初めての褥瘡

それから目が覚めるとなにやら大勢の医者や看護婦が僕の部屋に入って来てグチャグチャ喋っていると思ったら、おじいちゃんの医者が「このままじゃ褥瘡{ジョクソウ}(床ずれ)になるのでエアーマット(褥瘡防止用マット)にしよう」とここまでは大正解!当時ここの病院にはエアーマットはなかったらしく「すぐに取り寄せなさい」とめちゃめちゃかっこいい(あれは多分委員長やな!)

問題はここからの一言「このままじゃあれやからベニヤ板敷いて」(このあれが大問題、後にあんな大変な事になるとは)看護婦さんはおじいちゃん医者が何か言う度に「はい」とわかっていてもわかっていなくても大変良い返事で、教育の行き届いた良い看護婦さんです。

どうでもいいけど、何で看護婦さんて、患者さんには幼稚園児扱いするくせにドクターにはあんなに気を使うのだろう(困)なんか間違ってる気がする。(悩)

でも、確かあの時「マットの下にですね」と確かめていたような気がするのですが、その時返事をしていた看護婦さん(こいつ婦長さんかなぁ?)は肝心のエアーマットを敷く時には居なかったような気がしまする。(どうしてでしょう?)

若い看護婦さんが2人で来て、まずエアーマットを敷いて、ここが問題ベニヤ板をどうするか2人の看護婦さんが相談の結果エアーマットの上にベニヤ板を敷いて、ベニヤ板にシーツを掛けて、はい出来上がり!

ですから僕は結局直接ベニヤ板の上に寝てることに成りました。(やったぁ〜v(^0^)vって何でやねん(-_-)/~~)煎餅布団に寝かさされるというのもけっこう悲しい話ですがベニヤ板に寝かされるって・・・俺はある種おしんを抜いたな(^。^)y-。oO抜いてどうすんねんそんなもん(-_-)/~~

褥瘡というのは本来健常者ならば当たり前に行う寝返り等が出来ない寝たきりのお年寄りなどがなる症状で血液の循環が止まるとその人本人は生きていても血液の循環が止まった所から腐って行く症状の事を言います。

ですから直接ベニヤ板の上に寝かさせるなんて少しでも褥瘡に関して知識がある人であれば信じられない行動なのです。

それでは何故おじいちゃんの医者はベニヤ板を必要としたのか!それは状態が状態だけに少しでも僕の体を動かしたくないという配慮からもともとあるベットのマットを抜くのでは無くベットのマットの上にベニヤ板を敷いてその上にエアーマットを敷けばたいして僕の体を動かす事無くエアーマットがグニャグニャに成る事も無く正しく完ぺきな処置だったのですが、どうしてあんな風になったのでしょう?

病院側の問題はいろいろあると思いますが、その事はとりあえずいいとして(良くないかなぁ)でも言い出せばきりが無いし、なにより何とも言えぬ怒りが込み上げて来て大変なので(今日はこれぐらいにしといたろか)

とにかくこれが僕の入院を長引かせた最大の元凶なのです。

ベニヤ板に寝かされてから何時間もたたないうちに唯一感じる所(乳首から上は元気な頃と変わりなく感じることが出来ます)が(肩の後ろの骨のあたり)痛くなって来て、だんだんしゃれにならなくなって来て最初の夜同様に母親に対して「痛い、このベニヤ抜いてくれ!」と言ってもやっぱり聞く耳を持たず「看護婦さんになんとか言ってこい」な どと、とにかく痛いので何回も何回も叫んだり怒ったりいろいろしてみたのですが、のれんに腕押し、ひょうたんから駒これは違うか(^^; といった具合いで何も言うことを聞いてくれません。

それはそうですよね母親の立場からしてみれば馬鹿息子の言うことよりも看護婦さんの言うことを優先するのは当然のことだと思います。

叫び疲れて意識を失って目を覚ますと親戚の人たちが僕のベットの回りにたくさんいました。

どうして鳥取(父親の田舎)にいる筈の親戚が足元に居るのか少し不思議でしたがどういう訳かその時はそれ以上は考えませんでした。

時間の感覚は全く無く事故を起こしてから何日経ったのか分からなかったし考えもしませんでした。

後で聞いた話ですが医者から3日間が峠だと言われたみたいでおっちょこちょいの父親が思いつく限りの知り合いに電話したみたいです。(親子ならともかく親せきの危篤なんて普通呼びませんよね。かっちょ悪い)

そうこうしているうちに何日か何十日か経って総合回診があって例のおじいちゃん医者が来てヨボヨボしながらカルテを見て適当にお決まりのチェックをして次の部屋に行こうとした時看護婦さんが(やっぱりちょっとは気になってたんか?)「先生、この板これで良いんですよね」とおじいちゃんに聞くとおじいちゃんは自分で気ずかんかったくせに慌てて「なんやこれは、これじゃあかんがなぁ」とちょっとお冠(僕は呆れて言葉も無い)看護婦さん焦っていろんな言い訳、「どうでもいいから早く板抜いて」そうしたら看護婦さんちょっと怒った様子で板を抜いてくれた。(当時はそんな言葉なかったけどこれがいわゆる逆ギレやな)

俺もたいがいアホやけどこいつら底抜けなぁと思った。なぜなら何で間違えてたくせに、俺が散々訴えて来たのに何で逆ギレやねん(訳わからん)

母親にも当然いろいろ文句ゆうたら「しゃあないやないの看護婦さんが言うねんから」これは全くその通りなのですが当時は本当に腹が立ったことをよく覚えています。

しばらくして他の看護婦さんが入って来て「ごめんなぁ痛いとこ見せて」と肩を上げて見ると「あら〜褥瘡出来てるわ〜痛かったやろ〜消毒しといてあげるな」とあまりにもお気軽に言ってくれるので、これは口を開いたらえらいこと言ってしまうと思って黙っていると「いや〜怒ってる〜」と言いながら去って行きました。

あいつらはアホか?状況判断できのか?空気を読むって事を知らんのか?理解不能?そりゃあ薬間違って人を殺すわ、誰やねん白衣の天使なんて言うたんは責任者出てこい!

ちなみにどういう痛さかと言うと板間で正座して痛くても痛くてもずっと正座してそうして何日も経って正座を崩すと板が付いていた足の部分が腐っていたという感じマニアにはたまらない(だれがやねん)

当たり前のことですが怪我をして神経が無くなっている部分はもっとひどいらしく、かかと、尾てい骨のあたり、とにかくあおむけに寝て体重が多くかかるところは全部褥瘡(床ずれ)(腐)が出来ていました。

これでめでたく心身ともに腐りました。(バンザ〜イ、そんなことでいいのか?司くん)

これを直すのに3年かかることをこの時はまだ全然知らない

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