そう答えるとトウジがひざまずいた。
行動が予想できたので
「ちなみにあの人たちだからね。君がしたって僕は動かないよ。」
と先に言ってやった。
意表をつかれたという顔をした。
リアクションが単純・・・・・・・不合格。
君は芸人としてやっていけないよ。
「じゃあどないせぇっちゅうんじゃ!」
「どうもしなくていいよ。」
冷たく言い放って目を閉じる。
どうせ芸人としては生きていけないんだしね。
それにしても少し疲れている。
意識が薄れていく。
何か聞こえてきた気もするがそのまま波に飲み込まれていった。
学者の講義を受けている僕がいる。
「お前はいろいろな魔法を使える。基本の騎士の能力を説明するからよく聞け。まずは自分の都合のいい世界を作る自己領域。ただし、領域の名のとおり範囲指定だから自分にちかづきすぎると相手まで巻き込むので注意がいる。第二に身体能力制御。これはその名のとおり自分の身体機能を上昇させ判断速度もあげ、無理な運動による体への負担をなくすものだ。第三に情報解体攻撃。これは物質にハッキングをかけて分子結合を分断する。ただし、人間など情報が多いものなどはハッキングできないからな。」
一気にしゃべる学者、それを一字一句聞き漏らさずに記憶していく自分。
「魔法士の戦いは限られた能力を組み合わせ、戦術を立てて戦うものだ。普通、自己領域と能力制御などは自己領域に演算能力を持っていかれるから同時には使えない。しかし、お前は使える。その点だけでもう騎士として最強だ!」
興奮しているようだ。いや、もしかしたらこれが普通の状態なのかもしれない。
「しかし、この最高の能力も引き出すための媒体である外部デバイスがいる。これを自分で製作できる魔法を入れてある。銀という貴金属を媒体に情報金属ミスリルを作れるミスリルは銀の同素体だからな。外部デバイスなしでも魔法が使えるお前ならではの能力だろう?情報の海と自我のリンクが必要なく情報の海の中にじ・・・・・・・・・」
(ラグランジュ準備)
I-ブレインのメッセージで起こされた・・・・・・目覚まし時計にでもできるんじゃないか?
目を出入り口のほうに向ける。
NERVと右胸にサインが入ったジャケットを着た人・・・・・・保安部の人であろう人たちが20人前後の人数で入ってきた。
くそ、さっきの夢の続きが見たいのに。
その人数でいっせいに銃を僕に向けてそのうちの一人が言い放つ。
「我々はネルフ保安諜報部のものだ。保安条例第8項適用により君を本部まで連行する。いいね?」
「良くないです。」
本気で撃つはずないからたぶん倒せるだろうけど、僕は手を上げる。
残念ながらこの人数を倒すには骨がおれる。
(I-ブレイン停止)
「君に拒否権は認められていない。」
さっきと同じ台詞を言い僕を連行する。
「ドナドナド〜〜ナ〜〜〜ド〜〜〜ナ〜〜〜〜。」
クラスメートはかなりビビっていたようだった。
口やかましいトウジも難しい顔をしている。
僕はなぜかドナドナを口ずさんでいた。
僕は今、前に来たゲイジにつれてこられていた。
ここにいるメンバーはさっきの連行してくれたりした保安部の皆さん&葛城さん&赤木さん。
先攻は葛城さんだった。
「シンジ君、使徒が来てるの。あなたしかエヴァは動かせないのよ!」
「レイはどうしんたんですか?あのコがパイロットでしょう?」
「あなたが初号機を動かしたせいでレイとシンクロできなくなっているの今たたかえるのはあなただけなのよ」
僕の疑問に赤木さんが答えてくれる。
あやしいものだ。
「シンジ君、あなたがエヴァに乗らないとみんな死んじゃうのよ!シンジ君の通っている中学校の皆もそれでもいいの?」
「いいですよ。脅迫には応じないようにしているので。」
「あんた、人の命をなんだと思っているの?!人として恥ずかしくないの?!」
「子供を脅迫して戦場に送るよりは恥ずかしくないと思いますよ。」
「いいから、乗りなさい!」
「嫌です。」
微妙に会話がかみ合ってないな。
それに乗りなさいの一点張り。芸がない。
どうせならお姉さんと一晩どう?っとか・・・・・・・それできたら全力で拒否するね。うん。
「乗ってくれるならもう一億出すわ。それでも駄目?」
これは赤木さん。
この人はなかなか交渉上手だと思う。
「前の報酬ももらってないのに信用できると思いますか?唯の口約束で終わらせられるのが落ちです。」
「約束は守るわ。」
「守ってくれたとこを見ていないから信じられないって言ってるんです。」
そう、いつ支払ってくれるのかも言ってくれていない。
しばしの沈黙。そして赤木さんがいきなりとんでもないことを言ってきた。
「そう、無理強いはしたくないのだけど・・・では現時刻をもって碇 シンジをサードチルドレンとして強制徴兵、階級は特務准尉、作戦部所属とします!葛城一尉。」
「ちょっとリツコ!上の許可はとってるの?」
「緊急事態なのよ。それにミサト、私がとってないとでも思ってるの?」
「了解♪サードチルドレンは直ちにエヴァへ搭乗し、すみやかに使徒を撃退しなさい!」
赤木さんと葛城さんの見事な連携。
「お断りします。」
だが、僕はあっさりと断る。
こういうのは普通なのか?
「いいこと?あなたはサードチルドレンとして徴兵されたの。つまり私の命令に従う義務があるの!」
葛城さんが腕を組み僕を見下ろす。
こうしてみると葛城さんって結構長身なんだな。
「あなたたちが勝手に言ってる事でしょう?僕には従う気はありません。」
「いい?命令違反には刑罰がまっているのよ。」
指で銃の格好をつくる葛城さん。
もう本物の銃をつきつけられたんですけど?
「それで?」
「それが嫌ならエヴァに乗りなさい!わかった!?」
葛城さんが僕を指差しながら言った。
刑罰も嫌だけど・・・・・・・・・屈するのはもっと嫌!
「嫌です。乗りません。」
「・・・もう一度いうわ、エヴァに乗りなさい。」
顔の表情を消し、葛城さんが再度、命令する。
「嫌です。」
再度拒否をする。
僕の答えに発令所内が沈黙に包まれた。
「で、独房にいれますか?それとも銃殺刑にしますか?それとも洗脳でもしてみますか?」
目を細くしてちょっと口元をゆがめて聞いてみる。
「保安部のみんな。お願い。」
葛城さんの言葉にその場に残っていた保安部の人たちが僕を無理やりエヴァに乗せる。
僕は学校の制服なんだけど・・・・・・あの液で汚れたり色がついたりしたら嫌だなぁ。
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