恐るべし6東の看護婦さん

すべてやり直しと思わせておいてそうじゃなかったのが6東!それは何か、ズバリ褥瘡{じょくそう}(床ずれ)の処置!もうお忘れかもしれませんが長い間寝返りをうたずに寝ていると血液の循環が無くなり腐ると言うアレですが今回来た病院はこの褥瘡の専門の病院、いや病棟で関西の頚椎損傷、腰椎損傷の患者さんは殆どがここに集まってくると言っても過言ではありません。

でも入院して来て1日目の僕たちはそんなことを全然知らないので「なっ! なにすんねん」の連続でしたがそんな事はおかまいなしに次から次へと作業を進めてきました。

最初は流石にドクターが付いていましたがドクターがいても基本的にやることは同じで、まず足をクロスさせて腰と肩を看護婦さんが持って頭は首の骨が折れている為ドクターが持つ担当なのですが、普通に頭を持ってくれるのではなく、事もあろうに先程メチャクチャ痛い思いをして刺した俸を気安く握って気合十分!(人の新しい触覚を・・・(^^;)絶対安静の筈の僕を「ゆっくり!ゆっくりとやでぇ〜」と大きな声で腰と肩を持っている看護婦さんが叫んで「うん!こっちは大丈夫!」と足を持っている看護婦さんが返事をして「先生は大丈夫ですか?」と看護婦さんがドクターに聞くとドクターは焦って「えっ!う〜んと」と迷ってから「ここ持つわ」とこの時僕の頭に刺さっている俸を握りしめて「ょよし大丈夫」と頼りない声で返事をするので看護婦さんが「先生ゆっくりでも大丈夫ですよ」と言うと「いや!大丈夫」と今度は強気に返事をするドクター(おまえほんまに大丈夫なんか?)看護婦さんもそれを聞いて「ほんじゃぁゆっくりやで!いちにのさん」の掛け声と同時に本当にゆっくり横に向けられていきました。途中でドクターが「ちょっと待って」(やっぱりあかんのか?)と言ったと思ったら「いや!大丈夫」(どないやねん)そのまま横に向けられました。

これが世に言う体位変換というやつです。

横になってからも看護婦さん達は気を抜くこと無く、かくポジションをしっかり持って「先生処置をおねが・・・?!」この時ドクターはまだ頭をうまく固定出来ずに格闘していました。

それを見た看護婦さんが「先生私が頭を持ちますから先生は処置をお願いします」それを聞いてドクターも「お、お願い出来るかなぁ」などと余裕をかまして看護婦さんと交代、看護婦さんが「こう持つんですか?」とまじめに聞いているのにドクターは「要するに首が回らんかったらええねん」と冷静さを装いやがってさっきまで変な声出しながら焦ってたくせになにゆうとんねん

看護婦さんがすぐに固定さして「これでいいですか?」と聞くと「やっぱり看護婦さんの方がチームワークが出来てるなぁ僕普段こんなんせえへんから」とほざきやがった。(何がインフォームド・コンセントじゃ何が医師と患者の信頼関係じゃそういう眠たい事を言う前に患者を不安にするようなお口はチャックじゃボケッ!)これは1985年10月初旬のことでしたが、そんな昔のことをよく覚えていると思いませんか?死にかけていてもこいつが手術するがと思うとなんかもう〜むかついて、もし治って動けるようになったらこいつはシバク(-_-メ)

看護婦さんが掛け声をかけて横になろうとしてからこの間ずっと頭が自分の意志とは違う動きをしていました。

僕は口では「殺せ」とかいろいろ言っていましたが「首折れてんちゃうん???」とも思ったりして、どちらも嘘ではありませんが情けない話です。

操り人形状態とはいえ僕は一ヶ月ぶりぐらいに景色が変わって(天井から壁に)立ち眩みは皆さん経験があると思いますが寝眩みは皆さん経験ないでしょう(^。^)y-。oO僕はあります。

目がぐるぐる回って気持ち悪いって言おうと思っても目の前に誰もおれへん(;;)
みんな僕の背後に回って「エライことなってるわ」と大きな声で元気のいいことで看護婦さん(^^;でも僕としてはたまったものではありません。

いくら神経が切れて首から下が全く感じなくてもやっぱり我が身はかわいい(;;)凄く不安でしたがそんな事はおかまいなしにステンレスのぶつかり合う音がガシャンガシャン聞こえて、それからドクターが看護婦さんに何か言って看護婦さんが「はい」と返事をして又ガシャンガシャン音がしてドクターがなにやら僕の体にやってる時に看護婦さんが「なんでこんなことになったん?お母ちゃん」といきなり母親に話しかけて母親はそれまでずっと黙っていたので少し驚いた様子でしたが、直ぐに立て直し、被害者を装いながらの口調で「前にいた病院でベニヤ板に寝せられていまして・・・」それを聞いて看護婦さんは「はぁ?ベニヤ板に!?なんでまた〜〜〜?」とただでさえ大きな声がより大きくなってダチョウ倶楽部もビックリのリアクション!母親は待っていましたかのごとく前に居た病院で言えなかった事をペラペラ喋り始めました。
しかしそこは6東の看護婦さん黙って聞いてくれません。

母親が喋っている途中で、「それにしてもベニヤ板はおかしいわ〜お母ちゃん」素人の母親を攻め僕に「北嶋君も痛かったやろ〜」と嫌味ったらしく聞いてきましたが僕はそれどころではなく無視していると「いや!この子無視してやる」と少し怒った様子それにしても素直な発言の連発で(^^;(おまえ全員敵に回す気か?!)褥瘡の処置が終わってやっと不安定な横状態からもとの状態に戻してもらいました。

戻る時も「ほんじゃぁ戻すで〜」やっぱり大きな声で「ゆっくり〜ゆっくり〜」僕の耳もとで(おまえらゆっくり教の信者か!)

看護婦さん達が出て行ったと思ったらしばらくして母親が1人でブツブツ文句言っていました。

「そんなこと言われたって向こうの看護婦さんが言う通りしてただけやないの!何よあの言い方(怒)」その後も延々文句は続きましたが僕的には一ヶ月近く殆ど何も口にしていなく処置と言えば点滴による栄養補給とそれから例のベニヤ板に乗せられたぐらいで何も医療的な事をしてもらっていないので(怪我に対して)意識がもうろうとしていて母親の愚痴を聞いてあげる余裕もなく「うるさい!」と一言、一応母親は静かになりましたが怒りは収まっていないようでした。

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